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【紙をすすめる理由】日本の森林環境問題とパッケージを通じた解決策

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【紙をすすめる理由】日本の森林環境問題とパッケージを通じた解決策

SDGs(持続可能な開発目標)の目標15「陸の豊かさも守ろう」とは、森林や土地などの陸地を、そこに住む生態系も含めて守っていきましょう、ということを示しています。

参照:外務省「持続可能な開発目標(SDGs)と日本の取組」(参照日2022年1月14日)
外務省「持続可能な開発のための2030アジェンダ 仮訳」(参照日2022年1月14日)

特に森林は、生態系を守る、山崩れや台風などの災害から生物を守る、水を蓄えるなどの大切な働きをしています。なかでも二酸化炭素を吸収してくれるという点は、地球温暖化防止につながる大変重要な役割です。

たとえば、植林されてから40年弱のスギ人工林1ヘクタールが1年間に吸収する二酸化炭素の量は、約8.8トン(炭素量に換算すると約2.4トン)と推定されます。
日本における1人あたりの二酸化炭素排出量は年間で約8.5トンとされているので、スギ人工林1ヘクタール分=1,000本でおよそ1人分の二酸化炭素を吸収していることになります。私たちが生きていく上で森林が不可欠ということですね。

参照:林野庁「森林はどのぐらいの量の二酸化炭素を吸収しているの?」(参照日2022年1月18日)
全国地球温暖化防止活動推進センター「データで見る温室効果ガス排出量(世界)」(参照日2022年1月21日)

森林から伐採する木材によって「紙」は生み出されます。
プラスチック海洋汚染問題をはじめとして、環境問題の要因としてあげられている「プラスチック」。それに代わる素材として注目されているのが「紙」。
では、そもそも森林を消費すること=「紙を使うこと」が本当に環境に優しいの?森林減少の原因になるのでは?と疑問に思った経験がある方も多いのではないでしょうか。

そんなみなさんに、日本が抱える森林環境問題をご説明するとともに、その問題を解決するためにパッケージを通してできることをご紹介します。ザ・パックが「紙化」をすすめる理由は、そこにあります。

日本が抱える森林環境問題

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森林は、前述したとおり、地球温暖化の抑制、生物多様性の保全、土砂災害の防止、水源のかん養、リラクゼーションの場の提供などの大変多くの役割を果たしており、私たちの生活に欠かせないものです。

参考:林野庁「森林の有する多面的機能について」(参照日2022年1月14日)

日本の森林面積はほぼ横ばいで推移していて(2017年3月末現在で2,505万ヘクタール)、国土面積(3,780万ヘクタール)のうち約3分の2が森林です。そのうち約4割(1,020万ヘクタール)は人工林で、その半数が一般的な主伐期である50年生を超え、本格的な利用期を迎えています。

また特筆すべきは、国内の森林蓄積は人工林を中心に年々増加している点です。
森林蓄積とは、資源として利用できる樹木量の目安のことを指し、1966年から2017年までの51年間でみると、森林蓄積は約3倍に増えています。

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令和2年度 森林・林業白書(令和3年6月1日公表)第1部 第1章 第1節 森林の適正な整備・保全の推進(1) 資料1-2我が国の森林蓄積の推移」より作成(参照日2022年1月18日)

森林面積が横ばいであるのに、森林蓄積が増加しているということは、植えてから長い期間が経った木が残ってしまっている、つまり森林の高齢化が進んでいるということです。

なぜ、このようなことが起きているのか。
大きな理由のひとつは、安価で大量に入手できる輸入材が流入し、日本国内の木が使われなくなってしまったことです。
日本で年間に利用される木材のうち、7割以上は輸入材といわれています。輸入材の増加により国内の林業が衰退し、管理が適切に行われず放置されている森林が増えました。

この「森林放置」および「森林の高齢化」が、日本の大きな環境問題となっているのです。
高年齢化した樹木は、吸収できる二酸化炭素の量が減ってしまうなど、本来の森林の役割を十分に果たすことができません。また、間伐などの手入れがされず、森林が荒れてしまうと、地面に生える下草の成長を阻害し、山崩れや土砂災害が起こりやすくなるほか、生物多様性(地球上の生物が、バラエティに富んでいること)の損失も引き起こすとされています。

世界では「森林伐採」が深刻な問題となっており、植林などで回復に努めなければならない状態ですが、日本ではむしろ森林環境の保全のために森林伐採が必要とされています。
樹木は、伐採しても、その後に植林して適切に管理すれば、次の世代に残すことができる持続可能な資源です。
収穫期を迎えた樹木は、伐採し、植え、育て、そして伐採するというサイクルを回すことで、健康な森林が維持され、本来の役割が果たせるのです。このサイクルを円滑に回すためには、国産材の積極的な利用や森林の適切な整備・保全が求められます。

参照:林野庁「令和2年度 森林・林業白書 全文(令和3年6月1日公表)」(参照日2022年1月14日)
林野庁「森林・林業・木材産業の現状と課題」(参照日2022年1月14日)
森林・林業学習館」(参照日2022年1月14日)

木材を適切に利用する

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前述した通り、木を適切に伐採し利用することは、日本の森林を未来に残していくために必要です。もちろん、ただ木材を利用すれば良いわけではなく、適切に管理された森林から伐採・採取した原料を適切に使用することが求められます。

「適切に使用」とは、森林資源をうまく循環させることができるよう、計画的に利用することを指します。たとえば紙素材の場合は、古紙を混ぜ込むなどして新しいパルプの使用量を減らすことで、限られた資源を新たに消費することなく、資源循環のサイクルを回すことができます。

森林認証紙をはじめとするSDGsに対応する箱・パッケージ用の紙素材や、紙製品などのリサイクル・再資源化については、こちらの記事で詳しくご紹介しています。
SDGsに適した環境対応の箱・袋・パッケージづくりに必要なこと
【リサイクル】持続可能な循環型社会を目指すパッケージとは
【リサイクル】紙製パッケージの再資源化

また、本来は捨てられるはずの「廃棄物」を素材に混ぜ込んで再資源化することも、資源の削減といえます。

廃棄物が混ぜ込まれたパッケージ、と聞くとあまり良い印象を持たない方もいるかもしれません。
では、「古着が混ぜ込まれた紙を使ったアパレルブランドの紙袋」「出がらしの茶葉が混ぜ込まれた紙からできたお茶のパッケージ」といったらどうでしょう。背景が気になってきませんか。

本来は捨てられてしまうはずだったものを混ぜ込んで作ったパッケージには、それぞれ「ストーリー」があります。そのストーリーを消費者へ向けて語らせることで、ただ包むだけの用途であったはずの袋や箱が、企業やブランドとしてのメッセージを伝えるツールとなります。

ストーリーはお客様の数だけあります。使い道がないから捨てるしかないと諦めていたものはありませんか。
もちろん、本来の原料と異なるものを混ぜ込むことは、簡単なことではありません。
しかし、その前例を作り続けていくことで、お客様へ最善の方法をご提案することが私たちの使命だと考えています。

まだまだ開発は始まったばかりですが、これまでの成果の一部を下記にてご紹介しています。
【リサイクル】廃棄物を活用したパッケージ製作とは
【SDGs対応】パッケージで社会貢献!付加価値が高いおすすめの素材 その1

樹木の保全に取り組む

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木を伐採し、省資源化を図りつつパッケージを製作したあとは、また新たな資源を生み出すための取り組みが必要です。豊かな森林を将来へつなぐため、新しい木を植え、育てることが求められます。

ザ・パックでは2001年より、「ザ・パックフォレスト環境基金活動」を続けています。
NPO法人「地球と未来の環境基金(EFF)」に運営を委託して行っているザ・パック独自の活動で、植林をはじめとする森林保全活動がその主な内容です。
活動の詳細についてはこちらの記事でご紹介しています。
【フォレスト環境基金活動】ザ・パックが推進する植林・森林保全活動について

上の記事内でもご紹介している通り、フォレスト環境基金活動の一環として、大阪府が行っている「アドプトフォレスト制度」に参画しています。
アドプトフォレスト制度とは、「大阪府が事業者等と森林所有者との仲人となって、事業者が森づくりに参画するための制度」です。
参照:大阪府「アドプトフォレスト」(参照日2022年1月20日)

ザ・パックは2016年にこの制度に参画し、「四條畷市ふれあいの森」にて、スギ、ヒノキ林の間伐を中心に、森林機能の増進に資するべく活動を行ってきました。
このアドプトフォレスト活動を長期間行っていることが評価され、2022年1月に大阪府より感謝状を頂きました。

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樹木は植えて数日・数か月で十分に育つものではありません。伐採に適した状態になるまでは、短いもので30年、長いもので60年程度かかります。
日本の森林を未来へ残すためには、継続的に活動をしていくことが重要なのです。

フォレスト環境基金活動は、ザ・パックのオリジナルマークである「フォレストマーク」がついたパッケージの出荷金額から拠出された「ザ・パックフォレスト環境基金」を資金源にしています。
つまり、使用することが直接森林保全につながるといえます。

日本の森林などの自然環境を守ることに直結するパッケージ素材については、こちらの記事でご紹介しています。
【SDGs対応】パッケージで社会貢献!付加価値が高いおすすめの素材 その2

パッケージを通して日本の森林を守る

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森林は、地球温暖化防止や生物多様性保全などのさまざまな働きをもち、私たちが生きていくためにはなくてはならない存在です。
しかしながら、日本の森林はいま、危機にさらされています。森林が本来の効果を持続的に発揮していくためには、森林の適正な整備・保全を推進する必要があります。

そのためにできることはなにか。
ザ・パックは紙を扱うメーカーとして、今後も健康で持続的な自然環境の保全を目指し、真剣に課題と向き合い、取り組んでいきます。

今回ご紹介したような森林保全につながるパッケージを採用することで、それを手にする消費者にも日本が抱える森林環境問題を知ってもらい、私たちの未来を考えるきっかけにもなるのではないでしょうか。

総合パッケージメーカーであるザ・パックは、お客様が考える課題に向き合い、パッケージを通して解決するアイディアをご提供します。
具体的な課題、ご相談やご要望をお持ちの方は、お手数ですが商品お問い合わせまで一度ご連絡ください。

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これからも「つつむを知る」では、他のコンテンツでは発信できないパッケージの最新トレンドや、パッケージ製作をご検討中の皆さまの役に立つ情報を色々とお伝えしていきます!
ザ・パックへのお問い合わせやご依頼は、お問い合わせフォームよりお寄せください。

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