顧客満足・品質
品質管理
高品質な製品を確保していくために、品質管理組織を設置し、品質や安全に関する活動・教育、クレームや異常発生時の改善を継続しています。品質を統括・監視する部門として、その独立性を確保するため、社長直轄の品質管理統括部を設置し、製造の品質管理部門と連携して品質改善を行っています。2023年からは品質管理統括部に、品質管理部と品質保証部を設置しました。「買い手視点」である品質保証と、「作り手視点」の品質管理の両側の視点から、顧客のニーズと製造現場の改善を通じて、広い視野で品質向上に努めています。
品質管理体制図
4工場および本社・購買・営業グループにて品質管理組織を構築し、品質管理の統一や業務改善を行っています。品質管理統括部がリーダーシップを発揮することによって、逸脱や人為的なミスを未然に防止しています。
品質方針
品質方針「品質強化による、CS(顧客満足)の向上」
当社は、主力事業である包装資材を主とした製品の設計、開発、製造、販売、サービスにおいて、お客様に安全・安心で高品質な製品を提供し、顧客満足度の向上に努めます。この品質方針は品質改善活動の根幹であり、すべての取り組みは品質方針に基づき実施しています。法令や規制要求事項の遵守はもちろん、顧客要求事項を満たすことの重要性を組織全体に浸透させています。
品質に対する考え方
当社は、全てのお客様にご満足いただける品質を追求しています。製品の高い品質を保証するために、以下の3点を実践しています。
- 製品開発と生産において、常に品質を最優先に考える
- 顧客満足度と機能性の向上、安定した供給を目指す
- 品質管理システムの構築・維持・向上に努める
製造委託先においても協働で製品品質の継続的改善に取り組んでいます。品質逸脱が発見された場合には調査を行い、製品品質への影響およびその影響範囲などを確認し、発生原因を徹底的に調べます。また、根本原因を特定し、是正措置を行い、再発防止に努めています。納品後にクレームや異常が発生した際は、全社に即時情報共有するための速報が発行される仕組みを構築しています。
トレーサビリティ
当社工場では、トレーサビリティの根幹として管理規則・手順に従い以下の管理を徹底しています。
- 各種情報を追跡できる原材料の使用
- 各製造工程での詳細な情報の記録・保管
- 原材料受け入れから各製造工程における合格品・不適合品の識別
また、品質問題発生時には、初動対応や原因究明・対策 を迅速に行う為、以下の体制を整えています。
- 全社へ即時情報共有のできる速報システムの使用
- 原因を究明できる高レベルの分析機器・技術の保有
これらの管理体制により、原材料受け入れから各製造工程・保管・販売・消費に至る各場面で発見した品質問題に対し、容易に原因究明ができ、回収作業を最小限に抑える仕組みを構築しています。
内部監査
内部監査において、品質部門が第三者視点で確認し、自主点検では気づきにくい内容について、指摘や改善を行う機会を設けています。(2023 年度は40拠点にて実施)指摘事項や改善事項については、品質にかかわる課題を早期発見・解決できる仕組みを確立しています。
2023年品質活動実績
当社では、より高いレベルの品質の商品提供を目指し、定期的な品質向上に向けた活動を実施しています。年間を通じて「品質強化月間」を定め、社員の品質管理教育および啓蒙活動に取り組んでいます。また、品質に関する情報の発信・周知徹底、講演会の受講、協力会社との品質会議などを開催し、品質強化による顧客満足度の向上を目指しています。
ISO活動、取得済み認証
取得済みの認証は以下の通りです。
2006年にISO14001(環境)認証を、2009年にISO9001(品質)認証を国内全事業所で取得しています。
効果的にマネジメントシステムが構築されるために、内部監査を定期的に行い運用しています。
FSC®認証材及び管理原材料を使用した紙や紙製品に与えられるFSC® CoC認証を取得しています。(FSC® C020517)
FSC® CoC認証とは、FSC®認証機関により、適切に管理されたFSC®認証林からの原材料および再生資源を使用した紙や紙製品に与えられる認証です。
東京工場・大阪工場の食品用紙製包装容器製造ラインでは、国際的な食品安全規格である FSSC22000の認証を取得し、安心・安全・高品質な食品用パッケージをお届けしています。
本社 | ISO14001 ISO9001 FSC® CoC 認証取得 |
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東京本社ビル | ISO14001 ISO9001 FSC® CoC 認証取得 |
大阪工場 | ISO14001 ISO9001 FSSC22000(一部ライン) FSC® CoC 認証取得 |
東京工場 | ISO14001 ISO9001 FSSC22000(一部ライン) FSC® CoC 認証取得 |
奈良工場 | ISO14001 ISO9001 FSC® CoC 認証取得 |
茨城工場 | ISO14001 ISO9001 FSC® CoC 認証取得 |
パック・クオリティー・コントロール(品質管理)活動
全部門にて小規模なサークルを立ち上げ、品質と生産性向上に繋がる業務・職場改善活動に取り組んでいます。社内にて年間2回の表彰を行い、主体的な活動を推進しています。
品質管理に関する社内教育
製造現場にて、4M(人・機械・材料・方法)変動、3H(初めて・変更・久しぶり)管理の社内教育を実施しています。
社外の協力会社に対する品質パトロール
定期的な品質パトロールによる現地検証での確認・指導・教育を実施しています。
取引先・顧客との共創
ザ・パックフォレスト®環境基金参同への提案
当社は2000年より、対象商品販売額の一部をザ・パックフォレスト®環境基金に拠出し、全国9カ所ある植林地にて実施している森林保全活動に役立てています。2023 年にマテリアリティKPIとして「基金の賛同社数を300社にする」を指標に定め、パッケージを通して、賛同されたお客様とともに森林保全に貢献する輪を広げています。2023 年は123社に賛同いただき、65名のお客様が森林保全活動にご参加されました。今後も、賛同企業の拡大に努め、この活動を通して顧客のブランド価値の共創、また、社会の環境問題への意識醸成に努めていきます。
2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | |
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賛同社数(社)※ | 24 | 44 | 67 | 94 | 123 |
- ※売り上げ実績のある会社をカウント
物流のモーダルシフトとフルトレーラー実証実験
物流2024 年問題の対応策として、東西工場間輸送の効率化を目的とした「フルトレーラーによる輸送実証実験」を実施しました。フルトレーラーは、従来の約2倍の物量を一人の乗務員で輸送が可能です。実験結果より大幅な輸送効率の改善が見込めることが確認できました。今後は、荷物の積み込み前準備の負担などの課題について、検証・解決していき実用化に向けて取り組んでいきます。また、JRの鉄道コンテナを利用するモーダルシフトも積極的に行っており、輸送効率の改善とともに、物流におけるCO2排出量の削減にも取り組んでいます。
パートナーシップ構築宣言
当社はサプライチェーン全体の共存共栄と連携を強化 するため、2022 年7 月に「パートナーシップ構築宣言」を公表しました。宣言内容を社内外に周知するとともに、円滑な実施に努め、サプライチェーン全体の価値向上に取り組んでいきます。
パートナーシップ構築宣言の内容
- サプライチェーン全体の共存共栄と規模・系列等を超えた新たな連携
当社と下請事業者が各々有する技術・ノウハウを活用して革新的な原材料を開発していくなど、両者の連携と共存・共栄を図る体制を構築します。 - 「振興基準」の遵守
下請代金の決定方法など下請事業者の利益を図るために定められた振興基準を積極的に遵守し、パートナーの関係構築の妨げとなる事情の是正に取り組みます。
「パートナーシップ構築宣言」の詳細は、「ザ・パック株式会社パートナーシップ構築宣言」をご確認ください。
社会課題の解決につながるパッケージの開発
薄型配送箱の組み立て作業をサポートする治具「ジグクイックTM」を開発
再配達防止を抑制する薄型配送箱の需要増や、梱包作業現場における人員不足の対応として、箱組み作業を容易にする治具「ジグクイックTM」を開発しました。段ボール製のため、一般的な金属や木製の治具と比べ、軽量で持ち運びがしやすく、安全にご使用いただけます。1 台で複数サイズの薄型配送箱に対応する可変式タイプもございます。
製品の共通特長
- 段ボール製のため軽量で、安全性が高い
- 1台で複数サイズの組み立てに対応する可変式
- コストメリットが高い
環境対応と省人化を実現する「紙製宅配袋の自動包装システム」
梱包現場における人員不足や、昨今求められる環境問題への対応として機械メーカーであるワイエイシイマシナリー株式会社と協働で紙製宅配袋の自動包装システムを開発しました。資材の素材構成、機械設計の工夫により、従来対応がむずかしかった紙系素材での自動包装を可能にしました。
梱包したい商品をコンベアにのせるだけで、連続的に紙製包装ができるこのシステムは、商品の長さを自動で検知し、最適な長さで包装することで、紙の使用量を抑制できます。また、送り状ラベルも自動貼り付けが可能です。省人化と環境対応の両方を叶える包装システムです。