ガバナンス
コーポレート・ガバナンスの体制
当社は、監査役会設置会社であり、独立した監査役および監査役会により取締役会の職務執行を監査し、経営の健全性・透明性を確保しています。
取締役および執行役員の指名ならびに報酬等の決定にかかる手続の公正性・透明性・客観性を確保する目的で、任意の指名委員会および報酬委員会を設置しています。
各委員会は、取締役会の決議により選任された取締役(社外取締役を含み、議長も社外取締役が務めます)により構成され、取締役会の諮問に応じ、取締役の指名・報酬に関する事項について審議しています。
このほか、経営の効率化と機動的な意思決定による業務遂行を目的とした執行役員制度の導入、取締役会の監視機能強化の目的で社外取締役・社外監査役が意見交換および取締役会への提言を行う社外役員会議を設置し、コーポレート・ガバナンス体制の充実を図っています。
委員会の活動状況
役割 | 人員構成 | 開催回数/年 | 内容 | |
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取締役会 | 経営上の重要事項の決定及び業務執行の監督 | 9名 (社外3名含む) |
17回 | 社内取締役の当社における豊富な業務経験と社外取締役の客観的かつ専門的な視点により、適切な意思決定および経営監督を行っている。 |
監査役会 | 取締役の業務執行および取締役会における意思決定プロセスの監視・監督 | 4名 (社外2名含む) |
13回 | 常勤監査役の当社における業務経験に基づく視点と社外監査役の客観的かつ専門的な視点から経営の健全性を確保している。 |
社外役員会議 | 独立社外役員間における情報交換および認識共有 | 社外取締役3名 社外監査役2名 |
6回 | 独立社外役員間における情報交換および認識共有を行うことにより、それぞれ独立した客観的な立場から経営陣に対する実効性の高い監督を行っている。 |
指名委員会 | 取締役および執行役員の選解任に関する事項の審議・答申 | 取締役5名 (社外3名含む) |
2回 | 独立社外役員が過半数を占め、かつ議長も務める構成のもと、取締役の選解任議案および代表取締役・役付取締役の選定案等について審議を行い、取締役会からの諮問に対し答申している。 |
報酬委員会 | 取締役および執行役員の報酬に関する事項の審議・決定 | 取締役5名 (社外3名含む) |
4回 | 独立社外役員が過半数を占め、かつ議長も務める構成のもと、取締役および執行役員の報酬について審議を行い、決定している。 |
サステイナブル委員会
当社では、取締役会のもと、2023 年1月にサステイナブル委員会を設置し、当社グループにおけるサステイナブル経営推進について対応しています。
サステイナブル委員会とその業務執行組織であるサステイナブル委員会事務局は、事業部会、業務部門・グループ会社と連携し、サステイナブル経営の運営・推進及び重要テーマに関する方針の策定、取り組みの進捗管理、中期経営計画への反映等について、審議、決定します。サステイナブル委員会事務局は、業務部門・グループ会社と連携して、アクションプランの推進、KPIの管理等を行います。
取締役会は、サステイナブル委員会に諮問し、方針の決定、監督を実施します。事業部会はサステイナブル委員会と連携して、情報共有を行います。業務部門・グループ会社は、各種施策を実行し、その結果やデータ等を提供します。
独立社外取締役および社外監査役の活用
当社は社外取締役3名、社外監査役2名を選任しています。5名とも当社との間に、人的関係、資本的関係、取引関係が無く、完全に独立した立場にあります。社外取締役の独立性に関しては、会社法に定める要件および東京証券取引所が定める基準に従っています。
社外取締役・社外監査役は、その専門知識と経験を活かし、中立的な立場からの監督・監査により、当社のコーポレート・ガバナンス実効性を高める機能を担っています。
取締役のスキル及び多様性
当社は、取締役会が業務の監督及び重要な意思決定を行う機関であることに鑑み、多様な経験に基づく幅広い視点と高度なスキルを持った人員で構成されるべきであると考えており、下記の選任基準を定めています。
- 当社グループの経営理念及び経営方針に基づき、持続的な成長と中長期的な企業価値向上の実現に向け最善を尽くすことができること
- 取締役にふさわしい優れた人格、見識及び高い倫理観を有していること
- 取締役の職務を誠実に遂行する意思と能力が備わっていること
- 社外取締役については、企業経営・法律・財務会計等の分野に関する知見と豊富な経験を有し、会社法第2条第 15 号に定める社外取締役の要件及び当社の定める独立性基準を満たすこと
- 役付取締役(代表取締役、会長、社長、副社長、専務及び常務)については、選任された取締役の中でも当社を代表するにふさわしい経歴、能力、リーダーシップ、中長期的視 野及び高い倫理観を持っていること
- 法令上求められる取締役の欠格事由に該当しないこと
取締役候補者は、上記基準を満たす人員から選定され、任意の指名委員会での審議を経たうえで取締役会において決定されます。
コーポレート・ガバナンスの取り組み沿革
当社は法令、東京証券取引所の要請に応じて、ガバナンスの個別の取り組みを強化しています。
コーポレート・ガバナンスの取り組み(一部)
2006 | Cライン(内部通報制度)の導入 |
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2010 | 全取締役及び全監査役の報酬総額上限の改定 |
2015 | 株式報酬型ストックオプションの導入 社外取締役制度の導入 |
2016 | 社外役員会議の設置 |
2019 | 社内取締役の人数削減(10名から7名へ) |
2020 | 「当社株式の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)」の廃止 株式報酬型ストックオプションに代わり、譲渡制限付株式報酬制度の導入 |
2021 | 役員の報酬等の決定に関する方針の決議 任意の指名委員会及び報酬委員会の設置 |
2022 | サステイナブル経営推進室の新設 株主電子投票制度及び議決権電子行使プラットフォームの導入( インターネットによる議決権行使) パートナーシップ構築宣言(取引先との共存共栄と取引条件のしわ寄せ防止) 有価証券報告書の英文化の対応 スキル・マトリックスを定時株主総会招集通知より掲載 女性取締役の登用・社外取締役3分の1以上選任 |
2023 | サステイナブル委員会の設置 |
取締役会実効性評価
取締役会の実効性を高めるため、毎年すべての取締役・監査役を対象とした自己評価アンケートを実施しています。
- 評価の方法:毎年12月の取締役会において、取締役会の実効性に関するアンケートを全ての取締役、監査役に配布し、回収したアンケートの集計結果に基づき、翌年1月の取締役会において実効性の分析・評価を行い、改善に努めています。
- 回答方法:点数評価、自由回答欄あり
- 回答方式:記名方式
役員報酬の構成
当社役員の報酬制度は、業界における競争力を維持するとともに、業績向上を図り継続的に企業価値を高め、株主と利害を共有できる、職責や成果を反映した体系となっております。
役員報酬制度
固定報酬 | 固定報酬は、職務執行の対価として役位、職責に応じてあらかじめ決められた基準報酬を月例の金銭報酬として支払います。 |
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賞与(業績連動報酬) | 賞与は、短期的な業績向上と企業価値向上へのインセンティブであることから、単年度の連結営業利益を指標とし、その一定比率を 支給原資としています。各取締役の担当事業への貢献度を勘案のうえ、報酬委員会において決定し、毎年一定の時期に支払います。当該指標を選択した理由は、経営陣としての成果および責任を客観的に確認できるためです。 |
株式報酬型ストックオプション(業績連動報酬) | 株式報酬型ストックオプションは、株価変動のメリットとリスクを株主と共有し、中長期的な業績向上や企業価値向上に向けた取締役 の動機を高めることを目的とし、当社株式の新株予約権を取締役に付与するものです。新株予約権を割り当てられた年度の連結業績伸長率(売上高・営業利益額)が前年度に対し100%以上の場合のみ、当該年度に割り当てられた新株予約権を全て行使することができ、100%未満の場合には、その度合いに応じ当該年度に割り当てられた新株予約権の一部しか行使できないこととしております。なお、ストックオプションは、譲渡制限付株式報酬制度の導入にともない、すでに付与済みのものを除き廃止し、以後、新たに発行しないこととしております。 |
譲渡制限付株式報酬制度 | 譲渡制限付株式報酬制度は、株主との更なる価値共有や中長期的な企業価値向上を目的として上記の株式報酬型ストックオプションに代えて導入された報酬制度です。当社取締役会決議に基づき、譲渡制限付株式に関する報酬として毎事業年度において金銭報酬債権を支給し、各取締役は当該金銭報酬債権の全部を現物出資の方法で払い込むことにより、当社普通株式の割当を受けます。その後、取締役が退任した場合に、本割当株式の譲渡制限が解除されます。 |
役員報酬の決定プロセス
取締役の報酬は、2022年12月26日開催の取締役会において、取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針(以下「決定方針」といいます)を決議しております。取締役会は、当該決定方針および当該決定方針を具体化した所定の規則にしたがって当事業年度に係る取締役の個人別の報酬等を決定することを報酬委員会に委任し、報酬委員会は、当該決定方針および所定の規則との整合性を確認しつつ、取締役の個人別の報酬等を決定しています。取締役会は、取締役の個人別の報酬等の決定方法および決定された報酬等の内容が、当該決定方針に整合していることを確認しており、当該決定方針に沿うものであると判断しております。
政策保有株式に関する方針・検証・議決権行使基準
当社は、取引先との連携による事業の持続的成長および取引関係が強化される場合を除き、政策保有株式は保有しないことを基本方針としています。保有の合理性を検証するため、四半期毎に取締役会で個別銘柄の精査をしており、経済的価値と保有コストとの見合いや戦略的な関係性・重要性等の観点に合致しないと判断された株式は縮減するよう努めております。また、政策保有株式に係る議決権行使ついては、議案内容が株主価値の向上に資するかを判断した上で、原則としてすべての議案に対して適切に行使します。
内部統制
会社法および会社法施行規則に基づき、当社および当社グループ会社が業務の適正を確保し、効率的経営を行うために必要な内部統制体制を整備しています。
コーポレートガバナンス・コードへの対応
コーポレート・ガバナンス基本方針
当社は、コーポレート・ガバナンスの重要性について強く認識し、経営効率の向上、企業倫理の確立をはかるとともに、経営活動が適正に実施されるよう監視できる体制を整え、かつ株主共同の利益に資する重要な情報について、迅速に開示することを基本方針としています。
コーポレートガバナンス・コードへの対応
当社のコーポレート・ガバナンスの状況は東京証券取引所の「コーポレート・ガバナンスに関する報告書」に記載の通りです。
また、全原則に関する取り組みについて記載している「コーポレートガバナンス・コードに関する当社の取り組み」はこちらからご覧いただけます。
株主・投資家との対話
当社は事業活動や経営戦略、ESGの取り組みなどの理解を深めていただくため、決算説明会の開催や、個別の機関投資家面談などを実施しています。これらの対話を通じて得られた株主や投資家の皆様のご意見を経営に活かし、企業価値の向上を図っていきます。