【SDGs対応】パッケージで社会貢献!付加価値が高いおすすめの素材 その1

SDGsへの取り組みが企業にとっての重要な社会的責任となり、さまざまな社会課題解決を目指した動きが世界中で加速している昨今。
環境への取り組みやメッセージを消費者へ示すツールとして、パッケージが用いられることが多くなっており、日本国内でも、ここ2~3年でパッケージの「環境対応化」が急速に進んでいます。
日常生活のなかで、以前は普通のプラスチック製だった袋や容器が、紙素材や生分解性を有する素材をはじめとする「環境対応素材」に変わっていることに気付いた経験があるのではないでしょうか。
最近では、すでに紙素材を使用しているパッケージでも、よりSDGsに適し、社会貢献に直結する素材を求める声が高まっています。
ザ・パックでは、「オリジナル性のある素材を使用して他社との差別化を図りたい!」、「環境問題以外の面からもSDGsにアプローチしたい!」という方々のご要望に応えるため、社会課題の解決に貢献する、付加価値が高い素材をご用意しています。
その一例を2回に分けてご紹介していきます。
1回目にあたる今回は、廃棄物を有効活用した3つの素材をご紹介します。
古着混抄紙
古着混抄紙とは、着られなくなった古着を細かく粉砕して混ぜ込んで作った紙です。
日本国内の家庭から手放された衣類のうち、リユース(再利用)・リサイクル(再資源化)されるのはわずか約34%に過ぎず、残りの約66%は処分されています。
ここでの「リユース」には、海外輸出される衣類も含まれているのですが、古着の海外輸出は輸出先国の現地産業に影響を与える懸念があることから、国内におけるさらなるリユース・リサイクルの促進が課題となっています。
参照:サステナブルファッションの推進に関するWebサイト(環境省)
衣類廃棄物問題は日本における大きな社会問題の一つとなっており、回収ボックスを店頭に設置するなどして古着の回収を行うアパレルブランドも増えています。
この問題への解決策として、パッケージメーカーであるザ・パックができることは何か。
その答えの一つが、この古着混抄紙です。
回収された、本来は廃棄されていた古着を粉砕して紙に混ぜ込み、その紙を使用したパッケージを製造。
そのパッケージを店頭などで使用することで、その分のパルプの使用量を削減できることはもちろん、衣類廃棄物再資源化のスキームをわかりやすく消費者に伝えられます。
さらには消費者に対する衣類廃棄問題への意識啓発・行動変容につながり、問題を解決へ導く糸口となるのではないかと私たちは考えています。
ここでは一例として「古着」を挙げましたが、他の物を混ぜ込むことも可能です。
コーヒー豆の粉や使い終わった茶葉など、自社商品の製造工程でどうしても発生してしまう廃棄物をパッケージの原料として生まれ変わらせたいという方は、ぜひザ・パックへご相談ください。
kome-kami(コメカミ)
kome-kami(コメカミ)とは、原料の一部に食べられなくなったお米※を活用して作られた紙です。ラフでありつつもしっとりした、豊かなお米を感じる風合いが特徴です。
※食べられなくなったお米:食用に適さない古米、備蓄用に使われていたアルファ米で廃棄されてしまうもの、メーカーなどで発生する破砕米、一般のご家庭や流通段階で食べられなくなってしまったお米など
この紙は株式会社ペーパル様の研究開発によって生まれたフードロスペーパーの一つです。
ザ・パックはkome-kami(コメカミ)をより幅広くパッケージなどの包材アイテムに活用すべく、株式会社ペーパル様とともに、紙箱などに使用できる厚紙を開発しました。
白く風合いのある「ザ・パックオリジナルkome-kami原紙」は、温かみがありナチュラルなテイストはもちろんのこと、高級感も演出できます。
参照:kome-kami商品ページ(株式会社ペーパル)
日本のフードロス問題や災害備蓄米廃棄問題の解決への糸口となることが期待されている「kome-kami(コメカミ)」。
その特徴は、食べられなくなったお米を混ぜ込んだ紙であるという点だけではありません。
原紙売上の1%が、フードバンクに寄付され、食品ロス低減の活動を応援することができる点も大きな特徴の一つといえます。
みなさんは、「フードバンク」という言葉を耳にしたことがありますでしょうか。
フードバンクとは、「食料銀行」を意味する活動のことでで、まだ食べることができるにもかかわらず、さまざまな理由で処分されてしまう食品を、食べるものに困っている施設や人に届ける活動をしています。
フードバンク事業を行う多くの団体は、運営資金の確保に苦慮しているといわれています。
生活に困っている人に食品を提供するという、社会的に重要な役割を担っているにもかかわらず、自治体からの助成金や寄付金に依存せざるを得ないのです。
昨今のコロナ禍においては、フードバンクの利用者がさらに増加しており、継続的な活動が困難になっている団体も少なくありません。
「kome-kami(コメカミ)」をたくさん使用することは、フードバンクへの寄付を増やし、事業の継続を支援することにもつながります。
卵殻配合素材
最後に、「卵殻(=タマゴのカラ)」を原料の一部に使用した素材をご紹介します。
廃棄予定の卵殻をパウダー状にしたものを、プラスチックトレーやフィルムの原料に混ぜ込むことで、資源の有効活用、石油資源の抑制、さらには廃棄時に発生するCO2も削減できます。
使用している「卵殻」は、私たちに身近なものであるため、消費者にとっても環境に配慮されていることがわかりやすい素材であるといえます。
本来は廃棄してしまうはずの「卵殻」を有効活用しているという点だけでなく、国産のバイオマスプラスチック(原料として再生可能な有機資源を使用するプラスチック素材)であるという点も大きな特徴のひとつです。
バイオマスプラスチックは、温室効果ガスの排出抑制、化石燃料をはじめとする枯渇性資源の使用削減などによる環境負荷低減が期待される素材です。
環境省が策定した「プラスチック資源循環戦略」には、2030年までに、バイオマスプラスチックを最大限(約200万トン)導入するよう目指すことが記載されています。
日本国内におけるバイオマスプラスチック製品の国内出荷量(2018年度)は約72千トンにとどまっており、目標の達成に向けては、国内における生産能力の増強が不可欠です。
参照:バイオプラスチック導入ロードマップ(環境省)
そこで開発されたのが、この「卵殻配合素材」というわけです。
この素材を使用することで持続可能なプラスチックの利用を促進し、SDGs達成に貢献することができます。
詳細については、「卵殻を活用したパッケージのご紹介」でもご紹介していますので、ぜひご覧ください。
廃棄物を有効活用した資源を使うということ
私たちが暮らす地球上にある資源は有限です。
限られた資源を有効活用するためには、資源の効率的な利用と再利用が欠かせません。
活用できるものは廃棄せず、適切に利用することがサーキュラーエコノミー(循環経済)の実現、ひいてはSDGs達成への一歩につながります。
私たちの身近にあるパッケージに、ここで紹介した素材をご採用いただくことにより、消費者が現代の問題を自分事として考えることのきっかけにもなります。
今回ご紹介した例のように、本来であれば廃棄してしまうものを有効活用した素材の開発には引き続き力を入れて行っていきます。
オリジナル素材の共同開発についてもぜひご相談ください。
次回は、今回とは別の角度から社会貢献ができる素材についてご紹介します。
総合パッケージメーカーであるザ・パックは、お客様が考える課題に向き合い、パッケージを通して解決するアイディアをご提供します。
具体的な課題、ご相談やご要望をお持ちの方は、商品お問い合わせまで一度ご連絡ください。
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