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卵殻を活用したパッケージのご紹介

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卵殻を活用したパッケージのご紹介

卵殻とは、その字の通り“タマゴのカラ”のことです。
卵は私たちの生活に不可欠な食材であり、様々なものに活用されています。
ところが、廃棄物としての“殻”の存在は意外と認知されていないのではないでしょうか?
ザ・パックでは卵殻を利活用したパッケージを研究開発することで、そういった廃棄物の存在にスポットライトをあてるとともに、資源を循環させる持続可能な取り組みをご提案可能にいたしました。

なぜ卵殻を活用すべきなのか

なぜ卵殻を活用すべきなのか
様々な産業廃棄物が存在する中で、なぜ卵殻を活用することを考えたか、という点からお話ししていきます。

あまり知られていませんが、日本は国民1人当たりが1年で消費する卵の消費量で世界第2位を誇る国です。(国際鶏卵委員会調べ)
工場などで使用される卵からは、年間約13万トンの卵殻が発生しています。
殻のない卵が登場しない限りは、卵を使うところには必ず卵殻という廃棄物が発生することになります。
このような背景は、「安定供給」という面では原料として活用するにあたり大きなメリットとなるでしょう。

石油資源使用抑制やCO2 排出量低減のため環境にやさしい素材として世界でニーズが高まっている「バイオマスプラスチック」ですが、現在はその原料のほとんどを海外からの輸入に頼っています。
バイオマスプラスチックの原料はサトウキビやとうもろこしの非可食部で、全世界では年間約250万トンの生産能力があるのに対し、日本は年間約1万トンしか生産することができません。
環境省では2030年までにバイオマスプラスチック製品を国内で年間200万トン普及させることを目標にしていますが、このままの生産能力では、目標達成が困難であることは明白です。
参照:環境省 プラスチック資源循環戦略(概要)

この目標達成のためには、国内で製造できるバイオマスプラスチックの開発が必要なことが分かります。
そこで国内で大量に回収することが可能な“卵殻”をバイオマスプラスチックとして利活用することを一つの可能性として、研究開発を進めてきました。

もうひとつの理由としては、卵が我々の生活に大変身近なものであり、利活用することがユーザーにとってイメージしやすいものである点です。
PETボトルをリサイクルした衣類や、牛乳パックをリサイクルしたトイレットペーパーも、近い理由でイメージしやすい事例ではないでしょうか。
環境問題や資源循環、リサイクルの取り組みが、世界の遠いどこかで行われていることではなく、自分たちの身近な物事であることを知ることは、人々の意識改革にとって大きな意味を持ちます。

【成形品】卵殻を用いたパッケージご紹介

卵殻を用いたパッケージ
卵殻を用いたパッケージの事例をご紹介していきます。
まずは「成形品」と呼ばれる資材です。
これは、金型で成形してプラスチックトレーにすることで、お菓子や紅茶の包装などに使われます。
見た目には分かりませんが、3層構造になっていて、表層と裏層に挟まれた中層に卵殻を混ぜ込んでいるため、食品用の包装資材にも対応が可能です。(溶出試験済)
(リサイクルした素材は、衛生面で食品用の包装資材に適さないこともあります)

なお、卵殻を配合しているということを凹凸感などの触感でより消費者に分かりやすくする目的で、単層構造での対応も可能です。
単層構造でも卵殻の配合率が10%未満であれば、食品用の包装資材として使用することができます(溶出試験済)。

この成形トレーは耐寒性の試験も行い、冷凍保管するパッケージへの活用も検証しています。
※最終的には使用されるお客様による、製品基準に準じた製品評価をお願いしています。

【フィルム】卵殻を用いたパッケージご紹介

卵殻を用いたパッケージ
続いて、「フィルム」と呼ばれる素材です。
シートと比べるとより薄いプラスチック素材で、袋状などに加工して使用することができます。
卵殻を粉砕して混ぜ込んでいるため、従来には無かったような新感覚の肌触りがあり、表面がやや凸凹しているのが特徴です。
表面が滑らかでないことから印刷が難しいという面もありますが、ザ・パックではフレキソ印刷で高精細な印刷表現が可能です。

今後の取り組みと展示会出展のお知らせ

今後の取り組み
まだ、卵殻を活用したパッケージの研究開発は始まったばかりです。
今後は、例えば耐熱性を有した卵殻トレーの開発。これをすることで電子レンジによる加熱や、加圧加熱殺菌など、使用用途の幅が大きく広がる可能性があります。
また、現在実現している素材は卵殻の配合率が50%未満のため、容器包装マークはプラマークを表示することになっています。卵殻やその他バイオマス素材を50%配合した素材を開発することができれば、プラマークの表示不要の成形トレーが実現します。

更に、この卵殻配合シート/フィルムを店頭などで回収し、再生資源として新たな包装資材の製造に活用することで持続可能な循環の輪を繋げていくスキーム作りも行っています。
サーキュラー・エコノミー(※)の考えに則り、再生素材であっても単純に消費するだけでなく、できるだけ廃棄物が出ないような資材利用の仕組みを前提にする必要性は、今後一層増えていくことが予想されます。
ゆくゆくは卵殻だけでなく、お客様の事業で出る廃材・残渣(もみ殻、カカオ殻、米ぬかなど)を回収し、粉砕、成形加工を行うことで、環境にやさしい包装資材に生まれ変わるような素材開発を推進していきます。

※サーキュラー・エコノミーは、従来の3R(リデュース、リユース、リサイクル)の取組に加え、資源投入量・消費量を抑えつつ、ストックを有効活用しながら、サービス化等を通じて付加価値を生み出す経済活動。
(参照:環境省 サーキュラー・エコノミーに係るサステナブル・ファイナンス促進のための開示・対話ガイダンス

【展示会出展のお知らせ】
2021年12月8日(水)~10日(金)に幕張メッセで開催される高機能プラスチック展(プラスチックジャパン)において、㈱NEQAS様のブース内に出展いたします。
https://www.plas.jp/
今回ご紹介した、卵殻を利活用した成形品やフィルムなどを展示しご紹介します。
皆さまのご来場をお待ちしております。

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これからも「つつむを知る」では、他のコンテンツでは発信できないパッケージの最新トレンドや、パッケージ製作をご検討中の皆さまの役に立つ情報を色々とお伝えしていきます!
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