【事例紹介〈神戸須磨シーワールド様〉:後編】デザインと使いやすさを両立!食品向けオリジナルパッケージ開発秘話

前編の記事では、神戸須磨シーワールド様とのパッケージ開発における営業担当・川北の奮闘ぶりをお届けしました。お客様から直接受け取った「想い」や「アイデア」。ここからは、それをオリジナルパッケージという具体的なかたちへと具現化する、ザ・パックのパッケージクリエイターたちにフォーカスします。
神戸須磨シーワールド様の数あるオリジナルパッケージのなかでも、特に高い評価をいただいているのが「食品テイクアウト用パッケージ(食品一次容器)」です。そこで今回は、その開発秘話に迫るべく、実際に設計を担当した2名のパッケージクリエイターにも加わってもらい、その詳細を深掘りしていきます。
前回の記事をまだご覧になっていない方は、こちらからご覧ください。
【事例紹介〈神戸須磨シーワールド様〉:前編】「まだない」を「かたち」に!ゼロから始めるオリジナルパッケージ製作
| <神戸須磨シーワールド様について> 2024年6月1日、神戸市立須磨海浜水族園の跡地に、新しく誕生した大型水族館「神戸須磨シーワールド」様。西日本で唯一シャチを飼育しているほか、イルカ、ペンギン、アザラシなど、多彩な海の生き物たちと出会える体験型施設です。「『つながる』エデュテインメント※水族館」をコンセプトに、生き生きとした生命の輝きや生態を、ありのままに心と体で感じられる空間を提供しています。 ※“エデュテインメント”とは、学び「Education(エデュケーション)」と 遊び「Entertainment(エンターテインメント)」を融合した、「楽しみながら学ぶこと」を表現した造語 参照:神戸須磨シーワールド 公式ホームページ |
対談者紹介


1987年に三井観光株式会社札幌グランドホテル(現 株式会社グランビスタホテル&リゾート)に入社。
勤務年数38年。
【主な経歴】
2014年:鴨川シーワールド 売店支配人
2019年:ハイウエイー事業 支配人
2023年:神戸須磨シーワールド開発プロジェクト室 担当部長
2024年:神戸須磨シーワールド 料飲売店支配人
2025年:神戸須磨シーワールド 売店支配人 
2022年入社。現在は関西地域のお客様を中心に営業を行う。
2023年より神戸須磨シーワールド様のパッケージ開発に携わる。 
2009年入社。3年半の営業アシスタント経験を経て、2013年より設計部門に異動。現在は西日本のお客様向けのアイテムを中心に、紙器などの設計業務に携わる。
2023年に神戸須磨シーワールド様の「ポップコーン容器」のパッケージ設計を担当。 
2019年入社。現在は主に西日本のお客様向けのアイテムを中心に、化粧品、食品、食器、軽量電子機器とさまざまな分野の化粧箱、配送箱、セット箱などの商品設計や緩衝設計に携わる。
2023年に神戸須磨シーワールド様の「ポテト容器」のパッケージ設計を担当。
設計のこだわりに迫る ~①フタができるポップコーン容器~
――ここからは、ザ・パックのパッケージクリエイターによるパッケージ開発、なかでも特に高い評価をいただいている「食品テイクアウト用パッケージ(食品一次容器)」の開発について、掘り下げていきたいと思います。
はじめに営業担当の川北さんに伺います。オリジナルパッケージ製作を進めるにあたり、社内のパッケージクリエイターとの連携はどのように行いましたか?特に印象に残っているエピソードがあれば教えてください。
ザ・パック 川北:
設計やデザイン部門の担当者とは、何度も打ち合わせを重ね、密に連携をとりました。
特に設計担当者には、お客様と私の「こんなかたちにしたい」というイメージを単に具現化してもらうだけでなく、そこにプロならではの工夫を加えてもらいました。結果として、それがお客様へのより良いご提案につながったと感じています。
――設計担当者が加えた工夫として、具体的にはどのようなものがありますか?
ザ・パック 川北:
ポップコーンの容器では、使用シーンにより適した、利便性の高い仕様を提案してもらいました。たとえば、購入者が持ちやすいサイズ感、フタをしやすい形状などです。お客様にも大変好評で、ご採用いただくことができました。
▲神戸須磨シーワールド様オリジナルのポップコーン容器
――ポップコーンの容器の設計を担当された大城さんにお伺いします。このポップコーン容器について、神戸須磨シーワールド様からどのようなご要望がありましたか?そのご要望を聞いて、大城さんはどのような点を課題だと感じましたか?
ザ・パック 大城:
最初のご依頼では、紙製の箱にプラスチック製のハンドルを取り付けた形状をご要望されていました。その形状はハンドルがないと箱として成り立たない構造だったので、短時間で商品を提供するアミューズメント施設での販売オペレーションには不向きだと感じました。また、ポップコーンの容量から考えると、食べ歩き時間はそこまで長くはないだろうと想定されたので、持ち歩き用のハンドルは本当に必要なのか、という疑問も正直ありました。
――販売時のオペレーションや使い勝手を考えると、当初のご要望通りの形状では難しい点もあると感じていたのですね。その課題やお客様のご要望に対して、大城さんはどのような視点で解決策や提案を考えましたか?
ザ・パック 大城:
販売オペレーションの改善のために、お客様のご要望の形状のまま、プラスチックハンドルが無くても箱として成り立つよう工夫した紙製パッケージをご提案しました。加えて、ハンドルを取り付ける手間や、分別廃棄の手間を省くために、ハンドル一体型の紙製パッケージもこちらからご提案しました。
▲初回提案時に提出した試作サンプル(画像左:紙製箱+プラスチック製ハンドルの仕様、画像右:ハンドル一体型の仕様)
ザ・パック 大城:
一方で、ハンドルがあるとどうしても食べにくさが出てしまうので、私自身が当初から抱いていた「そもそもハンドルは必要なのか?」という疑問に立ち返ることになりました。そこで、ハンドルを無くす代わりに、片手で持ちやすいサイズ感にすることをご提案しました。さらに、お客様からのアイデアもあり、食べかけでも持ち運びやすいように簡易なフタを付けるという方向へと形状を変更していきました。
――設計を進めるにあたっては、どのような点に苦労しましたか?
ザ・パック 大城:
1番苦労したのは、「フタを開けた状態で商品を提供し、食べかけのときにフタを閉める」という使用用途にマッチした設計にすることです。「フタを開けた状態でも違和感のない見た目であること」と「簡単にフタを閉められること」。この2つを両立させるために、フタの構造を試行錯誤しました。また、片手で持ちやすく、かつ、機械で安定して製造できるサイズに調整することにも苦労しました。
――困難な点に関して、社内での連携が役立ったエピソードなどがあれば教えてください。
ザ・パック 大城:
デザイン担当者が、フタを開けた状態でも閉めた状態でもパッケージ全体が違和感のないデザインになるように工夫してくれました。そのおかげで、使用用途によりマッチしたパッケージに仕上がったと思います。
また、営業の川北さんは、売り場でのパッケージの取り扱い方や販売オペレーションの流れ、在庫スペースなど、設計担当として疑問に思うことをしっかり確認して共有してくれたので、とても助かりました。
――デザイン担当者や営業担当の川北さんとの連携が、良い提案に繋がったのですね。川北さんとのやりとりで、特に印象に残っていることはありますか?
ザ・パック 大城:
当時の川北さんはまだ入社2年目で、とてもフレッシュでした。不慣れながらもお客様のご要望に応えるため一生懸命に取り組んでいる姿が印象的でしたね。その誠実な姿勢をお客様にも評価いただき、ポップコーン容器以外のアイテムもザ・パックに任せていただくことになったのだと思っています。
――川北さんの誠実な姿勢とお客様との信頼関係が、ポップコーン容器がより良くなるような一歩踏み込んだ提案を受け入れてもらう土壌にもなったのですね。まさに、お客様の期待を超える提案が成功に繋がった好例だと感じています。
大城さんが、今回のようなプラスαの提案をするうえで、普段から心がけていることはありますか?
ザ・パック 大城:
最も大切にしているのは、「パッケージが実際に使われるシーンを徹底的にイメージすること」です。販売される方や、それを購入される方の「使い勝手」を常に意識して設計しています。
また、お客様からいただいたご要望を、ただそのまま受け取るのではなく、そのご要望の奥で「本当に求めているものは何か」を考えるようにしています。そうすることで、お客様自身も気づいていないような、より良い解決策やご提案に繋がるのだと思っています。
――お客様の「本当に求めているもの」を深く探求し、使い勝手まで見据えたご提案が、「簡単にフタができるポップコーン容器」というかたちで結実したのですね。お客様の期待を超えるような価値を創造する、ザ・パックのパッケージクリエイターとしての姿勢が強く感じられます。
設計のこだわりに迫る ~②シャチ型ポテト容器~
――続いては、ザ・パックが製造したパッケージのなかでも特にインパクトがある、「シャチ型ポテト容器」の開発秘話に迫ります。このユニークなパッケージの設計を手がけた荻野さんに、そのこだわりを伺っていきましょう。
▲神戸須磨シーワールド様オリジナルのポテト容器
――ポテト容器について、神戸須磨シーワールド様からはどのようなご要望がありましたか?
ザ・パック 荻野:
大きくは「省スペース」と「使い勝手の良いパッケージ」、「面白い箱」というご要望がありました。
――どのようなイメージやコンセプトで設計を行ったのでしょうか?
ザ・パック 荻野:
お客様が「面白い箱」をご要望されていたことと、他社とのコンペ形式であるために「ザ・パックならではの箱」であることが求められたことから、「シャチのかたちの箱」をコンセプトに製作しました。
――設計を進めるにあたって、意識したことや心がけたことはありますか?
ザ・パック 荻野:
中に入るフライドポテトは、小さなお子様にも人気のあるメニューです。そのため、設計にあたっては、小さな手でも持ちやすく、かつ、ポテトがあふれ出るようなボリューム感を演出できるサイズ感にもこだわって設計しました。
――「シャチのかたちの箱」として具現化していく過程で、苦労したことはありますか?
ザ・パック 荻野:
苦労した点はいくつかありました。
まずひとつは、「機械で製造可能なサイズや形状に落とし込むこと」です。目指すイメージのパッケージを量産できるようにするため、製造現場と何度も調整を重ねながら設計していきました。
もうひとつは、「食品が直接触れるパッケージである」という点です。デザインの都合上、箱の内面にも印刷を入れる必要があったのですが、食品衛生の観点から表面加工が必須となります。その加工が可能かどうかの製造確認を営業担当の川北さんに取ってもらいました。
このように、サイズ感や形状、そして加工の選定についても、営業、製造、デザインの各部門で連携して試行錯誤しながら進めていきました。
――さまざまな苦労や工夫を経て、このポテト容器が誕生したのですね。荻野さんにとって「ここを見てほしい!」というこだわりポイントがあれば教えてください。
ザ・パック 荻野:
少し専門的な話になってしまいますが、このポテト容器は、四方を外に折り返したテーパー付きの底貼り箱です。ここまで凝った形状は、滅多にないと思います。
特にこだわったのは、シャチの「しっぽ」を模したフラップの部分です。当初は、製造上の都合でもっと小さく修正する必要があるかもしれない、と懸念しながら設計していました。最終的に「機械製造可能」だと聞いた時は、とてもうれしかったです。
▲シャチ型ポテト容器のフラップ部分
――営業担当の川北さんから、売り場での作業をシミュレーションしながらサイズなどの仕様を決めていったとのお話がありましたが、川北さんと連携してパッケージづくりを進めていくなかで、特にどのような情報が設計に役立ちましたか?
また、全体を通した川北さんとのやりとりで、特に印象に残っていることがあれば教えてください。
ザ・パック 荻野:
売り場での使用方法やサイズ感といった基本的なことはもちろん、お客様がどんなパッケージを求めているのかというご要望や、商品を売り場でどう見せたいのか、さらには他社の提案品の傾向まで、必要な情報はすべて共有してくれました。おかげで非常に仕事がしやすかったですし、商品の魅力を私たちに余すことなく伝えてくれたからこそ、最終的にお客様に採用していただくことができたと思っています。
個人的には、納品後にプライベートで家族と神戸須磨シーワールドに遊びに行って、子どもがポテト箱を持っている写真を川北さんに見せながら、一緒に受注の喜びを分かち合えたことが、印象に残っています。
――設計のこだわりと、それをかたちにするための製造現場との粘り強い調整、そして営業担当との密な連携によって、この“映える”シャチ型ポテト容器が生まれたのですね。お客様のご要望をただ聞くだけでなく、その先の使用シーンまでを深く理解し、より付加価値の高いパッケージを生み出そうとする姿勢が伝わってきました。
「最高の付加価値」を生むパッケージ開発

――ここまで、神戸須磨シーワールド様とのオリジナルパッケージ開発について伺ってきました。
営業担当として、神戸須磨シーワールド様とのオリジナルパッケージ製作を通して、学んだことや、今後の仕事への影響はありますか?その経験を今後どのように活かしていきたいですか?
ザ・パック 川北:
今回のプロジェクトでつくり上げたオリジナルパッケージはすべて、神戸須磨シーワールド様と何度も打ち合わせを重ねながら、一緒にかたちにしていったものです。私にとって、その打ち合わせの時間は、パッケージが完成した今でも本当に大切な時間だと感じています。 ザ・パックの一番の強みといえば「提案力」だと思いますが、お客様と“一緒に”ものづくりをしていくという点も、改めて私たちの大きな強みだと確信しました。この経験で再認識したザ・パックの強みを、今後の営業活動でもっと活かしていきたいです。
また、持ち帰り用の袋から食品一次容器、そして什器やテープなどの備品まで、パッケージ全体をトータルでお任せいただけたことも、私にとって大きな学びとなりました。この経験を今後の糧にしていきたいと思っています。
――今後、神戸須磨シーワールド様とのお付き合いでどのような展望を持っていますか?
ザ・パック 川北:
神戸須磨シーワールド様は2025年6月で1周年を迎えられました。メニューのリニューアルや新しいイベントなど、新たな取り組みを数多く検討されていると伺っています。ザ・パックとしても、オープン当初から携わらせていただいた経験を活かし、これからも使い勝手の良い仕様や、神戸須磨シーワールド様らしさのあるデザインのオリジナルパッケージをご提案していきたいと考えています。来館者の方々に愛されるパッケージを、これからも神戸須磨シーワールド様一緒に開発していきたいです。
――最後にお伺いします。川北さんにとって、「パッケージ」とは何ですか?
ザ・パック 川北:
私にとってパッケージとは、「最高の付加価値」です。
パッケージには「手に取りたくなる」「SNSに載せたくなる」「簡単に開封できる」など、さまざまな役割が求められます。これらの役割を持つパッケージには、「消費者の方により良い商品をお届けしたい」という企業やブランドの想いが詰まっています。この想いの詰まったパッケージだからこそ、手に取った消費者の感情を動かすことができるのだと思います。 パッケージはメインの商品があってこそのものです。しかし、そのメインの商品をさらに輝かせ、ときには一緒になって輝くことができる大きな力を持っています。これからも、「お客様と一緒につくり上げていく」という気持ちを大切にしながら、常に「最高の付加価値」をご提案できるよう、精一杯取り組んでいきたいと思っています。

神戸須磨シーワールド様のリニューアルオープンを支えたオリジナルパッケージ開発は、ザ・パックの提案力とお客様との密な連携によって実現されました。
まだ具体的なかたちが見えないお客様の「こんなものが欲しい」という漠然としたイメージを具現化し、予期せぬ変更にも柔軟に対応しながら、営業・デザイン・設計・製造が一体となって「最高の付加価値」を持つパッケージを生み出したのです。
この事例を通じて、ザ・パックが単なるパッケージ製造にとどまらず、お客様の事業を深く理解し、共に課題を解決していく総合力を持つ、ソリューション型のパッケージメーカーであることをご理解いただけたのではないでしょうか。
ザ・パックはこれからも、お客様の想いをかたちにし、ビジネスの成功に貢献するパートナーとして、新たな価値を創造し続けていきます。
総合パッケージメーカーであるザ・パックは、お客様が考える課題に向き合い、パッケージを通して解決するアイデアをご提供します。
具体的な課題、ご相談やご要望をお持ちの方は、お手数ですが商品お問い合わせまで一度ご連絡ください。 
これからも「つつむを知る」では、他のコンテンツでは発信できないパッケージの最新トレンドや、パッケージ製作をご検討中の皆さまの役に立つ情報を色々とお伝えしていきます!
ザ・パックへのお問い合わせやご依頼は、お問い合わせフォームよりお寄せください。
※本事例は2026年2月時点の情報です
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