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【バイオマスプラ・生分解性プラ】環境負荷の少ないプラスチック素材について

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【バイオマスプラ・生分解性プラ】環境負荷の少ないプラスチック素材について

2020年7月のプラスチック製レジ袋有料化施行を経て、プラスチック素材が環境に与える負荷について多くの方が関心を寄せるようになりました。
世界的な課題となっている海洋プラスチックごみ問題だけでなく、地球温暖化、アジア各国との廃プラスチック輸入規制により迫る国内処理方法等の様々な課題に対応するため、環境省でも2030年までに達成すべきマイルストーンを定めて重点的に取り組んでいます。
参考:プラスチック資源循環戦略(概要) 令和元年5月 環境省

これまで「利便性」「コスト」などの優位性を求めて活用してきたプラスチック製品を、なぜ今削減していく必要があるのか。そしてどんな素材に代替していくべきなのか。
ザ・パックでは紙素材への代替“紙化”と並行して、環境負荷の少ないプラスチック素材についても調査研究を続けています。

環境負荷の少ない「バイオプラスチック」とは

バイオプラスチックとは
バイオプラスチックという言葉を聞いたことはありますか?
レジ袋有料化の除外素材として、または環境負荷の少ないプラスチック素材として、近年多くの方が耳にするようになったのではないでしょうか。
バイオプラスチックはバイオマスを原料に製造される「バイオマスプラスチック」と微生物によって生分解される「生分解性プラスチック」の両方を指す総称です。なお、この二つはそれぞれ異なる特徴をもった素材で、以下のような違いがあります。

「バイオマスプラスチック」はその“原料”に特徴があり、トウモロコシ、サトウキビなどの植物資源から製造されます。植物は成長する際に二酸化炭素を吸収すること、また何度でも再生可能であることから持続可能な素材ともいえます。
「生分解性プラスチック」はその“性質”に特徴があり、自然界に存在する微生物の働きで、ゆくゆくは水と二酸化炭素に分解されます。この特性から長期間の保管には適していません。

二つの特徴を両方併せ持った素材もあれば、どちらか片方の特徴しか持たない素材もあるため、代替素材の検討の際はそのプラスチックが使用される場面に合わせて素材を選択する必要があります。
バイオプラスチックの特徴

バイオマスプラスチックについて

バイオマスプラスチックの原料とは
上でもご紹介したとおり、バイオマスプラスチックは“生物由来の再生可能な有機資源=バイオマスから作られる持続可能なプラスチック”であり、紙素材では代替できない耐水性や強度を求められる場合に有効な素材です。
トウモロコシやサトウキビなど廃棄される副生素材や非可食の植物原料を使っているため食糧供給にも影響はありません。
一般的には100%バイオマス素材、ということはほとんどなく、数十パーセントのバイオマス素材を従来の石油由来原料に混入させて使用しています。
配合率の目安として、バイオマス原材料の割合を数字とともに表したバイオマスマークという表示もあります。バイオマスマークは一般社団法人日本有機資源協会によって認定された商品に表示されています。

バイオマスマーク
バイオマスプラスチックが環境にやさしい理由として、「脱炭素社会」への貢献があります。植物は成長する際に二酸化炭素を吸収して育つため、“カーボンニュートラル”の考え方から、焼却処分などで発生する二酸化炭素を相殺し、実質ゼロにすることができるのです。

混同してはいけないのは、必ずしも生分解性を持っていない点です。
パッケージとして使われた後は石油由来のプラスチック製品と同様に適切に廃棄する必要があります。万が一自然界に流出した場合には分解されず海や土壌に留まり悪影響を及ぼす可能性があるため、正しい廃棄方法を理解することが必要です。

参考:バイオマスプラスチック入門:日本バイオプラスチック協会

生分解性プラスチックの種類と仕組み

生分解プラスチック
生分解プラスチックは、自然界に存在する微生物の働きで、水と二酸化炭素に分解されるプラスチック素材の総称です。プラスチック素材に対し特殊な素材を混ぜ込むことで、パッケージ全体に生分解性を付与します。
一言に生分解と言っても、堆肥環境で生分解するもの、土壌環境で生分解するもの、海洋環境でも生分解するものなど、その分解条件にも様々な種類があります。
また、ベースが植物由来のバイオマスプラスチックもあれば、石油由来のプラスチックもあり、そのパッケージが使用されるシーンや内容物等によって最適な素材をご提案いたしますのでご安心ください。
参考:生分解プラスチック入門:日本バイオプラスチック協会

「微生物の働きで分解」といってもピンとこない方も多いと思います。
例えば土壌生分解の場合、土の中に存在する微生物が分子レベルでの分解を行い、水(H2O)と二酸化炭素(CO2)に変化させていきます。
なお、保管時や使用中も条件によっては分解が促進される可能性があり、長期間の保存や使用が想定されるパッケージには不向きです。

生分解性プラスチックの分解試験結果
なお、リサイクルやアップサイクルが可能な植物由来生分解性素材の開発も徐々に進んでいます。
使用後回収し再資源化することを目指しつつ、もし回収から漏れて廃棄されてしまった時も生分解するため環境に負荷が少ない素材は、より現在のニーズにあった素材と言えるのではないでしょうか。
最新情報はまたこちらのブログやザ・パックメールマガジン(登録ページはこちら)にて随時ご紹介していきます。

バイオプラスチック製レジ袋開発商品紹介

バイオプラスチックで、これまでにザ・パックがサンプル作成をした開発商品をご紹介します。
・土壌生分解性樹脂
小売店での持ち帰り用袋として使用できる強度を担保した袋で、58%のコンポスト環境で半年で90%以上の分解が確認できました。

土壌生分解性樹脂を使用したレジ袋

・海洋生分解性樹脂
海洋環境において、約1年前後をかけて二酸化炭素に分解されることが確認できました。 シール圧着の強度が弱いため、軽量物に適しています。
また、レジ袋有料化規定において海洋生分解性についての基準が未確定の為、現時点では無償提供できる素材ではありません。

海洋生分解性樹脂を使用したレジ袋

サンプルをご覧になりたい方、また素材に関するお問い合わせなど、下記お問い合わせフォームまでご相談下さい。
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