【PFASフリー】エコフレンドリーな耐油コーティング「カイソナル®加工」とは

環境問題がますます注目を集めるなか、パッケージ業界でも「エコフレンドリー」というキーワードが欠かせないものとなっています。
パッケージのエコフレンドリー化というと「脱プラスチック」や「紙化」があります。これらの「プラスチックの使用量削減」に加えて、近年、注目を集めているのが、「PFAS※フリー化(脱PFAS)」です。
※PFAS(ピーファス):有機フッ素化合物のうち、ペルフルオロアルキル化合物及びポリフルオロアルキル化合物の総称。1万種類以上の物質があるとされている。
PFASは、耐油性や撥水性といった優れた特性を持つ一方で、「永久化学物質」とも呼ばれるほど分解されにくい性質があり、環境や人体への影響が懸念されています。このため、欧米を中心に規制が強化され、日本でも今後に向けた対応が求められている状況です。
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こうした背景からパッケージ業界においては、PFASをはじめとした「環境や人体への影響が懸念される化学物質」を使用しない機能性耐油紙や耐油加工の需要が急速に高まっています。
そこで本記事では、ザ・パックが開発したエコフレンドリーな耐油コーティング技術「カイソナル®加工」についてご紹介します。
開発背景と耐油機能付きパッケージの素材バリエーション
共働き世帯の増加や「タイパ(タイムパフォーマンス)」を重視する消費傾向の拡大などを背景に、コンビニ弁当や惣菜、テイクアウト食品といった中食市場が成長を続けています。
この市場の拡大に伴い、食品を安全かつ衛生的に包む耐油機能付きパッケージの需要が増加しています。特に、から揚げなどの油分を多く含む食品では、油が染み出ないパッケージにすることが不可欠です。
現在、紙製の耐油機能付きパッケージに一般的に用いられる素材のバリエーションは以下の通りです。
耐油機能を最優先に考える場合、「ラミネート加工」を用いることで、油が染み出るのを防ぐことができます。一方で、環境負荷低減の観点からプラスチックの使用量を削減したい場合には、プラスチックフィルムを使用しない「石油系耐油加工」や「機能性耐油紙」を使用します。
世界的に環境意識が高まっている昨今においては、必要最低限の耐油性能を確保しつつ、プラスチック使用量削減にも配慮したパッケージが好まれる傾向にあります。
「石油系耐油加工」や「機能性耐油紙」はプラスチックフィルムを使用していないため、環境負荷が低いとされています。一方で、環境や人体への影響が懸念されるPFASやアクリル系化学物質を使用している場合があり、「完全に環境や人体にやさしい」とは言い切れないのが現状です。
ザ・パックではこうした市場変化や環境意識の高まりに対応するため、PFASやアクリル系化学物質を一切使用しない、環境にやさしい耐油加工技術の開発に取り組んできました。こうして誕生したのが、次世代型の耐油コーティング「カイソナル®加工」です。この技術は、石油系耐油加工や機能性耐油紙に匹敵する耐油性能を維持しながら、環境負荷を大幅に低減することを実現しています。
次世代型の耐油コーティング「カイソナル®加工」
ザ・パックが開発した「カイソナル®加工」は、環境に配慮した次世代型の耐油コーティングです。環境負荷を大幅に低減しながら、従来の耐油性能を維持するこの技術は、持続可能な社会の実現に貢献します。
以下に、「カイソナル®加工」の5つの特長をご紹介します。
「カイソナル®加工」の特長
環境負荷を軽減する海藻由来の「耐油加工」
海藻由来の原料の性質をうまく活用することで、環境負荷を軽減しながら、食品パッケージに求められる高い耐油性能を実現しています。
プラスチックフリー&生分解性
「カイソナル®加工」は、完全なプラスチックフリーを実現しています。自然界での分解が可能なため、万が一自然の中に廃棄された場合でも、土壌や水質、生態系への影響を最小限に抑えることができます。
PFAS・スチレン・アクリルフリー
耐油性能を確保しながらも、PFASやスチレン系・アクリル系化学物質を一切使用していません。これにより、環境負荷をさらに軽減するとともに、人体への影響を懸念するリスクも排除しています。
食品添加物としても使われる原料で高い安全性を実現
「カイソナル®加工」は、食品添加物として認可された原料のみを使用しています。このため、食品に直接触れる用途でも安心して使用できる、高い安全性を実現しています。
以下は、紙製の耐油機能付きパッケージに使用される主な素材と、一般原紙、カイソナル®加工の耐油性能と環境負荷を比較したマトリクス図です。
食品業界のパッケージにおいて、耐油性能と環境負荷低減の両立はますます重要な課題となっています。ザ・パックが開発した「カイソナル®加工」は、これらの課題に応える次世代型の耐油コーティング技術です。
<主な用途例>
コロッケ、から揚げ、ドーナツなどのテイクアウトパッケージの加工として
環境対応型パッケージへのニーズが高まるなか、食品パッケージに「カイソナル®加工」を採用することは、環境負荷の軽減はもちろん、消費者からの信頼を高め、ブランド価値を向上させることにもつながります。
ザ・パックはこれからも、「カイソナル®加工」をはじめとする新技術の開発を通じてパッケージの新しい可能性を追求し、社会と環境に貢献する活動を続けていきます。
より安全で環境にやさしいパッケージに興味のある方は、ぜひザ・パックにご相談ください。
総合パッケージメーカーであるザ・パックは、お客様が考える課題に向き合い、パッケージを通して解決するアイディアをご提供します。
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