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【ザ・パックの挑戦】未来を包む、PFASフリーパッケージ~PFASをめぐる市場状況~

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【ザ・パックの挑戦】未来を包む、PFASフリーパッケージ~PFASをめぐる市場状況~

「PFAS(ピーファス)」という言葉を耳にしたことはありますか?
PFASは有機フッ素化合物の一種で、耐熱性や撥水性などの特性から、フライパンのコーティングや衣類の撥水加工、化粧品、食品包装などで幅広く利用されてきました。
しかし、近年では一部のPFASが環境や人体に悪影響を及ぼす可能性が指摘され、世界的に規制が進んでいます。特に欧米では「予防原則」の考え方に基づき、リスクが完全に解明されていない物質についても慎重に対応する姿勢が強まっています。
消費者の間でもPFASに対する注目が集まり、環境や健康への配慮を求める声が高まりつつあります。

ザ・パックは、PFASの代替技術の開発により、将来的に完全なPFASフリー製品を提供することを目指し、革新的な素材や技術の研究を進めています。
本記事では、PFASフリー化が求められる背景、市場動向、当社の取り組みについて詳しく解説します。

PFAS(ピーファス)とは

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PFASの定義

PFAS(ピーファス)とは、有機フッ素化合物のうち、ペルフルオロアルキル化合物及びポリフルオロアルキル化合物の総称で、1万種類以上の物質があるとされています。
PFASの特徴は、炭素とフッ素の結合が非常に強く、安定している点にあります。この性質により、水や油をはじき、熱や汚れに対しても優れた耐性を持っています。
参照:環境省「有機フッ素化合物(PFAS)について」(参照日2025月3月21日)


パッケージにおける用途の具体例

その優れた特性を活かし、PFASはさまざまな製品にひろく使用されてきました。パッケージ分野においては主に、油分の多い食品を直接包む「食品一次容器」に使用される耐油紙や耐油コーティング剤として活用されています。
従来、紙に耐油性を付与する方法としては、紙の片面または両面にプラスチックフィルムをラミネート(貼り合わせ)する手法が一般的でした。しかし、近年の「脱プラスチック」の潮流を受け、プラスチックを使わない耐油紙や耐油コーティング剤の需要が高まっています。

PFASをめぐる世界の動き

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PFASの環境・健康への影響

優れた特性を有するPFASですが、その代表的な物質であるPFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)やPFOA(ペルフルオロオクタン酸)は、「難分解性」「高蓄積性」「長距離移動性」といった性質を持つため、環境中で分解されにくく、人体や生態系への影響が懸念されています。このため、国内外で規制やリスク管理の取り組みが進められています。
参照:環境省「PFASの分類について」(参照日2025月3月21日)


欧米と日本の規制動向

規制強化が進むヨーロッパとアメリカ

PFASの規制において、最も積極的な動きを見せているのが欧州連合(EU)です。EUでは、2023年に、POPs条約※で廃絶等の対象となっているPFAS物質(PFOS、PFOA、PFHxS[ペルフルオロヘキサンスルホン酸])に加え、PFAS全体を対象にした包括的な規制案が提案されました。この提案が実現すれば、PFASの製造や使用が大幅に制限され、世界的な規制のモデルケースとなる可能性があります。
※POPsとは、難分解性、高蓄積性、長距離移動性、有害性(人の健康・生態系)を持つ物質のことを指します。POPsによる地球規模の汚染が懸念されることから、「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約」(POPs条約)が採択され、2004年5月に発効しています。
参照:
環境省「POPs(Persistent Organic Pollutants:残留性有機汚染物質)」(参照日2025年3月21日)
一般社団法人東京環境経営研究所「EUのユニバーサルPFAS制限提案の検討状況について」(2025年3月5日)

一方、アメリカでは、カリフォルニア州やニューヨーク州などで食品包装へのPFAS使用が禁止されています。このような規制を受けて、企業が製品やパッケージをPFASフリー化する動きが加速しています。
参照:
独立行政法人日本貿易振興機構「【ウェビナー】カリフォルニアPFAS関連規制解説セミナー」(収録日2023年4月27日)
Sustainable Japan(株式会社ニューラル)「【アメリカ】全米各州、PFAS禁止州法が続々施行。食品容器・包装からアパレル製品へと拡大」(2023年1月29日)


日本における規制の動き

日本では、PFASのうちPFOSとPFOAについては、法律によって輸入・製造等が規制されています。しかし、その他のPFASについては、有害性や環境中での存在状況に関する科学的知見が十分に得られていないことを理由に、規制には至っていません。
日本国内のみを販路とする場合は、PFOSやPFOA、POPs条約で規制されているPFHxSを使用しないことで規制面の問題はクリアできます(2025年4月時点)。しかしながら、海外規制の影響や国内規制強化の可能性を見据えると、各企業には「PFASフリー」を意識した取り組みが求められます。

需要が高まるPFASフリーパッケージ

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消費者意識の変化と企業の対応

世界的に環境や健康への意識が高まるなか、PFASへの消費者の注目も急速に広がり、企業は対応を迫られています。特に、食品包装など私たちの生活に密接に関わる分野でのPFASフリー化が進んでおり、欧米の大手食品チェーンを中心にPFASを含まない製品やパッケージの採用が加速。その影響は日本企業にも波及しています。
参照:日本放送協会(NHK)PFASとは?企業はどう対策しているのか?」(2024年11月29日)
これらの取り組みは規制対応だけでなく、企業の社会的責任やSDGsへの貢献を示す手段としても重要視されています。


ザ・パックのPFASフリー化への取り組み

ザ・パックは環境や健康への影響を真摯に受け止め、「脱PFAS」に向けた技術開発を積極的に進めています。そのなかで最も期待されている技術のひとつが、革新的な自然由来コーティング剤「カイソナル®加工」です。
カイソナル®加工は、食品添加物にも使われる素材だけでつくられた安全性の高い原料を使用した、「プラスチックフリー耐油コーティング」です。そのため、環境負荷が低く、人体にも安全で、安心してご使用いただけます。

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<カイソナル®加工の特長>
  • 従来の耐油パッケージと同等レベルの高性能な耐油性を付与可能
  • 高い安全性(PFASフリー)
  • 環境に優しい自然由来の素材を使用

カイソナル®加工は、外食や中食市場を中心に、コロッケ、唐揚げ、ドーナツのテイクアウトパッケージなどのさまざまな用途で活用できる可能性を秘めています。みなさまにいち早くこの技術をお届けすべく、発売に向けた製品テストを進めています。ぜひご期待ください。

カイソナル®加工の他にも、PFASフリー化を実現するための製品テストや実証実験を着実に進めており、将来的には完全なPFASフリー製品の提供を目指しています。


パッケージのPFASフリー化は、環境や健康を守るだけでなく、企業の持続可能性やブランド価値を高めるうえで欠かせない重要な取り組みです。多くの消費者が環境に配慮した製品を求めるようになっている昨今において、PFASフリーパッケージは企業の競争力を向上させる鍵とも言えるのではないでしょうか。
一方で、PFASに代わる技術や素材の開発には、コストや性能面での課題が残されており、解決にはさらなる努力が求められます。ザ・パックは、よりサステイナブルな未来の実現に向けて、パッケージのPFASフリー化に向けた挑戦を続けていきます。

パッケージのPFASフリー化に課題をお持ちの企業様は、ぜひザ・パックにご相談ください。各企業様のニーズに合わせた環境配慮型のパッケージソリューションをご提案し、持続可能な未来を共に創造するお手伝いをいたします。


総合パッケージメーカーであるザ・パックは、お客様が考える課題に向き合い、パッケージを通して解決するアイデアをご提供します。
具体的な課題、ご相談やご要望をお持ちの方は、お手数ですが商品お問い合わせまで一度ご連絡ください。

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これからも「つつむを知る」では、他のコンテンツでは発信できないパッケージの最新トレンドや、パッケージ製作をご検討中の皆さまの役に立つ情報を色々とお伝えしていきます!
ザ・パックへのお問い合わせやご依頼は、お問い合わせフォームよりお寄せください。

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