【資材集約】さまざまな内容物に対応する通販用パッケージ

EC(通販)市場の拡大に伴い、企業が通販で扱う商品の多様化が進んでいます。自社型ECサイトで他社ブランドの商品を取り扱う事例も増えてきました。これにより、各企業は通販を通じて、今後ますます多種多様な商品を提供するようになることが予想されます。
商品を適切に配送するためには、それぞれの商品の特性に合った通販パッケージ(配送用資材)が必要です。しかし、取り扱う商品ごとに専用の通販パッケージを用意すると、資材の種類が膨大になり、結果的に在庫管理の手間や資材コストの増加、さらには保管スペースの不足といった問題が発生します。
これらの課題を解決するためには、できるだけ多様な内容物に対応できる通販パッケージを採用することで、資材の種類を適切に集約することが効果的です。
そこで今回は、「資材の集約化」に焦点を当て、さまざまな内容物に対応するパッケージアイデアをご紹介します。
資材集約のメリットとは
EC(通販)で使用する資材の集約化(=使用する資材の種類を少なくすること)は、企業にとって数多くのメリットがあります。ここでは、その代表的なメリットをいくつかご紹介します。
・コスト削減
資材の種類を減らすことで、大ロットでの製造によるスケールメリットを享受できます。これにより、資材コストが削減され、全体の物流コストを低減可能です。また、在庫管理が簡素化されることで、在庫過剰や不足のリスクも減少します。
・保管スペースの効率化
資材の種類が減ることで、保管スペースの効率化を図ることができます。限られた倉庫スペースを有効に活用でき、商品や他の資材の保管スペースを確保することが可能です。
・作業効率の向上
資材の種類が集約されることで、梱包作業者の作業効率向上が期待できます。商品ごとに多くの資材を使い分ける場合、梱包作業者は使用する資材を判断し、それぞれの資材での最適な梱包方法を考える必要があります。資材の種類を減らすことで、そこに割かれる時間が削減され、効率的な梱包作業が可能になります。
さらに、覚えるべき梱包作業のバリエーションが減ることで、教育や訓練の時間も短縮されるかもしれません。
これらのメリットを考慮すると、「資材の集約化」は円滑なEC(通販)運用のために有効な手段であることがわかります。
それでは、「資材の集約化」に貢献する通販パッケージとは具体的にどのようなものでしょうか?
ここからは、「資材の集約化」に寄与する通販パッケージのアイデアを、通販パッケージ「本体」と中に使用する「パッド」の2つのジャンルに分けてご紹介します。
容量が変化する“可変”通販パッケージ
多様な商品に対応するためには、商品に合わせて柔軟に変化できるパッケージが必要です。ここでは、容量を変えることができる通販パッケージのアイデアをご紹介します。
①内容量によって高さを変えられる「高さ可変箱」
フタの折る位置を変えることで、箱の高さを2段階で調節できるパッケージです。
内容量が少ないときは低い位置にある罫線に沿ってフタを折り、内容量が多いときは高い位置にある罫線に沿って折ることで、サイズを変化させることができます。
設計次第で、3段階以上の可変にすることもできます。
②内容物にあわせてかたちを変える「CC-PACK®」
内容量にあわせたフレキシブルさ(調節のしやすさ)という面では、一般的に箱より袋の方が優れています。たとえば、宅配袋で物を梱包する際には、折り曲げる位置によって容量を調節できます。
しかし、一般的な宅配袋は段ボール箱のような緩衝機能を持たないため、「内容物の保護」という観点からは懸念があります。そこで、宅配袋の「フレキシブル性」と段ボール箱の「緩衝性」を兼ね備えたパッケージとして開発されたのがザ・パックオリジナルの「CC-PACK®」です。
CC-PACK®は、さまざまな内容物にフレキシブルに対応し、厚みのあるものでも包むことができます。素材自体に緩衝性があるため、気泡緩衝材などを使用することなく梱包可能です。
すべて紙素材なので、プラスチックの気泡緩衝材などを使用した宅配袋と比較して環境負荷が低く、段ボールと同じようにそのままリサイクルできる点もメリットです。
③内容量を検知して最適なサイズで包装する「紙製宅配袋 自動包装システム」
緩衝性が不要で、商品がより多岐にわたる場合(衣類など)は、「紙製宅配袋 自動包装システム」の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
このシステムは、商品をコンベアに載せるだけで自動梱包が可能です。商品の長さを自動で検知し、最適なサイズで包装することができます。また、紙素材を使用しているため、自動包装で用いられることの多いプラスチック製の宅配袋と比較して環境負荷が低い点もメリットです。
参考記事:持続可能な物流の実現に貢献する「紙製宅配袋 自動包装システム」~TOKYO PACK 2024出展のご報告~
これらの“可変”通販パッケージは、商品や内容量にあわせたサイズでの梱包が可能なので、梱包サイズの適正化にもつながります。パッケージ内の空きスペースが少なくなるため、緩衝材の使用量削減につながるほか、輸送時の積載効率が向上し、運賃の削減にも貢献します。
さまざまな内容物に対応するフレキシブルパッド
一般的な形式の配送箱を使用する場合でも、内容物に合わせて柔軟に対応できるパッドを組み合わせることで、多様な商品を梱包することが可能になります。ここからは、さまざまな内容物に対応するフレキシブルパッドの例をご紹介します。
①ストレッチフィルムで商品を固定する「フィルム付きパッド」
段ボール製のパッドに貼られたストレッチフィルムで商品を固定することができるパッドです。 箱を開けた際に、商品がきれいに固定された状態で目に入るため、“きちんと感”や”高級感”などのプラスイメージを消費者に感じてもらいやすい形式です。
▼使い方の動画はこちら
プラスチック部分にはバイオマス素材のフィルムを使用することもできます。
②ネット状の切れ込みで商品を包む「ネット状パッド」
ネット状の切れ込みの入った片面段ボールでできたパッドです。商品を包むとネット状の切れ込み部分が商品にフィットし、固定できます。
▼使い方の動画はこちら
すべて紙素材なので、本体の段ボールと一緒にリサイクル可能である点もメリットです。
③箱内の空間を仕切る「可変仕切り」
商品の大きさによって仕切りの幅を調節(起こす位置を変更)できる段ボール製の仕切りです。
▼使い方の動画はこちら
先にご紹介した2つのフレキシブルパッドは、商品の形状やサイズの幅がある程度限られている場合に適していますが、「可変仕切り」はより幅広い形状やサイズに対応できるパッドです。
たとえば、小さいサイズの商品を梱包する際は仕切りをすべて起こし、中程度のサイズの商品を梱包する際は中央の仕切りのみを起こすなど、商品にあわせてスペースを区切ることができます。
小さい商品が箱の中で動くことを防ぐためのスペーサーとしても機能するため、使い方次第では緩衝材の使用量削減にも貢献します。
これらのフレキシブルパッドを用いることで、さまざまなサイズの商品を安全に消費者の元へ届けることが可能になります。また、緩衝材を大量に使用する必要がないため、消費者が商品を受け取ったあとに緩衝材を廃棄する手間も削減可能です。
今回は、 「資材の集約化」に貢献する通販パッケージアイデアをご紹介しました。
資材を集約化することは、物流コストの削減だけでなく、消費者満足度の向上や環境への配慮にもつながります。
また、今回ご紹介したアイデアはあくまで例であり、最適な通販パッケージの形式や組み合わせは企業様ごとに異なります。「省人化したい」「コストを削減したい」など、通販パッケージに関して課題をお持ちの方はぜひザ・パックにご相談ください。 内容物(商品)や現行の資材、梱包作業現場の状況など、さまざまな要素を考慮して最適なソリューションをご提案します。
総合パッケージメーカーであるザ・パックは、お客様が考える課題に向き合い、パッケージを通して解決するアイディアをご提供します。
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