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紙器への印刷にも!環境にやさしい印刷方式「水性フレキソ印刷」のご紹介

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紙器への印刷にも!環境にやさしい印刷方式「水性フレキソ印刷」のご紹介

パッケージは、中身を保護する役割はもちろんのこと、そのデザインによってブランドや商品の情報を訴求し、消費者の購買意欲を高める役割を担っています。

パッケージデザインにおいては、グラフィックやかたち、素材、加工などの組み合わせにより、さまざまな表現が可能ですが、なかでも「グラフィックデザイン」が与える印象は大きいと言えるでしょう。
グラフィックデザインが入っていない無地のパッケージばかりでは、なんだか寂しい世界になってしまいますよね。
このグラフィックデザインをパッケージにのせる「印刷」の工程。少しでも環境負荷の低い方法でできたら良いと思いませんか。

今回紹介する「水性フレキソ印刷」は、数ある印刷方式のなかでも環境負荷が低い印刷方式のひとつです。
環境問題をはじめとするさまざまな社会課題への対策が企業に求められている昨今、水性フレキソ印刷の注目度は高まり、普及への期待が寄せられています。

日本における印刷方式別シェア

日本国内における印刷方式別生産金額の構成比(2024年)を見てみると、オフセット印刷が6割以上を占め、次いでグラビア印刷が続きます。

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出典:経済産業省「2024年 経済産業省生産動態統計年報」(2025年6月30日)※グラフは資料内のデータをもとに作成

そんな日本とは異なり、近年、欧米では「フレキソ印刷」が主流となっています。特にヨーロッパ市場においてはその傾向が顕著で、使用されているパッケージのほとんどにフレキソ印刷が採用されています。

「フレキソ印刷」とは、凸版印刷の一種で、柔軟なゴムや樹脂でつくられた版にインキを付着させて転写させる印刷方式です。日本では、主に段ボールや紙袋で用いられる印刷方式ですが、欧米ではフィルムや紙器にもフレキソ印刷が多く用いられています。

「油性グラビア印刷」「UVオフセット印刷」における課題

先に述べたように、現在日本で主流の印刷方式は、グラビア印刷とオフセット印刷です。
ここでは、それぞれの代表的な技術である「油性グラビア印刷」と「UVオフセット印刷」について、それらが抱える課題点を見ていきましょう。


「油性グラビア印刷」における課題

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日本において、フィルムパッケージの多くや、一部の紙器、紙袋の印刷には「油性グラビア印刷」が用いられています。「グラビア印刷」とは、凹版印刷の一種で、あらかじめ印刷したい絵柄が彫り込まれた版の凹みにインキを転移させ、さらに版のインキを、フィルムや紙などの印刷したい対象に転写させる印刷方式です。

油性グラビア印刷に用いられるインキには「有機溶剤」が含まれているため、印刷時に発生する「揮発性有機化合物(VOC)」による大気汚染や人体への影響が懸念されています。 また、印刷の際に使用するインキ量が多いことから、インキを乾燥させる工程で使用するエネルギー量も多く、多量の二酸化炭素が発生する点についても課題となっています。


「UVオフセット印刷」における課題

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日本でもっとも多く用いられている「オフセット印刷」は、平版印刷の一種です。版に凹凸がない点が特徴で、親油性のインキと水の反発を利用し、ブランケットとよばれる転写ローラーにインキを移したうえで、印刷面に転写します。
写真や細かいデザインを忠実に再現することが可能で、パッケージにおいては、紙袋や紙器に用いられている印刷方式です。

オフセット印刷で用いられることの多い「UVインキ」には、揮発性有機化合物(VOC)が含まれず、熱乾燥させる必要もないため、油性グラビア印刷と比較した場合においては、環境負荷が低いと言えます。

しかしながら、このUVインキを用いた印刷には課題もあります。
UVインキを硬化するためには「光重合開始剤」という化合物が必要です。しかし、一部の光重合開始剤は、人体や環境への悪影響が懸念されることからヨーロッパで規制が強化され、この材料が含まれないインキを要望する企業も出てきています。

環境にも人にも優しい「水性フレキソ印刷」のすすめ

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「油性グラビア印刷」や「UVオフセット印刷」で課題となっている点をクリアできるのが「水性フレキソ印刷」です。

油性グラビア印刷と比べてインキの使用量を大幅に削減できるため、インキを乾燥させる工程で使用するエネルギーも減り、二酸化炭素の排出量も大きく低減できます。
また、水性フレキソ印刷で用いられる「水性インキ」は、有機溶剤の含有率が限りなくゼロに近いインキです。そのため、揮発性有機化合物(VOC)がほとんど発生しないうえ、光重合開始剤も含まれません。
インキの嫌な臭いも少なく安全性の高い印刷方式であることから、欧米では、ベビー用品や医薬品のパッケージ分野において特に高いシェアを占めています。

このようなことから、水性フレキソ印刷は、「人と環境に優しく、今世界から最も需要が高まっている印刷方法」といえます。

また、人と環境に優しいことに加えて、フィルムパッケージにおいては、「凹凸のある素材に綺麗に印刷できる」というフレキソ印刷の特長が活きます。
たとえば、印刷面がレーヨン素材などの平滑性が低い素材であっても高い印刷再現性を発揮し、小さくて細い文字までしっかりとシャープに再現可能です。

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紙器印刷における「水性フレキソ印刷」

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ザ・パックは、日本ではまだ珍しい、紙器への水性フレキソ印刷に取り組んでいます。すでに工場に印刷機を設置、稼働を開始しています。

欧米において、紙器への水性フレキソ印刷は一般的ですが、パッケージに高い美粧性が求められる日本においては、これまで導入があまり進んでいませんでした。
近年における水性フレキソ印刷は、版作成技術や印刷機の改良によって印刷品質が飛躍的に向上しており、「環境負荷低減」、「安全性」、「美粧性」のすべてを兼ね備えた印刷方法となりつつあります。「デザインの再現性でグラビア印刷やオフセット印刷に劣る」といったようなイメージは、もはや過去のものと言えるでしょう。
紙器への水性フレキソ印刷の実物サンプルをご覧になりたい方は、ぜひお気軽にザ・パックまでお問い合わせください。

環境に優しいパッケージへの仕様変更を考える際、その素材自体を紙素材や再生素材に変更することを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
たしかに一番シンプルでわかりやすい方法ではありますが、「環境負荷を低減」する方法はそれだけではありません。今回ご紹介したように、「印刷方式を変更する」というのもその手段のひとつです。

ひとくちに「環境に優しいパッケージ」といっても、そこには多くの要素が詰まっています。素材を変えるのは少しハードルが高い…という場合でも、印刷方式や加工を変えることで、環境負荷を低減できる可能性があります。

「今使用しているパッケージを少しでも環境に優しくしたい」「高い機能を持ちつつも、環境に優しいパッケージをつくりたい!」という方はぜひザ・パックにご相談ください。ご希望やお悩みに合わせて最適な方法をご提案します。

総合パッケージメーカーであるザ・パックは、お客様が考える課題に向き合い、パッケージを通して解決するアイデアをご提供します。
具体的な課題、ご相談やご要望をお持ちの方は、お手数ですが商品お問い合わせまで一度ご連絡ください。

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これからも「つつむを知る」では、他のコンテンツでは発信できないパッケージの最新トレンドや、パッケージ製作をご検討中の皆さまの役に立つ情報を色々とお伝えしていきます!
ザ・パックへのお問い合わせやご依頼は、お問い合わせフォームよりお寄せください。

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