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【SDGs】エコフレンドリーな印刷方式「水性フレキソ印刷」のご紹介

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【SDGs】エコフレンドリーな印刷方式「水性フレキソ印刷」のご紹介

パッケージは、中身を保護する役割はもちろんのこと、そのデザインによってブランドや商品の情報を訴求し、消費者の購買意欲を高める役割を担っています。

パッケージデザインにおいては、グラフィックや形、素材、加工などの組み合わせにより、さまざまな表現が可能ですが、なかでも「グラフィックデザイン」が与える印象は大きいといえるでしょう。
グラフィックデザインが入っていない無地のパッケージばかりでは、なんだか寂しい世界になってしまいますよね。

このグラフィックデザインをパッケージにのせる「印刷」の工程。少しでも環境負荷の低い方法でできたら良いと思いませんか。

今回紹介する「水性フレキソ印刷」は、数ある印刷方式のなかでも環境負荷が低い印刷方式のひとつです。
環境問題をはじめとするさまざまな社会課題への対策が企業に求められている昨今、水性フレキソ印刷の注目度は高まり、普及への期待が寄せられています。

日本における印刷方式別シェア

国内における印刷方式別生産金額の構成比を見てみると、オフセット印刷が6割以上を占め、次いでグラビア印刷が続きます。

blog_082_2l_印刷方法別生産金額の構成比.jpg
参照:経済産業省「2020年経済産業省生産動態統計年報 紙・印刷・プラスチック製品・ゴム製品統計編」(参照日2022年6月27日)※グラフは資料内のデータをもとに作成

そんな日本とは異なり、近年、欧米では「フレキソ印刷」が主流となっています。特にヨーロッパ市場においてはその傾向が顕著で、使用されているパッケージのほとんどにフレキソ印刷が採用されています。

「フレキソ印刷」とは、凸版印刷の一種で、柔軟なゴムや樹脂でつくられた版にインキを付着させて転写させる印刷方式です。日本では、主に段ボールや紙袋で用いられる印刷方式ですが、欧米ではフィルムや紙器にもフレキソ印刷が多く用いられています。

「油性グラビア印刷」「UVオフセット印刷」における課題

・「油性グラビア印刷」における課題

blog_082_3l_グラビア印刷機.jpg
日本において、フィルムパッケージの印刷には「油性グラビア印刷」が用いられることがほとんどです。「グラビア印刷」とは、凹版印刷の一種で、あらかじめ印刷したい絵柄が彫り込まれた版の凹みにインキを転移させ、さらに版のインキを、フィルムなどの印刷したい対象に転写させる印刷方式です。

油性グラビア印刷に用いられるインキには「有機溶剤」が含まれているため、印刷時に発生する「揮発性有機化合物(VOC)」による大気汚染や人体への影響が懸念されています。
また、印刷の際に使用するインキ量が多いことから、インキを乾燥させる工程で使用するエネルギー量も多く、多量の二酸化炭素が発生する点についても課題となっています。

・「UVオフセット印刷」における課題

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日本でもっとも多く用いられている「オフセット印刷」は、平版印刷の一種です。版に凹凸がない点が特徴で、親油性のインクと水の反発を利用し、ブランケットとよばれる転写ローラーにインクを移したうえで、印刷面に転写します。
写真や細かいデザインを忠実に再現することが可能で、パッケージにおいては、紙袋や紙器に用いられている印刷方式です。

オフセット印刷で用いられることの多い「UVインキ」には、揮発性有機化合物(VOC)が含まれず、熱乾燥させる必要がないため、「省エネルギー」である点では環境に優しいといえます。

しかしながら、このUVインキを用いた印刷には課題もあります。
UVインキを「硬化する」ために必要な「光重合開始剤」という化合物です。この光重合開始剤は2020年5月のNL規制の改定で、一部が規制対象になっており、この材料が含まれないインクを要望する一部の企業も出てきています。
参照:環境省大臣官房環境経済課「環境ラベル等データベース NL規制」(参照日2022年6月29日)

「水性フレキソ印刷」のすすめ

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「油性グラビア印刷」や「UVオフセット印刷」で課題となっている点をクリアできるのが「水性フレキソ印刷」です。

水性フレキソ印刷で用いられる「水性インキ」は、有機溶剤の含有率が限りなくゼロに近いインキです。そのため、揮発性有機化合物(VOC)がほとんど発生しないうえ、光重合開始剤も含まれません。
また、油性グラビア印刷と比べてインキの使用量を大幅に削減できるため、インキを乾燥させる工程で使用するエネルギーも減り、二酸化炭素の排出量も大きく低減できます。
インキの嫌な臭いも少なく安全性の高い印刷方式であることから、欧米では、ベビー用品や医薬品のパッケージ分野において高いシェアを占めています。

このようなことから、水性フレキソ印刷は、「人と環境に優しく、今世界からもっとも需要が高まっている印刷方法」といえます。

また、近年におけるフレキソ印刷は、版作成技術や印刷機の改良によって印刷品質が飛躍的に向上しており、「デザインの再現性でグラビア印刷やオフセット印刷に劣る」といったようなイメージは、もはや過去のものとなっています。

特にフィルムパッケージにおいては、「凹凸のある素材に綺麗に印刷できる」というフレキソ印刷の特長が活きます。
たとえば、印刷面がレーヨン素材などの平滑性が低い素材であっても高い印刷再現性を発揮し、小さくて細い文字までしっかりとシャープに再現可能です。
blog_082_6l_水性フレキソ印刷フィルムパッケージ.jpg
またザ・パックでは、日本ではまだ採用が少ない紙器への水性フレキソ印刷にも取り組んでいます。すでに工場に印刷機を導入しており、本稼働に向けてさまざまなテストや調整をおこなっています。

環境に優しいパッケージへの仕様変更を考える際、その素材自体を紙素材や再生素材に変更することを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
たしかに一番シンプルでわかりやすい方法ではありますが、「環境に優しく」する方法はそれだけではありません。今回ご紹介したように、「印刷方式を変更する」というのもその手段のひとつです。

ひとくちに「環境に優しいパッケージ」といっても、そこには多くの要素が詰まっています。素材を変えるのは少しハードルが高い…という場合でも、印刷方式や加工を変えることで、環境負荷を低減できる可能性があります。

「今使用しているパッケージを少しでも環境に優しくしたい!」「高い機能を持ちつつも、環境に優しいパッケージをつくりたい!」という方はぜひ私たちにご相談ください。ご希望やお悩みに合わせて最適な方法をご提案します。

総合パッケージメーカーであるザ・パックは、お客様が考える課題に向き合い、パッケージを通して解決するアイディアをご提供します。 具体的な課題、ご相談やご要望をお持ちの方は、お手数ですが商品お問い合わせまで一度ご連絡ください。

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これからも「つつむを知る」では、他のコンテンツでは発信できないパッケージの最新トレンドや、パッケージ製作をご検討中の皆さまの役に立つ情報を色々とお伝えしていきます!
ザ・パックへのお問い合わせやご依頼は、お問い合わせフォームよりお寄せください。

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