【事例編】脱プラ・減プラを実現するには？加速するパッケージの「紙化」について
プラスチック問題にまつわる背景や素材としてのメリット・デメリットについて、前回の記事でお伝えしました。
（【背景編】脱プラ・減プラを実現するには？プラスチック問題を知る）
最近は消費者の購買行動も「SDGs」や「エシカル」といったポイントに重きをおく傾向にあり、今後「脱プラ」「減プラ」の必要性が年々加速することは間違いありません。
では、具体的にどのようなパッケージを選べばよいのでしょうか。
今回はおもに環境対応の観点から、紙パッケージへの移行に向けてザ・パックが開発、商品化した「紙化」の取り組み事例についてご紹介します。
紙化に向けた開発事例
環境対応の観点に加え、企業がプラスチックのリサイクルを行うには設備とコストを要することから、プラスチック包装の代替となり、環境に対応したパッケージの素材となるものとして「紙」が注目されています。
「紙」はリサイクル可能な素材であり、植物由来の持続可能資源でもあります。
包装資材をプラスチックから紙へと変更すること（＝紙化）は、石油資源をリデュース※することに繋がります。
※リデュース（reduce）……製品を製造する際に使用する資源の量を減らすこと、また、廃棄物の量を減らすこと。
ザ・パックでは、フィルムラミネートや雨用カバー等の石油資源を使わずに撥水性を実現する「撥水ニス」や、菓子や惣菜のプラスチックトレーに替わる耐水耐油コーティングを施した「紙トレー」の導入など、幅広い業種でご活用いただける紙化技術を持っています。
衣類関連では厚紙・段ボールで出来た紙製ハンガーや什器、靴下やインナー類を吊り下げて陳列する際にプラスチック製のパーツを使わない紙製パッケージなど、プラスチック製品の代替となる「紙化」アイディアを続々と設計・開発しています。
また、これまでプラスチック素材がメインだった食品軟包装（フィルムパッケージ）の分野でも、“紙製”にできる紙製軟包装「クラフトシリーズ」を開発しました。
「クラフトシリーズ」は、紙にさまざまな素材を貼り合わせたり塗布したりすることによって、食品の個包装に必要とされるバリア性、防湿性、遮光性などを持たせたものです。
プラスチックが独占してきたこれらのメリットについては、中に入れる商品によっては紙でも実現が可能になってきました。
関連記事：紙製軟包装「クラフトシリーズ」とは
「中身が見える」減プラパッケージ
プラスチックの特性である「中身が見える」というメリットは、紙箱でも工夫次第で実現することができます。
ザ・パックでの商品例をご紹介します。
・窓貼り箱
紙箱の一部に透明フィルムを用いた、中身を見せることができるパッケージ。
食品・化粧品などさまざまな業界での実績があります。
「窓貼り箱」は全てプラスチック製の箱に比べると大幅な減プラが可能です。用いる透明フィルムの素材を植物由来のセロハンに変更することもできます。
商品パッケージとして必要な表示内容を印字する面は確保しつつ、商品を見せる窓を出来るだけ大きくしたり、商品が動かないよう固定している見せたくない部分は逆に隠したりと、ご要望に対しザ・パック設計チームならではのオーダーメイドでお応えします。
・紙製容器＋トップシール
お弁当容器など、中身を見せつつ高い密閉性を保つことが必要とされる場合に対応するパッケージ。
近年の技術により、本体部分が紙素材であっても天面にフィルムシートを熱圧着させることが可能になりました。
紙とプラスチックを組み合わせることで課題を解決したこれらの商品は、製造時には石油の使用量を、使用後にはプラスチックごみを大幅に減らすことができます。
ザ・パックでは必要な機能性やニーズに応えながらも環境に配慮した紙箱の開発に、日々取り組んでいます。
まとめ
環境問題やSDGsへの取り組みが注目されている現在、環境対応型のパッケージを採用することは企業活動のスタンダードになりつつあります。
従来のエコ（環境対応型）パッケージは、デザインや素材のバリエーションが少ないイメージがありましたが、消費者の意識の高まりを受けて多様化してきています。
パッケージづくりのプロ集団であるザ・パックでは、紙にバリア剤を塗工した紙製バリア素材など環境に配慮した製品群の開発を進めており、豊富なラインアップの中から選んでいただくことが可能です。
消費者の環境対応意識に応えることは、新たなビジネスチャンスにもつながります。
自社の箱やパッケージに環境対応型の商品を採り入れてみたいという方は、豊富な知識とノウハウを持つザ・パックにぜひお問い合わせください。
これからも「つつむを知る」では、他のコンテンツでは発信できないパッケージの最新トレンドや、パッケージ製作をご検討中の皆さまの役に立つ情報を色々とお伝えしていきます！
ザ・パックへのお問い合わせやご依頼は、お問い合わせフォームよりお寄せください。
