【消費の多様化】2024年パッケージトレンドまとめ その2
2024年は、「消費の多様化」が特に印象的な1年でした。物価高騰による節約志向の高まりや、Z世代を中心に“自分らしさ”の表現を好む消費者が増加したことなど、経済状況や社会の変化に伴い、消費のあり方も変化しています。
こうした消費トレンドの変化はパッケージデザインにも大きな影響を与えています。
今回の2024年パッケージトレンドまとめ第2弾では、「消費の多様化」に焦点を当て、特徴的な消費トレンドと注目を集めた市場、また、それに対応してザ・パックがご提案してきたパッケージアイデアをご紹介します。
2024年の消費トレンド
2024年における消費トレンドのなかで特に注目したいのが、「メリハリ消費」と「エモ消費」です。これらのトレンドは、消費者の購買行動やパッケージデザインに大きな影響を与えています。
メリハリ消費
メリハリ消費とは、日常生活では節約を心がける一方で、重要と感じる分野には惜しまずお金を使う消費行動を指します。このトレンドは、物価高騰が続くなかで、消費者が自分の価値観やライフスタイルに基づいて賢くお金を使おうとする姿勢を反映しています。
たとえば、食品や日用品などの日常の買い物では節約を意識する一方で、記念日などの特別なイベントや趣味に関連する商品には惜しまず出費することが挙げられます。
このようなメリハリ消費に対応するためには、パッケージにも工夫が必要です。消費者が節約を重視するシーンにおいては、シンプルでコストパフォーマンスの良さが感じられるパッケージが求められます。一方で、趣味や嗜好に関連する商品のパッケージは、高級感や特別感を演出することが重要です。これにより、消費者は商品の価値をより一層強く感じることができます。
エモ消費
共感とコミュニケーションを重視する「エモ消費」は、Z世代を中心にひろがっているトレンドです。ブランドや商品の背景にあるストーリーや価値観などへの「共感」を重視して商品を選ぶ消費者が増えています。
さらに、消費者が自分の購入した商品をSNSでシェアし、その商品のストーリーや“自分らしさ”を共有すること、それをきっかけにコミュニティ内でコミュニケーションを生むことも一般的になりつつあります。
参照:僕と私と株式会社「Z世代/Y世代/X世代に聞いた!エモ消費に関する意識調査」
(2024年8月20日)
エモ消費に対応するパッケージデザインは、ブランドのストーリーや価値観を明確に伝えることが重要です。たとえば、ブランドイメージやコンセプトをパッケージデザインに反映したり、環境への取り組みをパッケージの仕様で表現したりすることが効果的です。これにより、消費者は商品に対してより深い共感を抱き、より高い価値を見出してもらうことができます。
以下では、ご紹介した消費トレンドを背景に注目を集めた市場とそのパッケージについてご紹介します。
コミュニティを形成する場となった「推し活市場」
「推し活」とは、好きなアイドルやキャラクター、アーティスト、タレント、スポーツ選手などを応援するための活動や消費行動をさします。2024年はメリハリ消費のひろがりの影響もあり、この推し活市場がさらに拡大しました。消費者は共通の「推し」を通じてコミュニティを形成し、ファン同士が交流、情報共有することで、推し活市場はますます活発化しています。
推し活市場向けの商品というと、公式グッズなどの「推し」に直接関連する商品が真っ先に想像されるかもしれません。しかし、推し活市場の範囲はそれにとどまりません。
昨今、推し活の新しいかたちとして「概念推し活」が注目されており、推しの公式グッズや推し活グッズであるとわかりやすいものだけでなく、推しのイメージカラーを取り入れたアイテムや推しのイメージに近い香水など、推しを連想させる商品全般を消費する人が増えています。概念推し活のひろがりを受けて、「推し」に直接関連する商品を取り扱う企業以外にもビジネスチャンスが拡大しています。
推し活市場向けのパッケージでは、消費者が推し活を通じて得る喜びや満足感(情緒的価値)を高めるための工夫が求められます。たとえば、「推し」を連想しやすかったり、SNSでシェアしやすかったりするパッケージデザインが効果的です。
こちらの記事では、少量多品種のデザインや推しカラーに対応する多色展開に対応する手法やSNS映えを意識した形式など、推し活市場向けにおすすめのパッケージアイデアをご紹介しています。
【推し活】多様化する消費者ニーズに対応するパッケージとは
離れていてもつながりを感じられる「ソーシャルギフト市場」
「ソーシャルギフト」とは、SNSやメールなどを通じてURLを共有するだけで贈ることができるギフト(例:eギフト、LINEギフトなど)をさします。いつでもどこでも、住所を知らない相手であっても、簡単にギフトを贈ることができます。
離れた場所にいる友人や家族とも、ギフトを贈ることでつながりを感じ、コミュニケーションをとることができる点が、タイパ(タイムパフォーマンス)やコミュニケーションを重視する昨今の消費トレンドにマッチしているといえます。
ソーシャルギフト市場においては、Webサイト上の写真だけを見てギフトを選ぶ必要があるため、パッケージデザインが重要な役割を果たします。企業側にとっては、多くの他社商品が並ぶなかで、いかに消費者の目を引き、興味を持ってもらうかが課題となります。また、消費者がギフトを選びやすくするための配慮も必要です。
こちらの記事では、商品の魅力が引き立つパッケージや贈り手の想いを表現するパッケージなど、消費者の心を掴むパッケージアイデアをご紹介しています。
【EC・ソーシャルギフト】多様化するギフト需要に対応するパッケージデザインのポイント
ブランドストーリーを伝達するパッケージの重要性
ブランドストーリーを伝達するパッケージは、単なる商品の外装を超えた重要な役割を果たします。消費者は商品のパッケージからそのブランドの価値観や歴史、ビジョンを読み取ることができます。
ブランドストーリーを効果的に伝達するためには、以下のようなポイントに配慮してパッケージ制作をおこなうことが重要です。
一貫したデザイン
名前を聞いただけで、紙袋や箱などのパッケージデザインを即座にイメージできる企業やブランドはありませんか?パッケージが印象に残りやすい企業やブランドは、ブランドイメージとパッケージのデザインがマッチし、デザインに統一感がある場合がほとんどです。
ブランドのアイデンティティを強調し、消費者の印象に残りやすくするためには、一貫したデザインを採用することが重要です。素材感や色使い、ロゴ、パターンなどを統一することで、消費者にブランドの印象を強く残すことができます。
ストーリーテリング
パッケージ自体が物語を語るようなデザインにすることで、消費者の興味を引き、ブランドへの共感を生み出すことができます。たとえば、ブランドの価値観や製品のコンセプトを象徴するイラストやモチーフ、写真などをデザインに取り入れたり、ブランドの歴史や製品の誕生秘話について紹介するWebページつながるQRコードを印刷したりすることなどが考えられます。
さらに、商品の製造時に発生する端材(カカオの殻や卵殻など)をパッケージの素材として有効活用するなど、パッケージの素材で企業姿勢やストーリーを伝えることも効果的です。
パッケージを、ブランドと消費者をつなぐコミュニケーションツールとしてとらえ、パッケージを通じてブランドストーリーを伝達することに成功している事例はこちらからご覧いただけます。
【資源循環】梱包材を利活用!環境への取り組みを消費者に伝えるパッケージとは(積水ハウス株式会社様)
【廃材有効活用】卵殻配合フィルム採用事例のご紹介(株式会社パノコトレーディング様/SISIFILLE)
【ユーハイム様×ザ・パック】移り変わる時代とともに変化するパッケージの役割
2回にわたり、2024年のパッケージトレンドを振り返りました。
めまぐるしく変化を続ける市場のなかで他社との差別化を図るために、パッケージの役割はますます重要になっています。多様化を続ける消費者ニーズに対し、開発期間の都合などから商品自体では変化に対応しきれない場合であっても、パッケージであれば対応可能な場合もあります。
パッケージについて課題をお持ちの企業様はぜひザ・パックにご相談ください。これからの時代にふさわしいパッケージを共に考え、消費者とのつながりをさらに強化するアイデアをご提案いたします。
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