【推し活】多様化する消費者ニーズに対応するパッケージとは
スマートフォンの普及により、誰もが容易にインターネットやSNSを活用して情報収集、情報発信ができる時代になりました。こうした変化は、人々の消費傾向にも変化をもたらしています。
その変化のひとつが「推し活消費」のひろがりです。
今回は、近年の消費傾向を探るとともに、「推し活消費」のニーズに対応するパッケージアイデアをご紹介します。
目次
多様化する消費者ニーズ~「推し活」市場の拡大~
近年の代表的な消費傾向のひとつが、「消費の多様化」です。ダイバーシティの考え方のひろがりも後押しし、以前と比べて、世代や性別に関係なく、個人が自由に自己表現することが増えました。
たとえば、活発な消費活動をするアクティブシニアの出現やレトロブーム、メンズメイクの定着などです。これにより、当初は企業側がターゲットとしていなかった消費者層に商品が購入されることが増えています。ステレオタイプな“世代や性別によるイメージ”に囚われない自由な消費行動が、今後もますますひろがっていくことが予測されます。
参考記事:デジタルを使いこなす「アクティブシニア」の消費活動
近年注目を集めている「推し活消費」も、消費の多様化によるトレンドのひとつです。
「推し活」とは、好きなアイドルや俳優、キャラクターなどの「推し」を応援するさまざまな活動のことを指します。
「推し」にまつわるグッズを身につけたり、「推し」にゆかりのある土地をめぐる聖地巡礼をおこなったりなど活動の種類はさまざまで、人々は自由に推し活を楽しんでいます。
かつては、誰もが流行しているアイテムを購入し、同世代の人と同じものを持っていることがステータスとされていた時代もありましたが、近年ではむしろ、「個性的であること」や「自分の好きな選択をしていること」、「自分の趣味をシェアすること」に価値を感じる傾向にあるのではないでしょうか。
消費の多様化や推し活市場の拡大に柔軟に対応することは、新たなビジネスチャンスにつながります。そのチャンスを掴むためにも、商品を手に取ってもらうきっかけとなる「パッケージ」に、消費者の興味を引くアイデアや商品の魅力を直感的に伝える工夫を施すことは非常に重要です。
ここからは、推し活市場向けにおすすめのアイテムを中心に、消費の多様化に対応するパッケージアイデアをご紹介します。
少量多品種のデザインに柔軟に対応する「デジタル印刷」
デジタル印刷とは、印刷用の版が不要な印刷方法です。さまざまなデザインを少しずつ(=少量多品種)印刷することに向いている印刷方法で、下記のような特長があります。
- 複数アイテムを一度に小ロットで製造可能
- 版をつくる費用がかからないため、少量多品種のアイテムをトータル的に低コストで製造可能
異なるキャラクターが印刷されたパッケージを少量ずつ製造したい場合など、デザインのバリエーションが多い場合におすすめです。
また、デジタル印刷の一種である「バリアブル印刷」を用いることで、消費者一人ひとりに合わせたパーソナライズ商品パッケージをつくることも可能です。
推しカラー需要を取り込む「多色展開」
推しの公式グッズや、推し活グッズであるとわかりやすいものだけでなく、推しのイメージカラーを取り入れたアイテムや推しのイメージに近い香水など、推しを連想させる商品全般を消費することは、「概念推し活」と呼ばれ、人気を集めています。
日常生活に取り入れやすく、より“自分らしい”活動ができるため、多くの消費者にとって楽しみやすい推し活であると言えます。
推しのイメージカラー=推しカラー(推し色)は、パッケージでも取り入れやすい要素です。同じ内容物であってもパッケージの色にバリエーションを持たせることで、「推しカラーがあるから商品を購入したい」「友人の推しカラーだからプレゼントしよう」といったように消費者の購入意欲を高めることに貢献します。また、多色展開のパッケージは写真映えしやすいので、SNSへの投稿による宣伝効果も期待できるかもしれません。
ここからは、パッケージにカラーバリエーションを持たせるアイデアをご紹介します。
ハンドルや印刷の色替え
紙袋をはじめとした袋に関しては、ハンドルや印刷の色を変える方法がおすすめです。袋本体は同じ素材やデザインのまま、ハンドルや印刷の色展開を豊富にすることで、ブランドイメージを維持したまま推し活消費のニーズにも対応することが可能です。
薄紙やタグなど、袋と一緒に使われる+αのアイテムにのみカラーバリエーションを持たせるなど、より導入のハードルが低い方法もあります。
関連記事:【レギュラーパッケージ+α】特別感を演出する副資材
スリーブ
箱の場合は、筒状のカバー=スリーブを取り付ける方法がおすすめです。
箱本体を変更することなくパッケージのデザインやカラーにバリエーションを持たせることができるので、「推し活消費」向けの場合はスリーブを付け、それ以外の場合はスリーブなしで販売するなど、ターゲットや販売チャネルにあわせて柔軟に対応できる点がメリットです。
さらに、デザインによって売れ行きに差がある場合でも、本体が共通であれば、売れ行きの良いデザインのスリーブに付け替えて販売するなどの対策ができるため、箱本体のデザインを多種展開するよりリスクを低減することができます。
SNS映えで商品を魅力的にアピールする「ディスプレイパッケージ」
ディーエムソリューションズ「ウルロジ」の調査によると、推しのグッズに関する情報は「同じ推し活をしているフォロワー」から収集している人が45.2%です。もっとも多い「公式(推し)のSNSアカウント」は74.2%であることも踏まえると、SNSを活用して推し活をしている消費者が多いことがわかります。
参照:ディーエムソリューションズ株式会社(ウルロジ)「EC購買時の「推し活」に関する実態調査」(2024年8月6日)
そんななかで、SNS映えする工夫や推しアイテムをディスプレイできるようパッケージに工夫することは、消費者満足度のさらなる向上に寄与することが予想されます。
ここからは、推しアイテムのディスプレイや写真映えに対応するパッケージアイデアをご紹介します。
撮影時の背景になるパッケージ
フィギュアやぬいぐるみなどの「推しアイテム」を撮影する際に背景として使用できるパッケージです。
ミシン目に沿って開封し、左右のフラップを開くと奥側で背景ボードのようなPOPが立ち上がります。内側にも印刷が施されているので、箱の中に推しアイテムを入れて写真撮影する際に推しアイテムをより魅力的に演出します。
配送箱など、段ボール製のパッケージにおすすめのアイデアです。
ディスプレイ什器になるパッケージ
本体の一部を切り離して組み立てることで、購入した商品を展示するスタンドに生まれ変わるパッケージです。推しアイテムを撮影したり、部屋に飾って楽しんだりする際に活躍します。
こちらのパッケージはコースターや缶バッジなどを飾ることを想定していますが、もちろんそれ以外の推しアイテムにも対応可能です。
外装箱をディスプレイ什器として有効活用することは、消費者満足度の向上だけでなく、資源の有効活用にも貢献します。
今回は、消費の多様化に対応するパッケージアイデアをご紹介しました。
スマートフォンの普及や、ダイバーシティの推進により、消費者の「興味」や「好み」が購買行動にダイレクトに反映されるようになった今、顧客体験はこれまで以上に重要視されます。パッケージにおいても、こうしたニーズに応える工夫が必要です。
推し活をはじめとした多様化する消費者ニーズに対応したパッケージを採用することは、これまで接点がなかった消費者にも商品を手に取ってもらうきっかけとなり、幅広い顧客の獲得につながるのではないでしょうか。
「消費の多様化に対応するパッケージをつくりたい」「推し活需要やパーソナライズ需要に応えたい」「世代や性別を問わず、商品を手に取ってもらえる工夫がしたい」という企業様は、ぜひザ・パックにご相談ください。幅広い選択肢のなかから、商品や課題に合わせたパッケージアイデアをご提案します。
総合パッケージメーカーであるザ・パックは、お客様が考える課題に向き合い、パッケージを通して解決するアイデアをご提供します。
具体的な課題、ご相談やご要望をお持ちの方は、お手数ですが商品お問い合わせまで一度ご連絡ください。
これからも「つつむを知る」では、他のコンテンツでは発信できないパッケージの最新トレンドや、パッケージ製作をご検討中の皆さまの役に立つ情報を色々とお伝えしていきます!
ザ・パックへのお問い合わせやご依頼は、お問い合わせフォームよりお寄せください。