【シニア世代でも使いやすい】ユーザビリティを向上するパッケージアイディア
少子高齢化が問題視されるようになって久しい日本。
現在も深刻化が進んでいて、団塊ジュニア世代(1971年~1974年の第二次ベビーブームに生まれた世代)が65歳~70歳となる2040年には、65歳以上の人口が全人口の35%になると予測されています。
参照:厚生労働省「我が国の人口について」(参照日2023年7月31日)
今後、各企業が事業活動をおこなっていくうえで、シニア世代(65歳以上)の消費者への配慮やアプローチは欠かせません。
そこで今回は、昨今の「シニア世代」の消費傾向について探るとともに、シニア世代の消費者のユーザビリティ向上に貢献するパッケージアイディアをご紹介します。
デジタルを使いこなす「アクティブシニア」の消費活動
若い世代と比較して、“積極的に新しいものを取り入れる動きが少ない”とされてきたシニア世代。ところが、令和の時代を生きるシニア世代はそのイメージとは少し異なるようです。
人生100年時代の到来、そしてデジタル化の加速を背景に、趣味や仕事をはじめとするさまざまな活動や消費行動、社会貢献などに意欲的なシニア世代「アクティブシニア」が増加しているのです。
参照:株式会社大和総研「長寿社会と健康増進 第8回 活動的な高齢者(アクティブシニア)が増加」(2016年8月29日)
昨今のシニア世代の傾向のひとつとして、「インターネット利用率」の増加が挙げられます。
2022年8月に総務省がおこなった調査によると、インターネット利用者の割合は、60歳~69歳で86.8%、70~79歳で65.5%。70歳以上の年齢階層では、利用率が上昇傾向にあります。
また、インターネット利用者のうち、SNS※を利用している人の割合は、60歳~69歳で73.4%、70~79歳では63.9%。シニア世代でもSNSが普及しつつあることがわかります。
※Facebook、Twitter、LINE、mixi、Instagram、Skypeなどを指す
参照:総務省「令和4年通信利用動向調査の結果」(2023年5月29日)
インターネットショッピング(EC)の利用について見てみると、「インターネットショッピングを年1回以上利用する人」の割合は、60歳~69歳で42%、70~79歳で20%(調査時期:2021年8月)。
参照:株式会社野村総合研究所「第322回NRIメディアフォーラム 生活者1万人アンケート(9回目)にみる日本人の価値観・消費行動の変化 ―コロナ禍で、日本の生活者はどう変化したか―」(2021年11月19日)
デジタルネイティブとして注目されるZ世代と同じように、令和のシニア世代も同じようにデジタルを駆使してコミュニケーションをとったり、消費行動をしたりしていることがわかります。
ユーザビリティを向上させるパッケージアイディア
若い世代同様、インターネットショッピング(EC)利用率が高まるシニア世代。シニア世代の消費者がリピーターになるかどうかは、商品が届いた後の体験による部分も大きいです。
従来、実店舗で商品を手に取り、自分の目で見て購入することが当たり前だったシニア世代。
「思っていた商品と違う」「使い勝手が悪い」といった体験を一度でもすると、インターネットショッピング(EC)で購入すること自体に抵抗感をもってしまうかもしれません。 対面での説明ができないゆえに、商品を保護し、その魅力を伝えるためのパッケージ(包装資材)にはより一層気を配る必要があります。
ここからは、シニア世代の消費者に配慮したパッケージアイディアをいくつかご紹介していきます。
1.開封口がわかりやすいデザイン
開封口が一目でわかりやすく、かつ、開封しやすい工夫がされた形状やデザインのパッケージです。
画像右側のパッケージは、手の不自由な方にも開封しやすいよう開封口の幅が広くなっています。
ミシン目に沿って切り取ることで開封できるようにするなど、開封方法も簡易にするとより効果的です。
また、一見しただけでは開封口がわからない場合、消費者はハサミやカッターを使って開封しようとすることが想定されますが、けがをしたり、中身の商品を傷つけたりするリスクが高まります。
開封口を目立つ色にするなど、デザインや形状を工夫することで、上記のようなリスクを軽減し、「開封口が見つからない!」という消費者のストレスをなくすことが可能です。
2.飲み忘れ防止カレンダー機能付き
健康保持用摂取品を購入することが多いとされるシニア世代。サプリメントなどは決まった頻度での服用が求められる場合が多いです。「うっかり飲み忘れてしまった!」ということを減らすために、パッケージに「飲み忘れ防止カレンダー」のデザインを取り入れるアイディアです。
正しい服用方法を消費者に伝えることにもつながります。
カレンダーを活用していただきやすくするために、商品をストックできるような形状するのもおすすめです。画像のパッケージは青汁の粉末スティックを入れることを想定していて、箱側面にある穴から1本ずつ取り出すことができるようになっています。
3.解体しやすい設計
インターネットショッピング(EC)で購入し、自宅に配送されてきた商品を取り出した後、通販パッケージ(配送箱)を廃棄しやすくするためのアイディアです。
ミシン目(赤い点線)に沿って切り取ることで、簡単に解体することができます。
強い力を使うことなく、平らな状態にすることができるので、力の弱いシニア世代の消費者にとっても廃棄時のストレスがかかりにくくなります。
もちろん通販パッケージ(配送箱)だけでなく、商品パッケージの箱についても、解体しやすい設計を施すことが可能です。
参考記事:消費者に優しいパッケージ設計とは
シニア世代にとって使いやすいパッケージは、同時にすべての消費者にとって使いやすいものでもあります。 そのため、シニア世代のユーザビリティ向上に取り組むことは、広い意味でのユーザビリティ向上に繋がる重要な取り組みです。
今後ますます拡大することが予想されるシニア向け市場。パッケージデザインにおいて、シニア世代の使いやすさを考慮することは欠かせません。
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