2026日本パッケージングコンテスト 受賞パッケージ4作品のご紹介

「2026日本パッケージングコンテスト」において、ザ・パックが手掛けたパッケージ4点が賞をいただきました。
日本パッケージングコンテストは、公益社団法人 日本包装技術協会が主催する、包装分野における優れた作品を選定するコンテストです。
今回受賞したのは、食べ歩きシーンを快適にするテイクアウトパッケージ、ギフトの特別感を演出する化粧箱、環境に配慮した食品トレー、日本文化を体験として届けるアドベントカレンダーです。
それぞれのパッケージには、お客様の商品や販売シーンに寄り添った工夫が込められています。
この記事では、受賞した4つのパッケージについてご紹介します。
目次
「2026日本パッケージングコンテスト」受賞作品紹介
包装技術賞 包装アイデア賞
白ハト食品工業株式会社様
「万博らぽっぽファーム ドリンク&フード ワンハンドパッケージ」

1つ目の受賞作品は、白ハト食品工業株式会社様の「万博らぽっぽファーム ドリンク&フード ワンハンドパッケージ」です。
らぽっぽファームは、白ハト食品工業株式会社様が運営するさつまいもスイーツ専門店です。今回のパッケージは、大阪・関西万博限定の店舗で販売されたドリンクとポテトを、より快適に楽しんでいただくために開発されました。
このパッケージは、ドリンクカップに取り付けるスリーブと、ポテトを入れるフードトレーを組み合わせた、ワンハンド仕様のテイクアウトパッケージです。ドリンクカップにスリーブをセットし、その上にポテトを入れたフードトレーを載せることで、ドリンクとポテトを片手でまとめて持ち運ぶことができます。セット作業もシンプルなため、店舗での提供時にも扱いやすい設計です。
フードトレーは、四角形の一辺を削った五角形の形状です。

スリーブとフードトレーの間にある隙間から紙ストローを差し込めるため、フードトレーを載せたままでもドリンクを飲むことができます。ドリンクを飲みやすくするため、フードトレーは前下がりになるように設計。スリーブにはストロー差し込み部分に凹みを設け、ストローの位置を安定させる工夫も施しています。

さらに、フードトレーにはディップソース用カップをセットできるパーツも一体化されています。ディップソース用カップが不要な場合は、固定用フラップをミシン目に沿って切り取ることもでき、提供メニューに応じた使い分けが可能です。フードトレーは、ポテトのみを提供する単体商品用としても使用できます。

すべて紙製のパッケージであるため、分別不要で廃棄できることも大きなポイントです。大阪・関西万博のテーマである「いのち輝く未来社会のデザイン」に即し、使いやすさと環境配慮の両立を目指しました。
イベント会場や観光地、屋外での飲食シーンでは、「持ち運びやすい」「食べやすい」といった体験が、商品の満足度にもつながります。今回の「万博らぽっぽファーム ドリンク&フード ワンハンドパッケージ」は、利用シーンを具体的に想定し、飲み物とフードを一緒に楽しめるスタイルを提案したパッケージです。
包装部門賞 菓子包装部門賞
株式会社レガリーノ様
「浮遊包装」

2つ目の受賞作品は、株式会社レガリーノ様の「浮遊包装」です。
今回のパッケージは、ホリデーシーズンに展開される菓子ギフト向けの化粧箱として開発されました。贈り物としての華やかさや特別感を、パッケージの構造によって表現しています。
「浮遊包装」は、特許出願済みのパッケージです。このパッケージでは、透明パッドによって内箱を外箱の中央に保持し、内箱が空中に浮いているように見える構造を実現しました。

コンセプトは、「余白を設計し、商品の存在感を際立たせる」ことです。全方向に余白を設けることで光が内箱に当たり、無重力空間に佇んでいるかのような透明感と高級感を演出します。見た人に驚きや特別感を与え、ギフトパッケージとしての印象を高めています。
この構造は、視覚的な演出だけでなく、実用面でも効果を発揮します。内箱が外箱の面に直接触れにくい「箱in箱」の二重構造により、配送時の摩擦や衝撃による小傷の防止にも寄与します。見栄えと保護機能の両方を備えたパッケージです。
また、構成部材を最小限に抑えている点も特長です。内箱に透明パッドを差し込むだけのシンプルな設計とすることで、組み立て作業時の負担を軽減しました。さらに、部材サイズを適正化することで、資材使用量を抑え、環境負荷の抑制にもつなげています。
菓子ギフトでは、中身のおいしさだけでなく、贈る瞬間、受け取る瞬間の高揚感も重要です。「浮遊包装」は、構造と素材の工夫によって商品を美しく見せながら守る、機能美を備えたパッケージです。
包装部門賞 菓子包装部門賞
株式会社ワールド・ワン様
「環境に配慮したドーナツトレー」

3つ目の受賞作品は、株式会社ワールド・ワン様の「環境に配慮したドーナツトレー」です。
株式会社ワールド・ワン様は、生ドーナツ専門店「.donut(ドットドーナツ)」を展開されています。.donutは、「神戸の『おいしい』を、ドーナツに込めて。」をコンセプトに、兵庫県産の食材を活かしたドーナツを展開するブランドです。
今回のパッケージは、百貨店のバレンタイン催事で販売されたチョコレートコーティングドーナツ用に開発されました。催事商品としての特別感を引き立てるため、「ドーナツのコーティング面がしっかり見えること」、そして「ワンハンドで食べやすいこと」を重視した紙製トレーです。
正面を大きくえぐった形状にすることで、ショーケース内でもチョコレートコーティング面が見えやすく、商品の魅力が伝わりやすいパッケージに仕上げています。

内面には、環境に配慮した次世代型の耐油コーティング「カイソナル®加工」を施しています。カイソナル®加工は、海藻由来原料の特性を活かした耐油コーティングで、食品包装に求められる高い耐油性を確保しながら、環境負荷の低減に貢献します。
従来、石油系の耐油加工や機能性耐油紙は、プラスチックフィルムを使わないため環境負荷が低いと考えられてきました。しかし実際には、PFAS※など、環境や人体への影響が懸念される化学物質が使われている場合もあります。
※有機フッ素化合物のうち、ペルフルオロアルキル化合物及びポリフルオロアルキル化合物の総称
カイソナル®加工は、従来品と同等の耐油性能を保ちながら、PFASならびにスチレン系・アクリル系化学物質を使用しない加工です。完全プラスチックフリーで、自然環境下でも分解可能なため、土壌、水質、生態系への影響を最小限に抑えることができます。さらに、食品添加物として認可された原料のみを採用しているため、食品に直接触れる用途でも安心して使用できます。
▲パッケージの底面に印刷されたカイソナル®加工のオリジナルマーク
百貨店の催事などでは、限られた時間の中で商品をスムーズに提供することも重要です。紙トレーに入れた状態で販売することで、販売時にワックスペーパーで巻く作業を削減することができ、現場の作業効率化にもつながりました。
環境配慮、高級感、耐油性、作業性など、複数の要素をバランスよく満たすことで、商品の価値を高めながら販売現場の作業効率化にも貢献したパッケージです。
このパッケージの開発背景や導入後の反応については、こちらの記事で詳しくご紹介しています。
関連記事:【事例紹介〈.donut様〉】環境対応も、高級感も、諦めない ―オリジナルパッケージで実現した、複数課題の同時解決―
カイソナル®加工について詳しく知りたい方は、こちらの記事もぜひご覧ください。
関連記事:【PFASフリー】サステイナブルな耐油コーティング「カイソナル®加工」とは
包装部門賞 贈答品部門賞
株式会社ICHIGO様
「ONSEN RETREAT」

4つ目の受賞作品は、株式会社ICHIGO様の「ONSEN RETREAT」です。
「ONSEN RETREAT」は、日本の温泉文化をテーマにした、海外市場向けの体験型アドベントカレンダーパッケージです。単なる商品保護にとどまらず、日本文化を少しずつ体験する「時間」そのものを提供することを目指しました。
パッケージは、中央から左右に開く観音開き形式です。扉を全開にすると、内部に納められた24個の引き出しを一望でき、1日ずつ引き出しを開けながら中身を楽しむことができます。開封体験そのものが商品の魅力となる、アドベントカレンダーならではの構造です。

正面のイラスト部分には和紙を使用しています。和紙ならではの質感と透け感により、和の趣と落ち着いた佇まいを表現しました。また、扉を開いた状態で背面の開口部から光を取り入れると、正面の和紙を通して行燈のようにやわらかく発光。中身を取り出した後も、空間を彩る演出として楽しむことができます。

構造上の工夫として、扉を最大まで開いた際に内部のストッパーが働き、本体と扉が分離しない構造を採用しています。見た目の美しさだけでなく、使用時の安定性にも配慮した設計です。
海外市場向けの商品であるため、配送時に耐えうる堅牢性も重要なポイントでした。一方で、お客様からは「重厚感を高めたい」「輸送重量を抑えるために軽量化したい」というご要望もありました。
そこで、内容物や配送方法に合わせて構造を最適化し、見た目の高級感と実用性を両立できる設計としました。個々のパーツはシンプルな形状を採用しつつ、それらを組み合わせることで独自性のある構造を実現しています。
包装工程においても作業しやすい設計とすることで、製造現場での品質安定化と負荷軽減を図っています。さらに、使用後も収納ボックスとして継続利用できるため、二次利用にも配慮したパッケージです。
越境ECでは、商品そのものの魅力に加えて、日本らしさや日本ならではの文化的な体験価値をどのように伝えるかが重要になります。「ONSEN RETREAT」は、意匠面、実用面、製造効率まで考慮することで、付加価値の高いギフト体験を実現したパッケージです。
パッケージが生み出す価値とは

今回受賞した4つのパッケージは、用途も形状もそれぞれ異なります。
ドリンクとフードをワンハンドで楽しめるテイクアウトパッケージ。
設計や素材の工夫によって浮遊感を演出するギフト向け化粧箱。
環境配慮、高級感、作業性をバランスよく実現したドーナツトレー。
和紙と光の演出で体験価値を高めたアドベントカレンダー。
それぞれのパッケージに共通しているのは、商品やブランドが持つ価値を、パッケージによってさらに高めているという点です。
パッケージには、商品を守る、運ぶ、陳列するという基本的な役割があります。しかし、パッケージが担う役割はそれだけではありません。
使いやすさを高めること、店頭で目を引くこと、ブランドの世界観を伝えること、環境配慮への姿勢を示すこと、そして贈る人や受け取る人の体験を豊かにすること。
こうしたさまざまな価値を、素材、構造、デザイン、加工技術によって「かたち」にしていくことが、パッケージ開発の面白さであり、難しさでもあります。
今回受賞した4つのパッケージも、それぞれ異なる課題や目的に向き合いながら、お客様とともにつくり上げてきたものです。このような賞をいただけたことを、大変光栄に思います。
今回の受賞を励みに、ザ・パックは今後もお客様の商品特性や販売シーン、解決したい課題に向き合い、パッケージを通じて解決するアイデアをご提案してまいります。
総合パッケージメーカーであるザ・パックは、お客様が考える課題に向き合い、パッケージを通して解決するアイデアをご提供します。
具体的な課題、ご相談やご要望をお持ちの方は、お手数ですが商品お問い合わせまで一度ご連絡ください。
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※本記事は2026年9月時点の情報です。




