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【多様性社会に対応】さまざまな人が手に取りやすいパッケージとは

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【多様性社会に対応】さまざまな人が手に取りやすいパッケージとは

パッケージは商品の“第一印象”になりうるものです。そのため、多様性社会において、より多くの人に手に取ってもらえる商品づくりのためには、パッケージ製作における配慮も必要です。

性別や年齢、国籍、価値観、ライフスタイルなどの異なる人々がお互いを認め合う「多様性社会」の実現は、“誰一人取り残さない”ことを目指すSDGsの達成に不可欠な要素です。 昨今では、さまざまな業界において、多様性に配慮した商品・サービスの導入や既存商品・サービスの見直しをおこなう動きがひろがっています。

今回は、多様性社会の実現に向けて拡大している「ジェンダーレス市場」に注目し、その拡大背景について述べるとともに、パッケージ製作にあたってのポイントやアイディアについてご紹介します。

ひろがるジェンダーレス志向

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Z世代を中心に、「性」にとらわれずに自由に自分らしさを表現しようとする動きがひろがっています。
特に目立ってあらわれているのは、コスメ市場です。2020年におけるメンズコスメの市場規模は、2019年を4%上回り、373億円。2021年は406億円となりました。基礎化粧品は291億円、メークアップは16億円で、2019年に比べてそれぞれ2割以上増えています。
参照:株式会社毎日新聞社「「うーん、マンダム」から半世紀…コロナで男性化粧品市場拡大のわけ」(参照日2022年9月13日)

また、ヴェネクト株式会社が実施したアンケート調査によると、18歳~25歳の男性のうち35.5%が「メイクの経験がある」という結果になっています。
参照:ヴェネクト株式会社「Z世代男性の35.5%がメイク経験有 約半数は毎日メイク「きれいになるため」」(参照日2022年9月13日)
Z世代とっての化粧品は“女性が使うもの”ではなくなっているのです。

日本経済新聞社がおこなった「Z世代サステナブル意識調査」によれば、Z世代が「関心のある社会課題」上位10項目のなかに、下記の3項目がランクインしています。

  • 人種差別
  • ジェンダー不平等
  • LGBTQ(性的マイノリティー)差別


上記3項目は、他の世代ではランクインしていないことから、Z世代の特徴であるといえます。
参照:株式会社日本経済新聞社「Z世代の意識調査 SDGsに取り組む企業を高評価」(参照日2022年9月13日)

これから消費の中心となっていくZ世代の心を掴むために、「男性」「女性」など、型にはめられた性だけではなく、すべての性に向けられた「ジェンダーレス」志向の商品やサービスの提供を視野に入れていく重要性が高まっています。

性の多様性に配慮したパッケージ製作のポイント

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「ジェンダーレス」な商品開発をしていくには、商品だけでなく、消費者がはじめに目にする「パッケージ」にも配慮する必要があります。ここではそのためのポイントを2つご紹介します。

【ポイント①色使い】
さまざまな人にとって手に取りやすいパッケージにするために重要なポイントのひとつが、「色づかい」です。色は、ターゲットを決めるうえで重要な要素となりますが、近年では、性によらず選ばれやすい色を使って商品を売り出す事例が増加しています。

その例として、もっともわかりやすいのが「ランドセル」です。
かつては、男の子=黒、女の子=赤というイメージが強かったランドセルですが、昨今はグレーやむらさき、ブラウンなど、性別にとらわれない多様な色味が展開され、人気を集めています。
参照:ITmedia ビジネスオンライン「男の子でも赤いランドセルを!土屋鞄製造所のジェンダーレスシリーズが、支持されている背景」(参照日2022年9月13日)

パッケージ製作においても、ジェンダーのバイアスに影響を受けない色を利用することで、誰もが手に取りやすいパッケージになります。

【ポイント②環境配慮】
ジェンダーレス志向を持つ傾向が強いZ世代は、SDGsへの関心についても他世代より高いことがわかっています。

「SDGsに積極的に取り組んでいる企業」という理由で、その企業の商品やサービスを購入したことがある人の割合は、Z世代で38.7%、ミレニアル世代で27.5%、X世代で16.7%。Z世代のSDGsに対する意識の高さがうかがえます。
※15歳~26歳を「Z世代」、27歳~42歳を「ミレニアル世代」、43歳~62歳を「X世代」と定義して調査
参照:株式会社ジャストシステム「SDGsを知るZ世代の約4割が「SDGsに取り組む企業」の商品やサービスの購入経験あり」(参照日2022年9月13日)

1990年代後半以降に生まれたZ世代は、幼いころに2011年の東日本大震災を経験しています。その経験から、自然との共存や社会の持続性を重視する価値観が根付き、商品を選ぶうえで「環境問題などの社会課題に配慮していること」を判断の基準とする消費傾向になっているといえるのではないでしょうか。

関連記事:【生活者調査報告】環境・資源に対する意識・行動

ジェンダーレス商品向けパッケージアイディア

ここからは、前述したポイントをおさえた「性の多様性に配慮したパッケージ」のご提案例をご紹介します。

まずはじめは、ジェンダーレスコスメブランドを想定したパッケージ。
ニュートラルな色を使ってシンプルなデザインが施されていて、年齢や性別を問わず多くの人が手に取りやすいパッケージです。

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なかでも特徴的なパッケージをいくつかピックアップしてご紹介します。
こちらは化粧品や乳液などを入れる化粧箱です。

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箱の形状は一般的なキャラメル箱ですが、1辺の罫線を曲線にすることで、特徴的なフォルムになっています。化粧品や乳液など、複数の商品が同じサイズの箱であっても、部分的に罫線の入れ方を変えることで、目の不自由な方や色の識別がしにくい方でも、触って識別できる「アクセシブルデザイン」になります。

また、点字を入れることも可能です。

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次にご紹介するのは、スキンケアセットを想定したパッケージです。

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古紙回収率、古紙利用率が高い「リサイクルの優等生」である段ボール。その段ボールを型で抜いただけのシートを、パタパタtと折りたたんでいくことで商品を固定しています。
段ボールを使用したパッケージであることから、環境問題という社会課題の解決に寄与していることをアピールしやすいパッケージでもあります。
関連記事:【リサイクル】古紙回収率・古紙利用率の優等生!段ボールの再資源化について


ジェンダーレスで使いやすいパッケージ=シンプルなデザインであるとは限りません。
こちらは生理用品を入れることを想定したパッケージです。

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生理用品のパッケージというと、「かわいらしいデザイン」や「赤やピンクなどの暖色系の色づかい」をイメージされる方が多いのではないでしょうか。

このパッケージには幾何学模様が用いられ、さまざまな色を組み合わせることで「女性らしさ」というステレオタイプを払拭したデザインになっています。パートナーや、LGBTQの方が生理用品を買いやすく、持ち歩きやすくなることで、すべての人が生理に対して前向きになれるようなデザインを目指したものです。

右側のパッケージは、生理用品を少量で持ち歩く時に用いることを想定しています。

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2つの対角線上の角を押すと口が開き、放すと口が閉じる特徴的な形式になっていて、使用済みの生理用品を捨てる場所がなかった場合などに、ディスポーサブルバッグとしても使用できます。
想定外のシチュエーションでも安心して使用しやすいパッケージです。


ここまで「ジェンダーレス」をキーワードに、さまざまな人にとって手に取りやすいパッケージをご紹介してきました。
性の多様性への関心が高まりを見せている現代。改めて身の回りを見渡してみても、男女の「型」やステレオタイプ的な「色」などによる表現や分類は以前と比べて減少しています。

また、女性や男性などの「性」で絞ったターゲティングから、性にとらわれないターゲティングの変容も顕著となり、Z世代を中心に「ジェンダーレス」な商品がヒットするような時代になってきているといえます。

パッケージの色づかいやデザインは大きな影響力をもっています。性別に関係なく、買いたいものをストレスなく買ってもらえるような配慮をパッケージに取り入れることで、多様な人々が暮らしやすい社会になるのではないでしょうか。
フラットで幅広い視点をもちながらパッケージをご提案することで、社会をより良くしていくこと。それが私たちの使命だと考えています。


総合パッケージメーカーであるザ・パックは、お客様が考える課題に向き合い、パッケージを通して解決するアイディアをご提供します。
具体的な課題、ご相談やご要望をお持ちの方は、お手数ですが商品お問い合わせまで一度ご連絡ください。

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これからも「つつむを知る」では、他のコンテンツでは発信できないパッケージの最新トレンドや、パッケージ製作をご検討中の皆さまの役に立つ情報を色々とお伝えしていきます!
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