【生活者調査報告】環境・資源に対する意識・行動
『紙袋』に関する意識・行動についての生活者調査結果を、前回の記事ではご紹介しました。
「環境・資源に対する意識・行動について」の調査結果が、第二弾の今回のテーマです。
【調査概要】
調査対象:全国の18歳~60代の男女(合計1,000名)
調査期間:2022年3月22日(火)~3月25日(金)
調査委託先:マクロミル
「環境・資源」に対する意識・行動
はじめに、生活者が日頃、「環境・資源」に対してどのような意識をもち、どのような行動をとっているかを見てみましょう。
「環境・資源」に対する意識・考え方についての11項目を示したうえで、「次にあげた『環境・資源』に対する意識・考え方について、どのくらいあてはまりますか。※」と質問しました。
※あてはまる・ややあてはまる・どちらともいえない・あまりあてはまらない・あてはまらないの5段階から選択
その結果、「あてはまる(ややあてはまるを含む)」と回答した方が多かった上位2項目は下記の通りです。
・「自分が住んでいる自治体のごみ分別基準を守っている」・・・・79.8%
・「自分が住んでいる自治体のごみ分別の基準を把握している」・・・76.6%
各自治体のごみ分別などの決められた「ルール」については、大半の人が認知し、守っていることがわかります。一方、下記のような項目については、「あてはまる(ややあてはまるを含む)」と回答した人が少ないという結果になりました。
・「リサイクルや環境保護のために日頃から工夫をしている」・・・42.6%
・「自然環境に敏感であり、手間や費用をかけてもできることは行動している」・・・30.5%
・「多少値段が高くても、環境に配慮した製品を選ぶようにしている」・・・21.3%
「ルール」としては定められていないような、自主的・積極的な環境保全に対しての意識や行動は、まだ浸透しているとはいえないようです。
企業の「環境保全」への取り組みについて
次に、「環境保全に対する企業の取り組み」についての考え方に関する調査結果をご紹介します。
「環境保全について何か行動している企業は、そうでない企業よりも、企業に対するイメージが良くなる」、「環境保全について積極的に行動している会社やブランドの商品を買いたいと思う」という調査項目に対して、「そう思う(ややそう思うを含む)」と回答した方の割合は下記の通りです。
6割以上の人が、環境保全について取り組んでいる企業はイメージが良くなると回答しています。また、4割以上の人が、そういった取り組みをおこなう企業の商品を購入したいと考えていることがわかりました。
企業が「環境保全」について取り組むことは、人々に好意的に捉えられ、企業・ブランドのイメージアップにつながる可能性があるといえます。
また、「環境保全について積極的に行動している会社やブランドの商品を買いたいと思う」という項目について「そう思う(ややそう思うを含む)」と回答した人の割合は、特に18~29歳の男女で高く、55%と半数以上に及びました。このことから、若年層は環境意識が高い傾向にあることがうかがえます。
環境関連ラベルの認知度と関与
次に、環境に配慮した素材を使った制作物などに表示される、下記のような「環境関連ラベル」の認知度とその影響についてです。
※バイオマスマークは生物由来の資源を活用し、品質及び安全性が関連する法規等に適合している環境商品の目印です。
参照:環境省「環境ラベル等データベース」(参照日2022年7月12日)
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上にあげたような環境関連ラベルを提示し、「次のようなマークが購入した商品のパッケージや包材に入っていることが気になったことがありますか。」と質問しました。
その結果、いずれのマークにおいても、「マークが入っていることに気づいたことがある人の割合=認知率」は3~4割程度でした。そのうち、「パッケージにマークが入っているのが気になったことがある」人は2割前後で、「パッケージに入っているマークが気になって調べたことがある」人は5%と、環境関連ラベルに対する生活者の意識・認知度は低いことがわかりました。
一方で、それぞれの環境関連ラベルの意味を説明したあとに、「環境関連マークがパッケージや包材に印刷されている商品について、あなたご自身はどのように思いますか。」と質問したところ、18~29歳の男女では、「同じ商品を買うならば、環境関連マークが入っている商品を買いたい」と回答した人の割合が半分近くに達しました。
Z世代をはじめとする20代以下の世代は、幼い頃から、身近なところで異常気象や自然災害を目の当たりにしてきてきました。そのため、環境問題をはじめとする社会課題を自分たちの将来に関わる大きな課題=“自分ごと”として認識している人が多いのではないでしょうか。また教育の場や、SNSを通じてSDGsを学ぶ機会が増えていることも要因のひとつだと考えられます。
調査結果にみる環境配慮型パッケージの課題
「環境保全への取り組み」については誰もが注目し、真剣に取り組んでいくテーマという認識をもちながらも、コストや便利さを優先してしまうことも多く、積極的な行動を起こしている人はまだまだ少ないという現実が見えてきました。
しかしながら、Z世代を中心とした若年層では、商品購入の際の判断基準のひとつとして、「環境にやさしいこと」を意識する人も増えてきているようです。
不況の中で成長したZ世代は、将来も安心して生きていけるように貯蓄や節約に関心をもっている人が多く、“モノ”を所持しないともいわれている世代です。商品を購入する際は、ブランドよりもその商品のコンセプトや、価値、ストーリーに共感できることを確認し、購入(=「イミ消費」)する傾向にあります。
環境意識が高いZ世代の購買意欲を高めるには、その商品がどのようにつくられて、どのように環境保全に貢献しているのかを示し、共感を得る必要があります。
今後消費の中心となっていくZ世代、そして「イミ消費」にアプローチする付加価値のあるパッケージづくりにあたっては、「環境に配慮していること」は重要なキーワードになります。
また、今回の調査を通して、私たちパッケージメーカーにとっては今や“当たり前”になりつつある「環境関連ラベル」も、生活者にはまだまだ認知されていないということがわかりました。
環境負荷の低いパッケージづくりに努めることはもちろん、それを伝えるためのツールでもある「環境関連ラベル」がもつ意味をわかりやすく生活者に伝えることで、まずは興味をもってもらうこと。そして、それを通して、環境問題をより身近な“自分ごと”として、考えていただけるように取り組んでいくことが私たちの使命ではないかと考えています。
「環境保全への取り組みを伝えるツールとしてパッケージを使ってみたい」「環境意識の高いお客様やZ世代に共感してもらえるようなパッケージをつくりたい!」という企業様はぜひ一度ザ・パックへご相談ください。数ある環境配慮パッケージの選択肢のなかから、ご要望にあったパッケージをご提案いたします。
次回以降は「通販包材」に対する生活者の意識調査についての結果を報告します。ぜひあわせてご覧ください。
総合パッケージメーカーであるザ・パックは、お客様が考える課題に向き合い、パッケージを通して解決するアイディアをご提供します。 具体的な課題、ご相談やご要望をお持ちの方は、お手数ですが商品お問い合わせまで一度ご連絡ください。
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