【メリハリ消費】ハレの日におすすめの特別感のあるパッケージとは

物価の上昇が続き、消費者の節約意識が高まっています。それに伴い、日々の消費においてコストパフォーマンスを考慮し、出費を抑える工夫をしている消費者が増加しています。
総務省の調査結果を見てみると、2024年の消費支出(総世帯)の年平均(実質※)は、前年比で1.6%の減少。前年と比較して支出が抑えられていることがわかります。
※「消費支出(実質)」は物価変動の影響を取り除いた金額
参照:総務省統計局「家計調査 2024年(令和6年)平均」 (2025年2月7日)
一方で、クリスマスやお正月、バレンタインデーなどの特別な日(=「ハレの日」)には日々の節約はお休みし、贅沢をしたいという「メリハリ消費」がひろがりを見せています。
参考記事:【消費の多様化】2024年パッケージトレンドまとめ その2
今回は、昨今の消費にまつわる価値観の変化を探るとともに、「メリハリ消費」のニーズに対応した、ハレの日に購入したくなる華やかで特別感のあるパッケージづくりのポイントをご紹介します。
メリハリ消費のひろがり
日々の出費を抑える一方で 、ここぞというタイミングや対象への出費はいとわない消費スタイルは、「メリハリ消費」や「消費の二極化」などのワードを用いて紹介され、注目を集めています。企業もこうしたニーズをとらえ、消費者心理やシーンに合わせた施策を講じることが求められています。
それでは、消費者はどのようなモノやシチュエーションに、財布の紐を緩めるのでしょうか。
CCCMKホールディングス株式会社が実施した調査によると、積極的にお金を使っているものとしては「趣味に関わるお金」「日常生活を送るのに必要な衣食住に関わるお金」が上位となりました。「日常生活を送るのに必要な衣食住に関わるお金」は、積極的にお金を使う人と節約する人がともに2割を超えるスコアとなっており、積極消費派と節約派に分かれているようです。
また、夏と年末・年始の時点で積極的にお金を使いたいものの調査では、夏は「旅行やイベントのためのお金」が年末・年始よりも高く、年末・年始は「人と会う・遊ぶためのお金」が夏よりも高くなっています。夏は休暇を取って旅行に出かけ、年末・年始には、クリスマスやお正月、忘年会や新年会で人と親睦を深めるためにお金を使う、そんな生活者の行動がうかがえます。
参照:CCCMKホールディングス株式会社「【2024年消費意識調査】生活者約1,700人に聞いた!物価上昇のなか、収入・消費の本音とは」(2024年7月1日)
コロナ禍を経て、旅行やイベントを楽しみたいと考える消費者が増加するなど、“体験価値”を重視する近年の消費者ニーズが「コト消費」として注目を集めたり、人と接する機会を重視するなど、“つながり”を大切にする方向へ価値観が変化したりしていることも、消費行動に影響を与えているのかもしれません。
また、お正月に欠かせない「おせち」にかける費用についての調査では、回答者の約7割が「おせちは節約を意識しない」と回答しています。おめでたい季節のイベントや、人々が集まるシーンでは、特別なものを用意したいと考える消費者の考えが読み取れます。
参照:経済産業省「おせちから考える食品流通-第2部 賃上げでメリハリ消費も過熱するか!?」(2024年8月9日)
特別感のあるパッケージづくりのポイント
「ハレの日」などのイベント時に、消費者が購入したくなる特別感のある商品とはどのようなものでしょうか。
期間限定の商品や特別なアソートセット商品など、いつもと違う商品は目を引きます。内容物はもちろん大切ですが、商品を手に取るきっかけとなる「パッケージ」にも工夫を施すことで、内容物の魅力をより引き立たせ、消費者の購買意欲をかき立てることができます。
内容物が「ハレの日」に特化した特別仕様の場合、パッケージもそれに合わせてグレードアップさせることで、通常とは違う内容物であることを消費者に伝えられるうえ、商品全体の魅力をさらに高めることができます。
また、内容物は通常の商品のまま、パッケージをシーズンイベントなどの「ハレの日」にあわせた仕様に変更するだけでも、消費者が商品を手に取るきっかけとなります。
パッケージを特別仕様に変更することは、他商品との差別化はもちろん、「ハレの日」のおめでたい雰囲気の演出に一役買い、消費者に与えるわくわく感(情緒的価値)を高めることにもつながります。
パッケージで特別感を演出する方法はさまざまです。見た目や触感、重厚感の演出等、多様なアプローチのなかから、今回は「ハレの日」に購入したくなる、華やかで特別感のあるパッケージづくりのポイントをご紹介します。
①素材選びで特別感を引き出す
パッケージは使用する「素材」によって雰囲気や見た目が大きく変わります。
ザ・パックは、見た目や手触り、風合い、加工との相性など、商品イメージやご要望にあわせて最適な素材をご提案します。
ここでは特別感を演出できる「紙」素材の例をご紹介します。
風合いのある紙
数ある紙素材のなかでも、表面に凹凸があるラフな風合いのある紙を採用することで、印象的なパッケージにすることができます。
風合いのある紙は見た目だけでなく、手に取った時の感触も優しく、紙本来の質感を活かすために、あえて印刷面積を少なくすることが多いです。そのため、華やかな印刷や加工とは異なる、上質な印象を与えるパッケージが完成します。また、レリーフ加工との相性も良いという特長もあります。
色紙(いろがみ)
色紙は原料となるパルプを染色し抄造する、色画用紙のような紙です。
全体に色を付けたパッケージをつくる際、コストを重視する場合には一般的に、白い紙に全面印刷(ベタ印刷)をします。
この方法は、コストを抑えられたり、印刷で色の調整ができたりする点がメリットですが、断面や折った部分から紙の素材の色(白色や灰色など)が見えてしまうことがあるため、“高級感”という面では少し劣ります。
色紙は紙の断面部分も表面と同じ色であるため、印刷だけでは表現できない高級感を演出することが可能です。
紙自体に色が付いていて印刷でのデザインは映えにくいため、箔押しやレリーフ加工でのデザイン表現がおすすめです。
②加工の華やかさで魅せる
「華やかなパッケージ」と聞いて、どのようなパッケージをイメージしますか?
素材感が特殊だったり、きらびやかな加工が施されていたりするパッケージを想像する方が多いのではないでしょうか。
特殊な素材やカラフルな印刷で華やかさを演出することも可能ですが、それ以外に、ツヤ感や光沢感などを施す「表面加工」でも目を引く華やかさを表現できます。以下ではその例をご紹介します。
加飾加工
こちらは、紙の表面に特殊なニスを塗工することで、柄や光沢感を表現する加工です。
性質の異なる2種類のニスが反応して、ツヤとザラザラの質感を表現することが可能です。オリジナルの版をつくることができるので、商品やブランドイメージにあわせたデザインを表現できます。印刷での表現よりも控えめながらも、高級感のある加工です。
シルバー加工/パール加工
一般的な白地の紙に、シルバーやパールのインキを塗工することで、特殊紙(ホイル紙やパール紙)のような光沢感を表現できます。
紙自体にアルミ蒸着などの特殊な加工をする特殊紙とは異なり、印刷による加工のため、コスト(原紙代)を抑えることができる点がメリットです。さらに、特殊紙と比較して、キズが目立ちにくいのも特長です。
ご紹介した加飾加工とシルバー加工を組み合わせることで、缶製パッケージの見た目をほとんどそのままに、紙製に切り替えることも可能です。 ▲「加飾加工」と「パール加工」を施した紙製パッケージ
フォーマルシーン向け商品を中心に、贈答品のパッケージには缶が採用されることが多くありますが、近年では、缶の価格高騰や企業側の資材の取り扱いやすさ、消費者の処分のしやすさなどの観点から、紙製に切り替える事例もあります。
紙製パッケージにこのような加工を施すことで、缶ならではの重厚感や高級感を再現でき、ブランドイメージを保つことが可能です。
関連記事:【紙化でコスト削減】木箱や缶の代替としておすすめのオリジナル紙箱
③形式の工夫で豪華さを演出する
ここからは、お祝いの贈り物や「奮発してお買い物をしたい」というニーズに対応する、豪華な印象を与えるパッケージ形式をご紹介します。
重箱型組箱
お重のような重厚感のある見た目から、日本らしい和の印象を与える形式のパッケージです。
高級感のある見た目と、商品の内容量にあわせて何段にも重ねられる形状から、ギフトボックスとしても人気があります。
シャープな印象を与える貼り箱
こちらは、洗練されスタイリッシュな印象を与える、角の立った貼り箱です。
食品やジュエリーなどジャンルを問わず、高級感のあるパッケージとして人気の高い形式です。
しっかりとしたつくりなので、中身の商品を出したあとも小物入れなどとしてアフターユースしていただきやすい点も特長です。
関連記事:箱のかたち、いろいろ。パート4(貼り箱編)
今回は、ハレの日に購入したくなる、華やかで特別感のあるパッケージづくりのポイントをご紹介しました。
物価の上昇や消費者の価値観の変化により、「メリハリ消費」は今後もひろがり続けると予想されます。消費者が「今日は贅沢をしたい」「特別な買い物をしたい」と思ったとき、どのような商品を選ぶでしょうか。たとえば、「気分が上がる商品」、「誰かに贈りたくなる商品」、「価格に見合うと感じる商品」など、シーンに応じて異なりますが、商品の魅力を引き立てるためにはパッケージも重要です。パッケージに工夫を凝らすことで、商品の魅力をさらに高め、消費者の関心を引くことができるのです。
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