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【事例紹介】消費者からの共感が生んだ、パッケージの“新しい価値”

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【事例紹介】消費者からの共感が生んだ、パッケージの“新しい価値”

「お客様にとって最適なパッケージを」。
私たちは常にそう考え、パッケージが使用されるシーンを思い描きながら提案活動やパッケージ製作をおこなっています。ところが、時には、お客様と共に生み出したパッケージが消費者からの共感を呼び、想定を超えた“新たな価値”が生まれることがあります。

今回はその一例として、とりきち横丁ジャパン合同会社様の通販パッケージ「エコ段ボール」について、対談形式でご紹介します。

<とりきち横丁様について>
【小鳥の世界を幸せにしたい】を理念に掲げ、ドイツと日本を拠点に鳥関連商品をインターネット販売されている企業様です。日本とは大きく異なる、「ドイツにおける“鳥をめぐる環境と考え方”」を発信しながら、ドイツの商品を日本の愛鳥家へ届けています。
参照:とりきち横丁公式ホームページ

対談者紹介

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2002年に留学のため渡独。2008年4月からECサイト「とりきち横丁」を立ち上げ、愛鳥大国ドイツが誇る高品質の鳥のごはん、用品、雑貨を中心に販売を開始。
2012年2月に法人Torikichi Yokochou GmbH(ドイツ本社)、2018年11月に日本の輸送拠点とりきち横丁ジャパン合同会社(日本支社)を設立。現在、ベルリンに在住しながら両社の代表を務める。

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2020年入社。現在は大阪市内のお客様を中心に営業活動をおこなう。
2022年2月から、とりきち横丁ジャパン合同会社様を担当。

とりきち横丁様とザ・パックとの出会い

――10周年を前に、「環境大国ドイツ(本社所在地)らしい取り組みをしたい」と考え、「エコ」「サステイナブル」「生分解」「パッケージ」といったキーワードでウェブ検索したことがザ・パックとの出会いだったと伺いました。数あるパッケージメーカーの中から、ザ・パックをお選びいただいた理由・ポイントを教えてください。

とりきち横丁 シシイ家原代表:
ザ・パック様が環境に配慮した製品づくりに力を入れている企業様であったことが、一番の理由です。私たち、とりきち横丁が大切にする部分と同じだと感じました。
もともと、私たちはドイツ発祥の会社であることから、環境を意識した農薬を使わないビオ(ドイツのオーガニック)品質の鳥のごはんやハーブなどのサプリメント、自然素材の商品を多く販売してまいりました。分野こそ違えども、ザ・パック様も、パッケージの分野で同じ部分を大切にしていると、ウェブサイトなどから伝わってきました。
ザ・パック様のパッケージならば、環境保護の先端を行くドイツらしさをアピールできると確信しました。

「同業他社との差別化」と「パッケージの品質改善」

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――当時使用していた通販パッケージには、何か課題をお持ちだったのでしょうか?

とりきち横丁 シシイ家原代表:
以前は、ドイツから直接日本のお客様へご注文の品をお届けしていました。そのため、荷物を受けとられたお客様には、箱全体から漂うドイツの「香り」やドイツの「切手」、「パッケージ」などから、“異国情緒あふれる雰囲気”を感じとるという特別な体験をしていただけていました。当時使用していた段ボールなどのパッケージは、ドイツではごくありふれたものでしたが、“ドイツからはるばる時間をかけて届いた”という付加価値が加わっていたのです。
そんななか、2018年秋、日本の検疫制度が強化されたことで、ドイツから日本のお客様へ直送することができなくなりました。その後、急いで日本の発送拠点となる日本支社(とりきち横丁ジャパン合同会社)を設立し、そこから日本全国のお客様へ荷物をお届けするようになりました。
以来、ドイツからの「舶来品」という特別感が薄れてしまったことは否めません。この点で、日本国内の「同業他社との差別化」が難しくなったというのが、ひとつの課題となりました。

もうひとつの課題として、「パッケージの品質改善」がありました。お客様からは、かねてよりパッケージの品質改善への要望をいただいておりました。しかし、新しく設立した日本支社と通販事業を軌道に乗せることに追われ、長らく手を付けられずにいました。
そこで10周年を機に、内部の作業フローを見直すとともに、新パッケージを導入していこうと決めました。それが、ザ・パック様へお問い合わせしたきっかけです。

――とりきち横丁様からのご要望や課題に対し、どのようなご提案をおこなったのでしょうか。

ザ・パック 伊東:
とりきち横丁様からは、「企業イメージにも結び付けられるパッケージを!」という要望をいただきました。そこで、企業イメージを表現できる「デザイン・構造設計」と、「作業効率」の2点を重視したご提案をおこないました。
デザイン・構造設計の面からは、フタを開けるとPOPが飛び出してくる形式をご紹介しました。POP部分に、とりきち横丁様10周年記念イラストの鳥さんたちを登場させたら可愛いな、と考えご提案しました。
作業効率においては、これまでA式(ミカン箱形式)の段ボールを使用されていたので、ワンタッチで組み立てられる形式や、テープを使用せずに封緘できる形状をご提案しました。
形式の変更によってコストは上がりますが、梱包作業をおこなうスタッフの方々の負担軽減を優先され、ご採用いただきました。作業効率が向上して喜んでいただけたと伺ったときは、とても嬉しかったです。

「エコ段ボール」に込めた想い

――ご採用いただいたパッケージは、全体にかわいらしい鳥たちのデザインが施されているほか、フタを開けると鳥のイラストが飛び出してくるなど、動きのあるパッケージですね。

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とりきち横丁 シシイ家原代表:
希望のイメージ案は、当社の披田(ひだ)が担当しました。営業担当の伊東さまから、とても素敵な箱の形状をご紹介いただいたことで、お客様へ届いたときのイメージがすぐに浮かんだようです。
環境に優しい点をデザインでも表現すべく、当社のオリジナルイラストの鳥たちと、人気商品の『ハコベの種』に由来したハコベの花があしらわれています。フタを開けると、ハートの窓から鳥たちがドイツ語であいさつしてくれるようにしたのは、やはりドイツらしさを表したかったからです。また、通販ということで、お客様にお目にかかれない私たちに代わり、鳥たちにご挨拶してもらおうと思いました。

blog_117_6l_とりきち横丁様「エコ段ボール」_フラップ.jpg
――段ボールは古紙の含有率が高く、環境に優しい素材です。それに加え、収納ボックスなどとして二次利用(アフターユース)できる点でも「サステイナブル」なパッケージといえます。このアフターユース方法はとりきち横丁様のアイディア。小鳥に関連する商品を扱うとりきち横丁様ならではの素敵な発想です。デザインや形状でこだわったポイントがあれば教えてください。

とりきち横丁 シシイ家原代表:
アフターユースしていただくために工夫した点は2つあります。まずは、収納ボックスとしてアフターユースできるよう、名前欄を設けました。これはドイツのおむつメーカーが採用しているパッケージをお手本にしています。

blog_117_7l_とりきち横丁様「エコ段ボール」_お名前欄.jpg
2点目は、80サイズの段ボールを、ガサゴソボックス(鳥たちが箱の中でおやつやオモチャを探して遊ぶ遊び場の総称)にも利用できるようにしたことです。ハコベの茎のイラストを、遊び場に適した高さ(底面から6~8㎝)にデザインして、線に沿って切り取ってもらえるようにしました。

blog_117_8l_とりきち横丁様「エコ段ボール」_切り取り線.jpg

共同開発したパッケージが生んだ消費者からの共感

――とりきち横丁様の通販パッケージ製作にあたって、苦労したことや印象に残っていることがあれば教えてください。

ザ・パック 伊東:
シシイ家原様はドイツにお住まいのため、帰国のタイミングでしか実際にお会いして打ち合わせができませんでした。定期的なZoom打ち合わせでご要望のヒアリングをしておりましたが、実際にお会いできたのは2回のみ。そんななかで、貴重な帰国(来日)期間に直接ご提案やお打ち合わせをさせていただき、披田様から手書きの希望イメージ案をいただきました。
一緒に新しいパッケージをつくり出している気持ちになって、とても印象深く残っています。

blog_117_10l.jpg▲とりきち横丁様からいただいた手書きの希望イメージ案(一例)

――「エコ段ボール」に変更してから、貴社内での変化はありましたか?

とりきち横丁 シシイ家原代表:
これは一番のサプライズだったのですが、「エコ段ボール」に変えたことで、梱包作業のスピードが一気に上がりました。効率アップの理由は、テープを一切使用しないことと、3ステップで組み立てを完了できるボックスの形状です。この素敵なアイディアを提案してくださって、伊東様にはとても感謝しています。

――SNS映えするかわいらしいデザイン・形状のパッケージということもあり、SNSへ投稿されるお客様も多くいらっしゃるようですね。「エコ段ボール」に対するお客様の反応はいかがでしょうか?

とりきち横丁 シシイ家原代表:
大変ご好評をいただいております。初めて受け取った方は皆さん感激され、多くの方がそのままご注文の商品とともにSNSで紹介してくださっています。
外側にある鳥のイラストにまず「可愛い!」と驚かれ、フタを開けて窓に映る鳥たちに「可愛い!」と再度驚かれ、最後に、両扉部分を開けると立ち上がる鳥たちに感激してくださっています。箱は捨てられないという方が多いようで、「何に使おうか…?」というお悩みの投稿もSNSでよく見かけます。私たちが想定していたように、鳥さんのごはんや用品のための収納ボックスや、ガサゴソボックスとしてアフターユースしてくださる方も多いようです。
感動したのは、お客様がさらにいろいろなアフターユースアイディアをSNSに投稿してくれたことです。お客様と一緒にモノづくりができたようで、とても嬉しい出来事でした。
参照:とりきち横丁OFFICIAL BLOG~ひみつの横丁~「❤ エコダンボール誕生秘話 ❤」(2023年3月13日)

今年1月に上野駅構内でポップアップストアを開催したのですが、この「エコ段ボール」だけをお求めになる方が続出しました。それだけ、エコ段ボールそのものに価値を見出してくださったのだと感じています。発送用の箱としての機能に加え、その後のアフターユースにおける価値が高いパッケージだと思いました。

blog_117_10l.jpg▲上野駅構内ポップアップストアでの展示の様子(画像左)と、ガサゴソボックスに改変した「エコ段ボール」(画像右)

おわりに

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――今後、ザ・パックにどのようなことを期待していますか?

とりきち横丁 シシイ家原代表:
引き続き商品ごとのオリジナルパッケージをつくっていきたいと思います。過去にザ・パック様からご紹介いただいたパッケージについて、十分に検討できていないものもありますので、時間をかけてじっくりとご相談に乗っていただきながら、新規導入のお手伝いをいただけるとありがたいです。
特に、環境配慮型の紙製軟包装「クラフトシリーズ※」に高い関心を持っております。パッケージのトップ企業としてこれからも環境配慮型のパッケージをご提案いただけると大変嬉しいです。
営業担当の伊東様には、私たちの要望をじっくりと聞いていただいており、とても感謝いたしております。
※参考記事:
紙製軟包装「クラフトシリーズ」とは
【減プラ】紙製軟包装「クラフトシリーズ」新商品のご紹介

――ECでの購入者様とのコミュニケーションを生み出すとりきち横丁様の通販パッケージ「エコ段ボール」は、ブランドとお客様をつなぐツールともいえます。
中に入れる商品や使い方などによって多種多様に変化するパッケージ。今後、どのようにパッケージ開発・製作に向き合っていきたいと考えていますか?

ザ・パック 伊東:
営業活動をおこなううえで一番大切にしていることは、お客様だけでなく“自分”も満足がいくパッケージをつくることです。
SNSが発達している今の社会では、箱や袋ひとつひとつが、企業宣伝に大きく貢献すると認識しております。そのような重要な役割をもつパッケージづくりを任せていただいているお客様へ感謝し、お客様と同じ目線に立って寄り添い、考えながら取り組んでいきたいです。


総合パッケージメーカーであるザ・パックは、お客様が考える課題に向き合い、パッケージを通して解決するアイディアをご提供します。
具体的な課題、ご相談やご要望をお持ちの方は、お手数ですが商品お問い合わせまで一度ご連絡ください。

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これからも「つつむを知る」では、他のコンテンツでは発信できないパッケージの最新トレンドや、パッケージ製作をご検討中の皆さまの役に立つ情報を色々とお伝えしていきます!
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