つつむを知る

  1. HOME
  2. つつむを知る
  3. 製品・サービス
  4. 拡大する冷凍食品市場に向けたパッケージ開発

拡大する冷凍食品市場に向けたパッケージ開発

カテゴリー
  • LINEで送る
  • Facebook
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
拡大する冷凍食品市場に向けたパッケージ開発

「冷凍食品」のニーズが、ますます高まりを見せています。
要因としては、女性の社会進出やコロナ禍による在宅時間の増加が挙げられます。「より効率よく、簡単に食事を済ませたい」と考える消費者が増えた影響で、保存性が高く、調理時間の短縮が可能な「冷凍食品」の市場が拡大しているのです。

スーパーやコンビニエンスストアが冷凍食品の売り場を拡大する事例に加え、レストランや百貨店などの企業が冷凍食品市場へ新規参入する事例が増加しています。また、冷凍食品の自動販売機を街中で目にする機会も増えました。
ぐるなび総研が主催する「今年の一皿」(=その年の世相を反映し象徴する食)では、2022年「今年の一皿」として「冷凍グルメ」が選ばれています。
参照:ぐるなび総研「今年の一皿」(参照日2022年12月7日)

今回は、今後も拡大および多様化していくことが予想される「冷凍食品市場」に注目し、冷凍食品向けに開発を進めているザ・パックのパッケージについてご紹介します。

拡大・多様化する冷凍食品市場

blog_102_2l.jpg
一般社団法人日本冷凍食品協会が2022年2月におこなった調査によると、「冷凍食品を利用する頻度は、1年前に比べて増えた」と回答した人は、女性で25.1%、男性で19.7%。「月1回以上冷凍食品を利用する」人は、2018年と比較して、女性では6.8%、男性では6.4%増加しています。

また、冷凍食品の利用シーンもひろがっています。
冷凍食品を購入する目的について、女性では「自宅で食べる夕食」が64.5%でトップ、「自宅で食べる昼食」が51%で2位という結果でした。「お弁当用」も35%と一定の票を獲得していますが、2年連続で減少しています。
参照:一般社団法人日本冷凍食品協会「“冷凍食品の利用状況”実態調査結果について」(参照日2022年12月5日)

冷凍技術の向上により、「冷凍でも美味しい」という認識がひろがったことで、普段の食事として取り入れる人が増加しています。「冷凍食品=お弁当用」というイメージは変わりつつあるようです。

2022年8月にオープンした銀座松屋地下2階のある「GINZA FROZEN GOURMET」には、銀座に店舗を構える名店のクオリティの高い冷凍食品が並び、消費者が絶え間なく足を運ぶ人気の売り場となっています。
参照:株式会社松屋(PR TIMES)「銀座地区”初”ブランド入店 自社運営の冷凍食品売場を新設 地下2階にハイクオリティ冷凍食品売場 誕生「GINZA FROZEN GOURMET(ギンザ フローズン グルメ)」」(参照日2022年12月5日)

同じく2022年8月にオープンした千葉県浦安市にある「イオンスタイル新浦安MOMA」内の「@FROZEN」は、約1,500品目もの冷凍食品を取り揃える新業態です。
「朝食」「昼食」「夕食」「おつまみ」「スイーツ」といったさまざまなシーンに応える商品を展開しています。
参照:イオンリテール株式会社「イオンリテールが展開する新業態「@FROZEN」」(参照日2022年12月5日)

新型コロナウイルス感染拡大を機に大きく変わった働き方や、冷凍技術の向上、そしてフードロス問題に対する意識の高まりにより、消費者に「食生活の変化」が起こっています。
今後、冷凍食品を取り入れた食事スタイルはますます定着していくことが予想されます。

惣菜向け紙製深絞りトレーの開発

blog_102_3l.jpg
現在、日本の冷凍食品用パッケージに用いられる素材の主流は「プラスチック」です。
プラスチックは、加工のしやすさ、機能性、コスト面で優れた素材ですが、地球温暖化や海洋プラスチック問題をはじめとする環境問題が深刻化するにつれ、その環境負荷の高さが問題視されるようになりました。

持ち帰り用袋や商品パッケージなど、さまざまなパッケージにおいて、より環境に優しい素材や仕様が求められるようになっている昨今。冷凍食品用パッケージに関しても、今後、環境負荷の低い素材への転換が求められることは間違いありません。

冷凍食品のなかでも、「冷凍弁当」や「冷凍総菜」は、そのままレンジアップをすることや、水分がある食品が入ることなどを想定する必要があります。そのため、耐熱性や密閉性に優れたプラスチック製トレーが用いられることが多く、別の素材で代替するハードルはかなり高いといえます。

紙加工品をメインとして取り扱うザ・パックでは、食品のテイクアウト時に使用される紙器を長年自社工場で製造してきました。
その実績と研究の積み重ねで培った知見を活かし、プラスチック製トレーの代替品となる「紙製深絞りトレー」の開発を進めています。

blog_102_4l_紙製深絞りトレー.jpg
右側の白いトレーは紙をプレスして成型した紙製トレー、左側の茶色いトレーは紙の4隅を折り貼りして成型したトレーです。
すでに工場への成型機の導入は完了しており、現在は、適切な紙の開発、金型の設計を進めながら、本稼働に向けて準備をしている段階です。
「紙製絞りトレー」は側面にリブが付けられるため、フタ材をトップシールして密封することが可能※であるという点がメリットといえます。
※完全密封ではありません

欧州などの冷凍食品には、すでに紙製トレーが多く使用されており、スーパーなどで目にすることも多いです。今後、日本でも採用が多くなることが期待されるパッケージです。

関連記事: 【紙製深絞りトレー成形機導入】食品容器におけるプラスチックフリー、紙化対応

ケーキ向け「フレキシブルケーキパット」

blog_102_5l_フレキシブルケーキパッド.jpg
さまざまな分野でEC化が進み、ECで購入できないものはほとんどなくなったといえるのではないでしょうか。
技術の進歩もあいまって、昨今ニーズが高まりつつあるのが、「冷凍デコレーションケーキ」です。冷凍することで、常温では難しかったECでの販売が可能になりました。

お祝いごとに欠かすことのできないデコレーションケーキ。コロナ禍でおうち時間が増えたことで、「プチ贅沢を愉しみたい」と考える消費者が増加したこともあり、その利用シーンは多様化しています。
子どもの写真や、アイドルやキャラクターなどの“推し”のデザインを取り入れ、オリジナルでオーダーしたデコレーションケーキをSNSなどで目にする機会も増えました。

そこでザ・パックは、冷凍ケーキ配送用のパッケージ「フレキシブルケーキパッド※」を開発しました。
※特許出願済み

配送時にケーキが崩れないようにするため、冷凍ケーキのパッケージには、がっちりと商品を固定するようなパッドが使われることが多いです。
安心感はあるものの、ケーキのサイズに合わせて複数種類のパッドを用意する必要があるため、組み立て作業性やコストが課題であるという声をよく耳にしていました。

ザ・パックが開発した「フレキシブルケーキパッド」はそのような課題を一気に解決するパッケージです。

中枠をケーキに巻き付け、風車のような展開のシート4つの“ウデ”を、商品サイズに合わせた目盛りに差し込んでいくだけで組み上がります。

blog_102_6l_フレキシブルケーキパッド_手順.jpg
組み上がったフレキシブルケーキパッドを外装箱に入れると、しっかり固定されます。

blog_102_7l_フレキシブルケーキパッド_手順2.jpg
1種のパッドで、2号から6号までのケーキサイズに対応ができるため、省資源・省スペースに繋がります。

blog_102_8l_フレキシブルケーキパッド_対応サイズ.jpg
ホールケーキ以外にも、カップケーキなどのスイーツを固定するのに使用するなど、内容物の応用も可能です。素材をより丈夫な「片段ボール」に変更することで、花器や鉢、食器を固定することもできます。

blog_102_9l_フレキシブルケーキパッド_その他の使用例.jpg

冷凍食品用パッケージの開発

blog_102_10l.jpg
冷凍食品は、低温下で長期保存されたり、自然解凍の際には結露したり、そのままレンジで温められたりします。冷凍食品用のパッケージを紙で製造する場合、紙製パッケージとしてはかなり特殊な状況で使用されることを想定しなくてはなりません。

一方で、冷凍食品市場は今後さらに成長していくことが見込まれることや、昨今の環境意識の高まりを踏まえると、冷凍食品用の紙製パッケージの需要もますます高まっていくことが予想されます。
海外と比べて食品に関する規制が厳しい日本において、プラスチック製トレーに代替する紙製パッケージを開発することは容易ではありませんが、以前ご紹介したモールド製の容器など、冷凍食品用のパッケージとしてご採用いただく事例も出てきています。

今回ご紹介したパッケージはほんの一例にすぎません。私たちはこれからも、多様化し続ける市場に対応し、各企業様の課題解決に貢献する冷凍食品用パッケージの開発に取り組んでまいります。
現在開発中の「紙製深絞りトレー」についての進捗がございましたら、またこのブログでご報告いたします。

冷凍食品用パッケージの製造をご検討されている方、現在使用しているパッケージに課題をお持ちの方はぜひザ・パックにご相談ください。パッケージのトータルソリューション企業としてパッケージをつくり続けてきた知見から、ご要望に合わせたパッケージをご提案します。

冷凍食品用パッケージについてはこちらの記事でもご紹介しています。
拡大する冷凍食品市場と変化するニーズ
【減プラ・紙化】冷凍食品向けパッケージのご紹介


総合パッケージメーカーであるザ・パックは、お客様が考える課題に向き合い、パッケージを通して解決するアイディアをご提供します。
具体的な課題、ご相談やご要望をお持ちの方は、お手数ですが商品お問い合わせまで一度ご連絡ください。

blog_102_11l.jpg
これからも「つつむを知る」では、他のコンテンツでは発信できないパッケージの最新トレンドや、パッケージ製作をご検討中の皆さまの役に立つ情報を色々とお伝えしていきます!
ザ・パックへのお問い合わせやご依頼は、お問い合わせフォームよりお寄せください。

  • LINEで送る
  • Facebook
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
お問い合わせ

当Webサイトでは、サービス向上を目的として、クッキーを使用しています。クッキーの利用にご同意いただける場合は、「同意する」ボタンを押してください。クッキーの使用・扱いに関する詳細等はクッキーについてをご覧ください。