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【事例紹介】看板商品の飛躍を支えるパッケージデザイン

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【事例紹介】看板商品の飛躍を支えるパッケージデザイン

結婚式引出物の定番とされている「かつお節」。
長い歴史を持つ企業が名を連ねるかつお節業界において、パッケージデザインをうまく用いることで看板商品の販売促進・販路拡大に成功している企業があります。

静岡に本社を置くかつお節専門店「ちきり清水商店株式会社」様は、同業界内では珍しく、モダンテイストなパッケージデザインの商品を展開されています。
しかし、はじめから現在のような商品ラインアップだったわけではありません。その “変化”の背景には、どのようなストーリーがあるのでしょうか。
今回から2回にわたり、ちきり清水商店株式会社様の“変化”の背景やパッケージに関するこだわり、そしてパッケージ製作にザ・パックがどのように関わっているのか、対談形式でご紹介します。

<ちきり清水商店株式会社様について>
ちきり清水商店株式会社様は、天明2年(1782年)の創業以来、駿河湾を望む焼津の地で、伝統の手法を守りながら、かつお節の味と品質を追求してきたかつお節専門店です。
時代とともに変化する消費者の多様なニーズに応えながら、かつお節が持つ本来の風味や旨みにこだわった商品をバラエティ豊かにご提供されています。
参照:ちきり清水商店株式会社 公式ホームページ

対談者紹介

blog_127_2l_ちきり清水商店株式会社_清水社長様.jpg
大学卒業後、総合リゾート企業での営業を約8年間経験。2008年にちきり清水商店株式会社に入社。製造、財務、営業の部署を経て、2013年に代表取締役に就任。

blog_127_3l_ザ・パック_外谷.jpg
2012年入社。現在は東日本のお客様をメインに、パッケージに関わるディレクションやデザインを担当。アパレル、化粧品、土産菓子、食品と幅広いジャンルのパッケージデザインをおこなっている。2014年より、ちきり清水商店株式会社様を担当。
※第2回(2023年7月28日掲載予定)で登場

商品ラインアップ変更の背景

――2015年頃から、貴社の商品ラインアップがどんどん変化していったように感じます。パッケージについては、和モダンなデザインが多いですね。
また、だしギフト「KOGANE」のパッケージには、ザ・パックのデザインをご採用いただいています。商品ラインアップやパッケージデザインの方向性を変更されたことには、当時抱えられていた課題などが影響しているのでしょうか。


blog_127_4l_KOGANE-C9(中身).jpg 参照:鰹節専門店 ちきり「KOGANE-C9」

ちきり清水商店 清水社長:
私が入社する以前より、「かつお節」が引出物として選ばれなくなってきたなかで、パスタや梅干し、スープなどとセットにしてかつお節を販売するようになってきました。私たちはどちらかというと後発になりますが、2007年に別ブランドの「ことほぐ」を立ち上げ、販売をスタートしました。

▼「ことほぐ」のパッケージ
blog_127_5l_ことほぐ.jpg
「ことほぐ」ブランドの販売は好調でした。しかし、当社が製造する商品以外にもさまざまなものを詰め合わせているため、販売を続けるなかで、“自分たちが何屋なのか”がわからなくなってきて。「かつお節」や「だし」がメインではない、仕入れ商品の詰め合わせを販売していることに疑問を感じるようになりました。そこで改めて、“自分たちはかつお節屋だ”と思い直し、「かつお節」と「だし」にフォーカスしていくことを決意しました。そのために、思い切って「ことほぐ」ブランドの商品のほとんどをなくしました。

ジャケ買いする“だし” 「KOGANE」

――看板商品である「かつお節」や「だし」の販売を強化するための大きな改革ですね。商品に対する誇りと自信も感じられます。
その頃、「KOGANE」の商品開発を始めたのでしょうか。


ちきり清水商店 清水社長:
「KOGANE」を発売した当時は、婚礼市場に「だし」関連の商品がありませんでした。今後、「だし」を縁起物のジャンルのひとつにできればと思い、婚礼市場向けの「だし」ギフトを販売することに決めました。同時に、当時販売していたかつお節のような、昔ながらのパッケージデザインでは、ターゲット(結婚式を挙げる人たち)に受け入れられないだろうな、とも考えました。そこで「KOGANE」は、「ジャケ買いする“だし”」をコンセプトにして開発しました。当時の(ザ・パックの)営業さんには、紅茶やスイーツなどのパッケージを見せて、「こんな感じでつくって欲しい」という話をした記憶があります。

――「だし」や「かつお節」とは異なる業界のパッケージを参考にしたいということですか。同業他社とは違う角度からアプローチするようなパッケージをつくりたいとお考えだったのですね。

ちきり清水商店 清水社長:
パッケージに関して、同じ業界の商品はほとんど参考にしていません。情報収集として百貨店を見て回るときも、スイーツや洋菓子を中心に見ています。和菓子売り場を見て、「和」の商材をどのように売っているか、参考にすることもあります。

ギフトを“贈る人”にも、楽しんで選んでもらいたい

――貴社とザ・パックで製作したパッケージに対する反響やお客様の声などがあれば教えてください。

ちきり清水商店 清水社長:
「KOGANE」の前の「たまごめし」シリーズから、当社の商品ラインアップはがらっと変わりました。「もなか茶漬け」など、ほかにも同様の方向性の商品をいくつも発売してきたなかで、パッケージに対する評価というのは総じてとても高いです。「ちきりさん、だいぶ変わったね」という声を良く耳にしますね。商品ラインアップを刷新した当時も結構言われましたし、今カタログを持って行って見せても、「パッケージが可愛いですよね」と言われます。悪い評価は聞かないです。

――あくまで商品を引き立てる手段のひとつにすぎないパッケージですが、パッケージで貢献できている部分もあるようで嬉しく思います。

ちきり清水商店 清水社長:
婚礼業界のなかだけで言ったら、当社が一番パッケージにこだわって商品を出している自負があります。当社のお客様は、「やっぱりお前のとこくらいパッケージにこだわらなきゃダメだよな」と言ってくれています。「パッケージこだわってるから高いんじゃないの」とも言われていますけど(笑)。それは褒め言葉だと思って受け取っています。

――引き出物など、カタログを見て商品を選ぶ場合は、ビジュアル面からしか判断できません。そのため、商品の魅力を十分に伝えるのが難しいように思います。

ちきり清水商店 清水社長:
詰め合わせているかつお節やだしについては、私を含めて当社の社員全員が自信を持っています。商品カタログについては、それを「どう届けるか」というところと、「どう受け取ってもらえるか」、「どう興味を持ってもらえるか」というところが重要だと考えています。
食品業界においては、「調理イメージ」をカタログに載せがちですが、私からすると少し華美です。実際に調理イメージ通りにつくれるかというと、そうではないこともあるので、嘘っぽくなってしまっているというか。婚礼のギフトに限らずですが、ギフトは基本的に“贈る人”と“贈られる人”が違いますよね。“贈る人”が美味しそうだと思って買ったとしても、それが“贈られる人”の手元に渡ったとき、実際に美味しいかどうかはわかりません。嘘を見せているわけではないですが、少し違うな、という気持ちがずっとありました。
婚礼業界のカタログも、食品の「調理イメージ」はメインとして大きく掲載され、「パッケージ」は端の方に小さく掲載されているものが多く見受けられます。パッケージにはあまりコストをかけず、見せ方にコストをかけることが多いようです。
対照的に、当社のカタログは「調理イメージ」がほとんど掲載されておらず、どちらかというと商品の「パッケージ」メインのカタログです。他社との差別化という意味でも、そのような見せ方にしています。

▼ちきり清水商店株式会社様 商品カタログ(ブライダルカタログ「うふふ vol.19」から一部抜粋)
blog_127_6l_ちきり清水商店株式会社様_カタログ.jpg参照:ちきり清水商店株式会社 商品カタログ

ちきり清水商店 清水社長:
御社とパッケージづくりをさせていただくなかで私自身が感じているのは、「ギフトを“贈る人”にも、楽しんで選んでもらいたい」ということです。もちろん、贈られた人に喜んでもらうことも大切ですが、贈る人にも、「これも可愛い!あれも可愛い!どれにしよう!」と迷いながら、選ぶことを楽しんでもらいたいです。
本来、ギフトのパッケージのトーンは統一した方が楽かもしれません。しかし、当社はあえて統一せず、いろいろなパッケージの顔が見られるようにしています。さまざまな楽しみ方をパッケージで提供していきたいです。

――商品ラインアップを転換したことで、お客様の層もひろがったのではないでしょうか。

ちきり清水商店 清水社長:
お客様の層がひろがったのは、パッケージにこだわるようになったことで、雑貨店で当社商品を扱っていただけるようになったことが大きいです。私たちがもともとターゲット層として位置付けていた20代後半くらいの方々が多く来店する場所でもあるので。当社の商品を取り扱う店舗に訪れた際に、商品を見た人たちが「これかわいい!」と言っている声を聞くと、「よしよし!よかった!」と思います。

blog_127_7l_KOGANE_2.jpg
ちきり清水商店株式会社様の“変化”の背景には、引き出物としてのかつお節の需要減少という課題と、「看板商品である『かつお節』や『だし』で勝負したい」という清水社長の想いがありました。
課題解決の手段として、中身の商品の魅力を最大化し、消費者に手に取ってもらうためのツールである「パッケージ」を、とてもうまく活用されています。

商品だけでなく、パッケージの開発にも力を入れられているちきり清水商店株式会社様。どのようなこだわりを持って商品やパッケージの開発に取り組まれているのでしょうか。 次回は、ちきり清水商店株式会社様の新商品とその開発背景、またパッケージづくりにあたってザ・パックがどう携わったのかをご紹介します。

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