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SDGsを意識した「できるだけ多くの人が使いやすい」パッケージ製作とは

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SDGsを意識した「できるだけ多くの人が使いやすい」パッケージ製作とは

SDGs(持続可能な開発目標)では、「誰一人取り残さない」持続可能で多様性と包括性のある社会の実現のための17の国際目標と169のターゲットを定めています。
SDGs は昨今様々なメディアで取り上げられるなど、注目を集めているキーワードですが、イメージとして「エコ」「環境配慮」の面がやや強調されている傾向にあるのではないでしょうか。
ザ・パックは、「環境配慮」をはじめ「食品ロス削減」などを意識したパッケージ開発を続けておりますが、「できるだけ多くの人が使いやすい」ように設計されたパッケージで不平等を無くすことを目指した開発も継続的に取り組んでいます。

SDGs(持続可能な開発目標)の目指す「誰一人取り残さない」社会の実現に向けて関連の深いユニバーサルデザインの概念を中心に、パッケージ製作という視点から事例をご紹介していきます。

SDGsが目指すゴールとパッケージデザインの関わりとは

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SDGsの目指すところは、冒頭でも述べた通り環境にやさしい消費・行動の意識付けだけでなく、社会・経済・環境に総合的に取り組むことで実現されます。
あらゆる人が平等に安心して暮らせる社会形成を目指すという考え方に基づき、より多くの人の使いやすさを意識した製品作りはすなわちSDGs達成に向けた一歩であるとも言えます。
参考:外務省 SDGsの概要及び達成に向けた日本の取組

ザ・パックでは、商品を包んだり、配送したり、持ち運んだりするための様々なパッケージ製作において、メーカーならではの経験とアイディアを持っています。
パッケージの形状や使い方、中に入る商品などの条件によって、最適な「使いやすさ」は異なるため、課題に合わせたオーダーメイドパッケージをご提案いたします。

ユニバーサルデザインの7原則

「ユニバーサルデザイン」「UD」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
「より多くの人が使いやすいようにはじめからデザイン」された製品等を指し、SDGsの「誰一人取り残さない」持続可能で多様性と包括性のある社会とリンクします。

ユニバーサルデザインとは、米国の建築家・デザイナーのロナルド・メイスらが提唱したことが始まりと言われており、年齢・性別・国籍・個人の能力に関わらず、はじめからできるだけ多くの人が利用可能なように、利用者本位、人間本位の考え方にたって、快適な環境をデザインすることを指します。
参考:東京都 福祉のまちづくりを進めるためのユニバーサルデザインガイドライン

これまで、当ブログでも記事の一部でご紹介したことがあります。
【化粧箱】商品の魅力を最大限に高めるパッケージとは
【省人化・SDGs】梱包作業の課題解決について

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ユニバーサルデザインは街づくりなどの視点から紹介されることが多く、バリアフリーと混同されることもあります。
バリアフリーは障碍者・高齢者などを主な対象として、社会生活を送るうえでの障壁(=バリア)を除去していく考え方です。
それに対してユニバーサルデザインはすべての人々を対象とし、最初から障壁を生まないように製品や環境をデザインすることから、広い視点で見るとバリアフリーはその一部だと言えます。

ユニバーサルデザインの考え方は、ロナルド・メイスらがまとめた7つの原則に分かりやすくまとめられています。
①だれにも公平に利用できること(公平性の原則)
②利用者に応じた使い方ができること(柔軟性の原則)
③使い方が簡単ですぐわかること(単純性と直感性の原則)
④使い方を間違えても、重大な結果にならないこと(安全性の原則)
⑤必要な情報がすぐ理解できること(認知性の原則)
⑥無理な姿勢をとることなく、少ない力でも楽に使えること(効率性の原則)
⑦利用者に応じたアクセスのしやすさと十分な空間が確保されていること(快適性の原則)

例えば、オリンピックの開会式で一気に話題になった「ピクトグラム」もユニバーサルデザインの一環であると言えます。言葉の壁を超えて、世界中の人たちが一目でどの競技を指すか理解できることが必要となります。
競技を表す記号の他にも、化粧室、駐車場、救護所等、街中には様々な図記号が存在します。2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、経済産業省の審議会「JISC」によってより分かりやすくするための改正がありました。
参考:内閣府 平成30年度版障碍者白書 第2章第3節

「できるだけ多くの人が使いやすい」パッケージ製作のポイント

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ユニバーサルデザインの考え方に沿って「使いやすさ」を細分化しました。
パッケージ製作をする際のポイントと合わせてご紹介します。

・開封しやすい

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箱や段ボールなど、パッケージには必ず「開ける」という行為が伴います。
開け口が分かりやすい、中身が取り出しやすい、道具を使わずに開けられる…など様々な工夫が考えられます。
例えば、力の弱い人、子供やお年寄りでも開けやすい、カッターなどの刃物がなくても開けられるジッパー開封タイプの段ボールがあります。
このままでも非常に利便性の高いパッケージではありますが、更に切り取れるジッパーがあることを視認しやすいよう、「OPEN」と文字を入れたり、あえてジッパーのところだけ色を付けて目立たせたりすることで、直感的にその仕組みを理解していただくことができます。左利きと右利き、どちらも使いやすいように両端にデザインを入れることも使いやすさアップに有効です。

・情報を認識しやすい

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パッケージには、ブランドのロゴマーク以外にも、様々な情報が表示されています。
例えば食品パッケージの成分表示欄や、化粧品成分の表示、宅配便の冷蔵/冷凍指定など、中の商品を保持するために重要な情報も多くあります。
可読性・視認性・判読性が高いUDフォントを使用したり、視覚障害がある方にも使いやすいようレリーフ加工で点字を表現したりと、より多くの方々を対象として情報が正しく伝わるような取り組みは今後一層広がっていくでしょう。
また、色覚多様性を持つ方は日本全体で320万人以上いるといわれており、パッケージの色で種類分けなどがされていても、人によっては認識できないことも考えられます。
例えば明るさの差をつけたり、文字色と背景色の組み合わせに配慮したりと、多様な色覚を持つ方々でも区別しやすいカラーリングになるよう考慮することが必要です。

参考:東京都 カラーユニバーサルデザインガイドライン

その他、紙袋の底面には「摩擦や水濡れにより色移りの可能性があります」などの注意情報が書かれていることがあります。
こちらも、日本語だけでなく英語・中国語等を併記するほか、ピクトグラムのように誰でも直感的に理解できるような独自のマークを作成して図示するなどの工夫があれば、多くの方に正しく情報を伝えることができます。

・持ちやすい

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袋や箱などを持ち運ぶ際に、安定していて落としにくい、重たいものを運ぶときも手が痛くなりにくいなど、持ちやすさを意識した工夫も可能です。
例えば、写真の紙袋は紐が柔らかく幅広の平紐になっているため、手に馴染みやすく腕にかけても痛くなりにくいのが特徴です。

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また、食品テイクアウトのパッケージやケーキ箱など、子供からお年寄りまで様々な手のサイズの方でも安定して持てるようなフォルムを追及したり、ケーキなどの商品を簡単に取り出せる工夫をしたりと、グラフィックデザインだけでなく構造設計チームでも試行錯誤を続けています。

・廃棄しやすい

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パッケージは使い終わったあと、適切に廃棄する必要があります。
箱などは特に、立体になったままだとかさ張ってしまいゴミの量が増えてしまうため、畳んで平たい状態で捨てていただくことが望ましいです。
例えば上の写真の段ボールでは、底面にツマミをつけて箱を畳みやすくしています。
その他にもジッパーを破ることで廃棄しやすくする工夫など、パッケージの形状に合わせて、複雑な作業や刃物が不要な畳み方をご提案いたします。
設計上の工夫以外にも、前述のツマミ部分に目立つ色をつけてより分かりやすくしたり、簡単な畳み方の図を箱の見えやすい場所に図示したりと、デザイン上で出来ることもたくさんあります。
化粧箱では、箱の側面に罫線を入れることで簡単に潰せるような工夫や、全て紙素材の箱にすることで分別が不要になるなどのご提案が可能です。

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ザ・パックには、パッケージ製作にまつわるお悩み・課題に対して豊富な経験から解決へ導く営業スタッフのほか、構造設計やデザインによって新たなアイディアを生み出すパッケージ専門の開発チームが在籍しております。
SDGsとパッケージに関する課題についてぜひご相談ください。
お問い合わせフォームにご入力いただきましたら、営業スタッフよりヒアリングのご連絡をさせていただきます。

これからも「つつむを知る」では、他のコンテンツでは発信できないパッケージの最新トレンドや、パッケージ製作をご検討中の皆さまの役に立つ情報を色々とお伝えしていきます!
ザ・パックへのお問い合わせやご依頼は、お問い合わせフォームよりお寄せください。

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