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【過大包装への配慮】パッケージの「適正」な環境配慮設計とは

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【過大包装への配慮】パッケージの「適正」な環境配慮設計とは

ザ・パックが手掛ける「パッケージ」は、主に、「内容物の保護」や「消費者への情報伝達」の役割を担っています。それに加え、構造設計やグラフィックなどの仕様次第で、商品に対し、特別感や高級感を付加することも可能です。さまざまな技法で、商品を手に取った消費者に、ワクワクした気持ちや高揚感などの「情緒的価値」を与えることができるのも、パッケージの大きな役割といえます。

パッケージは“消費者の心理に影響を及ぼすもの”であるからこそ、パッケージを製造するうえで配慮すべき事柄が存在します。そのうちのひとつが、「過大包装※への配慮」です。
※「過大包装」と「過剰包装」
過大包装…「空間容積」もしくは「包装費用」が過大となる包装
過剰包装…内容品の保護または品質の保全上、幾重にも包装する必要性が認められないもの、または内容品の価格に比べて、一般社会通念上、包装の意匠が過剰であると認められるもの
参照:東京都「『東京都消費生活条例施行規則』の運用について

パッケージを開けてみたら、思ったより商品が小さかった(あるいは少なかった)という経験はありませんか。
過大な包装は、消費者の誤解を招く可能性があります。さらには、資源を無駄に使うことにもつながるため、持続可能な社会を目指すうえで、反対の効果をもたらすこともあります。

今回は、過大な包装にならないためのひとつの基準となる「空間容積率」についてご説明するとともに、「適正包装」を考えるうえでのポイントをご紹介します。

適正包装の7原則

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使い捨てされるパッケージなどのごみ処理方法にまつわる問題や、環境汚染問題の深刻化を背景に、日本包装技術協会では包装の適正化を推進するための「適正包装7原則」を定めました。

  • 内容物の保護または品質保護が適切であること
  • 包装材料および容器が安全であること
  • 内容量が適切であり、小売の売買単位として便利であること
  • 内容品の表示または説明が適切であること
  • 商品以外の空間容積が、必要以上に大きくならないこと
  • 包装費が内容品に相応し適切であること
  • 省資源および廃棄物処理上適当であること

参照:プラスチック容器包装リサイクル推進協議会「容器包装の機能と役割」(2014年5月28日)

「適正包装」の前提は、“本来のパッケージの役割・機能をきちんと果たしていること”。
たとえば、環境負荷低減のため、パッケージに使用する資源量を削減する場合を考えてみましょう。適正な量を削減するのであれば問題ありませんが、削減しすぎると、パッケージとしての役割や機能を維持できなくなり、内容物(商品)を傷めてしまいます。そうすると、結果的に別の環境負荷(フードロスなど)につながる可能性があります。それでは元も子もありませんね。
参照:経済産業省「容器包装の環境配慮設計に関する事例集」(2016年2月)

前提を満たしたうえで、「過大包装」と「環境負荷」への配慮がなされていることが、「適正包装」の原則です。

空間容積率について

各自治体などでは、包装適正化条例や適正包装基準を定め、適正包装の7原則で言及されている「空間容積率」について具体的な数字を提示しています。
「空間容積率」とは、包装容積に占める空間容積の比率を示したもので、以下の計算式で算出できます。

空間容積率={包装容積-(商品体積+必要空間容積)}/包装容積×100


基準については、団体ごとに条例や基準として定められており、それぞれ少しずつ異なります。
東京都は、空間容積率が20%以下になっていることを適正包装の基準としています。最も厳しい数値を設定しているのは大阪市で、空間容積率を「15%以下」と規定しています。
参照:
東京都「商品の詰め合わせ包装適正化要綱」(1995年1月1日)
大阪市「過大包装基準について」(2017年12月13日)

空間容積率を上げる原因となる例として、下記のような設計があります。

blog_120_3l_空間容積率を上げる設計例.jpg
パッケージに用いられることが多々ある形式・設計ですが、内容物に相応でない(適切でない)ほどに空間容積率が高くなる場合には、適切ではありません。内容量を実質以上に見せ、消費者に誤認を与える可能性があるためです。

特に、カタログに掲載して販売する商品など、消費者が実物を手に取って確認できない商品のパッケージを製造する際には注意が必要です。

「適正」なパッケージとは

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持続可能な社会を目指すうえで、使い捨てされることの多い「パッケージ」は、減らしていくべきだと考える方もいらっしゃるかもしれません。しかしながら、現代社会において、パッケージは欠かすことができない役割を果たしています。

食品用パッケージにおいては、ライフスタイルの多様化に合わせ、小分けパックでの販売が増加。食べ残しを減らすだけでなく、必要量以外の食品は密閉された状態が維持されます。その結果、消費期限の長期化にもつながり、フードロス削減に貢献しています。

パッケージがなければ、商品を安全に消費者の元へ届けられない場合もあります。
たとえば、熱い食べ物(たこ焼き、ラーメンなど)をデリバリーする際や、宅配業者が重量物(家具、家電など)を配送する際に、パッケージは不可欠です。使い捨てではないパッケージを用いることもひとつの手段ではありますが、衛生面の問題や回収の手間など、実現に向けては課題があります。

また、積載効率を向上するパッケージを用いることで輸送効率を上げ、二酸化炭素の排出量を削減できることもあります。
冒頭でもお伝えした、パッケージの「情緒的価値(消費者の心を豊かにする効果)」も忘れてはなりません。

このように、「パッケージ」にはさまざまな機能や役割、価値があります。そのため、「適正包装」を考えるうえでは、さまざまな要素を勘案しつつ、 “過大ではなく、過小でもない”絶妙なバランスを追求することが求められます。
商品の特長や性質、コンセプトに合わせ、必要とされる設計、デザイン、仕様であるかどうかをしっかりと検討することが、「適正包装」を考えるうえで大事なポイントです。

中に入れる商品にとって適切なバランスになるよう、パッケージに「機能」や「価値」を追加していくこと。それが、“パッケージづくり”だと私たちは考えています。

総合パッケージメーカーであるザ・パックは、お客様が考える課題に向き合い、パッケージを通して解決するアイディアをご提供します。
具体的な課題、ご相談やご要望をお持ちの方は、お手数ですが商品お問い合わせまで一度ご連絡ください。

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これからも「つつむを知る」では、他のコンテンツでは発信できないパッケージの最新トレンドや、パッケージ製作をご検討中の皆さまの役に立つ情報を色々とお伝えしていきます!
ザ・パックへのお問い合わせやご依頼は、お問い合わせフォームよりお寄せください。

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