【作業性重視・省人化】紙箱の種類と作業量に注目してみる

商品保護や情報伝達、そして、商品をより輝かせるための役割を担う化粧箱。その“カタチ”には無数のバリエーションが存在します。
同じ容量、同じフォルムの箱であっても、構造によって、作業量とそれに伴うコストが異なります。
箱一つを組み立てる作業にかかる時間はわずかなように思えるかもしれませんが、その数が増えれば増えるほど、作業に費やされる時間は膨大なものになります。ほんの少しの作業性の差が、割かれる時間や手間の大きな差、つまりコストになりうるのです。
そこで今回は、いくつかの箱の形式を取り上げて、その特徴をご紹介するとともに、それぞれの作業性について検証した結果をお伝えします。
箱の形式紹介
今回ご紹介する形式は8種類です。大きく分けると下記の2つに分類することができます。
・フタと身箱が一体になっている形式(フタ・身一体型)
・フタと身箱が分かれている形式(フタ・身セパレート型)
【フタ・身一体型】
①貼りなしB式トムソン
紙を型で抜くのみで完成する、もっともシンプルで製造工程が少ない形式です。抜きっぱなしの状態で納品されるため、罫線にそって折り目をつけながら組み立てます。
②4コーナー貼り
身箱の四隅がのりで貼られていて、折りたたまれた状態で納品される箱です。側面を起こし、フタを折り込んで組み立てます。
③6コーナー貼り
身箱の四隅とフタにある2つの隅がのりで貼られており、折りたたまれた状態で納品される箱です。身箱の側面を起こし、折りたたまれたフタの、のりが貼られている部分を広げて身箱にかぶせることで組み上がります。
④フタ付きテーパーBOX
身箱に傾斜がかかった状態で四隅をのり貼りした箱です。折りたたむことなく、そのまま積み上げた状態で納品されます。
⑤NIS-DX
額縁がついている身箱と、紙が折り返され2重になったフタが高級感を演出する箱です。ザ・パック独自の機械が複雑なのり貼り加工を可能にし、開発された形式です。
作業性の良さに加え、納品時がコンパクトであるため、作業場や店舗での保管スペースの縮小にもつながります。
【フタ・身セパレート型】
⑥貼りなしトムソン フタ・身
フタと身箱の2つのパーツに分かれていて、型で抜かれた紙をそれぞれ組み立てることで完成する形式です。
⑦エコワンタッチ フタ・身
フタと身箱にそれぞれ、のり貼り加工が施されている箱です。フタ身セパレート型でありながらも、作業性が良い形式です。紙の取り都合を考えて無駄をそぎ落としているため、省資源かつコストダウンにつながる点がメリットです。
⑧丸型ワンタッチ フタ・身
⑦の「エコワンタッチ フタ・身」と同じく、フタと身箱にそれぞれのり貼り加工が施されていて、組み立て作業性が良い形式です。「エコワンタッチ フタ・身」とはのりの貼り方が異なり、丸みを帯びたカットラインであることが特徴です。
作業性の比較実験
ご紹介した8種類の形式の箱を実際に組み立て、10分間に組み立てることができる数をカウントしました。その様子を撮影した動画と結果を示した表がこちらです。
<作業性の比較実験の結果>
10分間で組み立てることができた数が1番多かった「④フタ付きテーパーBOX」は、既に身箱部分が組み上がった状態で納品されます。そのため、組み立てが完了するまでの工数が少なく、作業性が大変良い形式であるといえます。
スピーディーに組み上げる必要がある食品のテイクアウト容器などに多く用いられています。
「フタ・身一体型」の形式は、「フタ・身セパレート型」の形式に比べ、カジュアルな印象で、贈答に不向きだと思われがちです。しかし、今回ご紹介した「⑤NIS-DX」はフタ・身一体型でありながらも、高級感を演出しすることができます。さらに作業性も良い点も特長で、ギフト用途の箱として多くご採用いただいています。
また、「カタログ映えする」、「商品をアソートしやすい」といった特長がある「フタ・身セパレート型」の箱をご希望で、かつ、作業性の良さも必要な場合は、のり貼り加工を施した「⑦エコワンタッチ フタ・身」や「⑧丸形ワンタッチ フタ・身」の形式をおすすめします。
のり貼り加工を施すことで、パッケージのコストはプラスになります。しかしながら、組み立て作業をする人の人件費を含めたトータルコストで考えると、のり貼り加工を施したパッケージを採用する方がコストダウンになることもあります。
自動製函機導入による省人化
ここまでは、手作業で組み立てることを想定したうえでいくつかの形式をご紹介してきました。形式を工夫することで作業性を向上させるほかに、機械を用いることでも省人化を図ることができます。
こちらは機械を使って「⑥貼りなしトムソン フタ・身」を組み立てている様子を撮影した動画です。
1分間に約40~60個のフタまたは身箱の組み立てが可能です。10分間で約300箱(フタ・身箱セット)組み上げると考えると、手組みの場合と比べて約3倍のスピードになります。
※機械の性能により異なります。
また、強度を出したい場合は、補強パットを自動で組み込むことも可能です。
人の手組みと違い、自動製函機による箱組みは、作業者による仕上がりの差や作業時間の制限がありません。そのため、安定した箱の組み上げ作業を可能にする点が、メリットといえます。
労働人口の減少が続くなか、幅広い年代の方の労働力が必要になる時代はすぐそこに迫っています。
誰もが組み立てやすく、各企業様の生産性が上がるようなパッケージづくりを目指し、私たちは日々研究開発に取り組んでいます。
「作業性の良いパッケージをつくりたい!」、「現在使用しているパッケージの仕様を変えることで、生産性を向上させることはできないか?」、「機械を使って組み立てることで省人化を図りたい」といったお悩みや課題をおもちの企業様はぜひ一度ザ・パックにご相談ください。
総合パッケージメーカーであるザ・パックは、お客様が考える課題に向き合い、パッケージを通して解決するアイディアをご提供します。
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