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【食品テイクアウト・フードデリバリー】内容物に合わせた紙製パッケージとは

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【食品テイクアウト・フードデリバリー】内容物に合わせた紙製パッケージとは

「ゴーストレストラン」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。

ゴーストレストランとは、「飲食スペースがない厨房のみの拠点で営業し、Uber Eatsや出前館などのフードデリバリーサービスを通じて顧客に料理を提供する飲食店」のことです。店舗の実態がないように見えることから、“ゴースト”と形容されています。「バーチャル(仮想)レストラン」と呼ばれることもあります。

昨今拡大を続けるフードデリバリー市場のなかでも特に急増している業態で、日本経済新聞社の調査によると、Uber Eatsで東京都港区の一角を配達場所に設定した場合、注文可能な店の「全体の1割強がゴーストだった」という結果もでています。
参照:株式会社日本経済新聞社「宅配特化「ゴーストレストラン」急増 80業態持つFCも」(参照日2022年6月8日)

今回は、ゴーストレストラン拡大の背景についてご説明するとともに、フードデリバリー向けパッケージづくりのポイントについてご紹介します。

ゴーストレストラン拡大の背景と課題

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2020年度のゴーストレストランの国内市場規模は、年度末時点の店舗数が約2,000店、売上高が約200億円と推計されています。その背景にあると考えられる要因は下記の通りです。

・フードデリバリー利用の増加
・市場参入の容易さ
・フランチャイズチェーン(FC)事業者、シェアキッチンの増加

これらの要因から、フランチャイズチェーン加盟店を中心にゴーストレストランが増加しており、2021年度には国内市場規模が倍増したのではないかと見込まれています。

一方で、フードデリバリーサービスは、デリバリーできる範囲(半径2~3km)が限られているため、デリバリーのみを行うゴーストレストランにとって、リピート客を継続的に増やしていくことが重要です。
消費者を満足させ、リピーターになってもらうためには、料理を安全に届けることはもちろん、料理を入れる容器=パッケージにも細心の注意を払う必要があります。

参照:株式会社日本能率協会総合研究所 マーケティング・データ・バンク「MDB有望市場予測レポート ゴーストレストラン」(発行日2022年1月27日)

ザ・パックが行った「フードデリバリーサービスの包材に対する満足度」に関する調査※では、約4割の方が「満足していない(どちらともいえないを含む)」と回答しています。 その理由の1位~5位は下記の通りです。

1位 漏れ、こぼれがある
2位 冷めている・ 傾き、ズレ、型崩れがある
4位 ゴミが出る・処分が大変
5位 容器が大きい・過剰に梱包されている

※全国の20代~60代の男女合計1,000名に対するインターネット調査/調査期間:2022年3月22日(火)~3月25日(金)/調査委託先:マクロミル

「料理の油が箱から染み出て汚れていた」「料理に蒸気からの水分で箱がふやけていた」などの事象は、その商品を販売するお店の評価を下げる要因になります。
消費者の満足度を上げ、リピート率を向上させるためには、内容物に合わせて必要な機能が備わったパッケージを使うことが重要です。

ここからは、比較的トラブルが起こりやすい2つの内容物を例に、最適なパッケージづくりにあたってのチェックポイントをご紹介します。

焼き餃子のパッケージ

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焼きたての餃子のパッケージを製作する場合、どのような仕様(素材や加工、形状など)が適しているのでしょうか。まずは、餃子という内容物の特徴やパッケージを使用する状況を把握することが大切です。

【内容物の特徴】
・多量の油と水蒸気が発生する
【パッケージの使用状況】
・焼き上げた餃子を注文先まで配達する

箱から染み出たり流れ出たりしないように配慮すべきであることがわかります。つまり、焼き餃子のパッケージには、下記すべての条件を満たす仕様を選ぶ必要があります。

・耐油(油に強い)
・耐水(水分に強い)
・液漏れ防止機能

これら3つの条件を満たす仕様の選択肢は1つではありません。たとえば、素材や加工においては下記のような選択肢が考えられます。

・蒸気からでる水分を吸収し、かつ、油の染み出しを防止する機能が付与された紙を使う
・耐水耐油剤が染み込んでいる、または、塗工されている紙を使う
・通常使われる紙の食品が触れる面に、ラミネートフィルムを貼り付ける

また、形状においては下記の形式がおすすめです。

blog_079_04l_8点貼り.jpg
隙間ができないよう、箱のコーナー部分が内側に折り込まれているため、油分や水分が外側へ流れ出てしまうのを防ぐことができます。

たいやきのパッケージ

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次はたいやきのパッケージについて考えてみましょう。

【内容物の特徴】
・油分はさほど多くないが少量あり、湯気が多く発生する
【パッケージ使用状況】
・あたたかい状態のたいやきを注文先まで配達する

たいやきから湯気が発生することで、箱がふやけて歪むことがないよう配慮すべきであることがわかります。つまり、たいやきのパッケージには、下記すべての条件を満たす仕様を選ぶ必要があります。

・弱耐油(油に少し強い)
・耐水(水分に強い)
・湯気対策

素材については、餃子のパッケージ向けの素材としてご紹介したような高い機能をもつ紙素材を使うと安心ですが、内容物の価格のわりにパッケージのコストが高くなりすぎてしまうことがあります。その場合は、形状と加工を組み合わせることで、高機能な紙素材に近しい機能をもたせた仕様をご提案することもあります。

たとえば、一般的な紙に「耐油塗工(ハービル加工)※」を施し、隙間が空いていて水蒸気を逃がしやすい形状もご提案しています。

blog_079_06l_湯気を逃がす形式.jpg
※折り曲げ部分の機能は低下するため、油分が多い食品には不向きです。


ここまでご紹介してきたように、フードデリバリー向けのパッケージを検討する際は、内容物の特徴やパッケージ使用状況を十分理解し、仕様を決定していく必要があります。これはフードデリバリー向けパッケージだけでなく、食品を直接入れるパッケージに共通していえることです。

しかしながら、フードデリバリーは自社で配達を行わない場合も多く、店頭から消費者の手元に届くまでの状況が把握しづらいため、パッケージ製作にあたってはより慎重になることが求められます。商圏が狭く、リピーターを継続的に増やすために消費者の満足度を向上させることが強く求められるゴーストレストランであれば、パッケージの重要性はさらに高まります。

パッケージに使用する素材や加工の種類は多岐にわたるため、どのような仕様にしたら良いかわからないという方も多いのではないでしょうか。
そんな方はぜひ私たちにご相談ください。内容物やパッケージ使用状況、抱えている課題などから適切な仕様の選択肢をご提案いたします。

総合パッケージメーカーであるザ・パックは、お客様が考える課題に向き合い、パッケージを通して解決するアイディアをご提供します。 具体的な課題、ご相談やご要望をお持ちの方は、お手数ですが商品お問い合わせまで一度ご連絡ください。

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これからも「つつむを知る」では、他のコンテンツでは発信できないパッケージの最新トレンドや、パッケージ製作をご検討中の皆さまの役に立つ情報を色々とお伝えしていきます!
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