紙製配送資材をKASHIYAMA様と共同開発
環境配慮型の新しい紙製梱包資材「ペーパーパックランナー」についてご紹介します。
株式会社オンワードパーソナルスタイル様のオーダーメイドブランド『KASHIYAMA(カシヤマ)』とザ・パックが共同で開発した、地球にやさしい“紙製シュリンク包装”です。
先日、11月20日に株式会社オンワードホールディングス様のホームページにて発表があり、翌週には弊社からもお知らせを出させていただきました。
株式会社オンワードパーソナルスタイル様リリース
ザ・パック株式会社お知らせ
新聞等でも紹介があったので、ご存じの方もいらっしゃると思います。
「ペーパーパックランナー」という名称からもお分かりいただけると思いますが、“紙素材”であることが今回の新パッケージ開発の大きなポイントです。
『KASHIYAMA』ブランドコンセプト
『KASHIYAMA』は“オーダーメイドの民主化”をめざし、2017年10月よりスタートしたオーダーメイドスーツのブランドです。
https://kashiyama1927.jp/
在庫を持たず、最新のCAD・CAMを導入した工場から直接ご自宅にお届けするファクトリー・トゥ・カスタマー(F2C)により、ジャストフィットの1着が最短1週間でお手元に届きます。
1度採寸を行えば、2回目以降は既存のデータから来店せずに注文できること、低価格・短納期でオーダースーツが手に入ることなどから注目を集めているブランドです。
現在は男性と女性スーツ、女性シューズのラインナップがあります。
最近は、SDGsの観点から、衣料品の廃棄ロスが問題視されています。
「在庫を持たず、必要とされる分だけを工場から直接届ける」というこのオーダーメイドの仕組みは持続可能性という面からも注目の取り組みです。
そしてこの度、より地球にやさしいブランドを目指して「KASHIYAMA エコサスプロジェクト」を始動し、その第1弾として紙製の梱包資材への切り替えを実施されました。
従来の梱包資材
今回、環境配慮資材へ大きく変更したのはスーツを直に包むパッケージです。 紙製包装に変更する前は、ポリエチレン素材の袋「パックランナー」を使用していました。
工場から直接発送するスピード感を実現するため、熱を加えて空気を抜くことで低い湿度を保ち、シワや型崩れを防ぐ機能をもっています。
ポリエチレン素材の袋はコストが安く加工が容易であること、また空気や水を通しにくいなどの特性から、広く梱包資材として使われている素材です。
ところが近年SDGs(持続可能性)の観点から、石油由来製品をできるだけ使わないことや、廃棄物をできるだけ減らすなどの取り組みが多くの企業で進んでいます。
ポリエチレン素材の袋は石油由来製品であり、石油資源は際限なく使用しているといずれ枯渇するといわれています。
また廃棄物(ごみ)を燃やすことで発生してしまう二酸化炭素は温暖化の原因ともいわれています。
その点で、紙は植物由来の素材であり、植物は成長する際に二酸化炭素を吸収する特性から「カーボンオフセット」の取り組みへとつながります。
このような背景から、中の商品を保護する機能は保ったまま「できるだけポリエチレンの使用量をおさえることができないか」というご要望をきっかけとして、今回の共同開発へと発展しました。
紙製梱包資材「ペーパーパックランナー」とは
ザ・パックは、紙素材フィルムパッケージ開発や、機械との組み合わせで新しいパッケージの可能性を生み出す専門チームを持っています。
このチームでは環境負荷を少なくする素材の導入推進や省人化など、様々なご要望に対して日々ソリューションを続けています。
今回、株式会社オンワードパーソナルスタイル様からのご要望に対し、専門チームによる試行錯誤の結果、こちらの紙製梱包資材「ペーパーパックランナー」が誕生しました。
先述したとおり、工場から直接ご自宅までスピーディーにオーダースーツが届けられる点がKASHIYAMA様の魅力のひとつです。
この「ペーパーパックランナー」は、シワや型崩れを防止するという従来のポリエチレン素材の袋と同等の機能性をもっており、“紙でのシュリンク包装”が可能となっています。(特許共同出願中)
紙を主として構成されている素材のため、容器包装識別マークはもちろん「紙」になります。
また素材の先進性に加え、白地に黒のロゴが入ったスタイリッシュなデザインのパッケージは高級感があり、オーダースーツの特別感をさらに高めているのではないでしょうか。
紙製梱包資材のメリット
この紙製梱包資材「ペーパーパックランナー」をご使用になることで、ワンウェイパッケージが環境に与える負荷を少なくするというメリットがあります。
プラスチックの使用量削減が見込めますので、もし企業・ブランドとしてESG(「環境(Environment)」「社会(Social)」「企業統治(Governance)」)推進を検討されている場合にはぜひ紙製パッケージをご検討ください。
環境省が提示しているプラスチック資源循環戦略のマイルストーン①「2030年までにワンウェイプラスチックを累積25%排出抑制」という項目に沿った取り組みにもなります。
昨今は消費者側でも倫理的な考えでものを選びたいという「エシカル消費」意識が強くなってきているので、商品を手にしたお客様にとっても素材が紙に変わったことがわかりやすく、ブランドの目指す“エコロジカル”“サスティナブル”の取り組みをしっかりと感じていただけるのではないでしょうか。
今後も、ザ・パックは時代のニーズに沿った環境配慮素材の開発に取り組んでまいります。
これからも「つつむを知る」では、他のコンテンツでは発信できないパッケージの最新トレンドや、パッケージ製作をご検討中の皆さまの役に立つ情報を色々とお伝えしていきます!
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